妊活や不妊治療中、性器出血や腹部の痛みが生じることがあります。着床出血か生理なのかわからず不安に感じる方も多いかもしれません。
この記事では着床出血と生理の違いや、起きるタイミングについて解説します。

着床出血とは?

妊娠までのプロセス

そもそも妊娠は、①排卵→②受精→③受精卵の移動→④着床のプロセスを経て妊娠に至ります。

受精卵が子宮内膜に根を張ることを「着床」といい、「着床出血」はその際に生じる少量の出血です。受精卵がもぐり込む際、子宮内膜の血管や粘膜などが微量なダメージを受けることで起こります。
これにともなって、「着床痛」といわれる若干の痛みが生じることもあります。

着床出血は必ず起きるわけではない

着床出血は、およそ4人に1人(25%程度)の割合で生じるといわれており、経験しない割合の方が多いといえます。
「着床出血がない=妊娠していない」とは限りません。妊活中や不妊治療中は、着床出血の有無でストレスを抱えすぎないようにしましょう。

着床出血はいつ頃起きる?

次の月経予定日から数えた場合、月経予定日の1週間前から月経日2・3日前後が、着床出血が起こりうるタイミングです。最後の月経開始日を妊娠0週0日としてカウントすると、着床の時点で妊娠3〜4週目となります。

着床出血は、自然妊娠・体外受精に関わらず起こりうるものです。ただし、着床までの日数が異なることで、着床出血が起こるタイミングの数え方が異なります。
以下では、それぞれ着床出血がいつ頃生じるのか説明します。

自然妊娠やタイミング法の何日後?

自然妊娠やタイミング法の場合、受精するのは性行為後の約72時間まで。受精卵(胚)は、受精してから6〜12日後に子宮内膜へ到達するとされています。そのため、性行為後から約1〜2週間頃がひとつの目安となります。

ただし、タイミング法の場合は排卵日を予測して性行為をおこなうため、厳密には排卵日から約1〜2週間頃と考えるのが一般的です。
また、排卵日を予測して精子を送り込む人工授精の場合も、同様のことがいえます。

体外受精の何日後?

体外受精の場合、胚移植日から考える必要があります。
初期胚移植と胚盤胞移植では以下のように着床までの日数が違います。

  • 初期胚移植:移植後4〜5日程度で着床
  • 胚盤胞移植:移植後1〜2日程度で着床

つまり、初期胚移植は移植してから4〜5日頃に出血がある可能性があり、胚盤胞移植は移植してから1〜2日頃に出血がある可能性があります。

着床出血と生理の違い・見分け方

次の月経開始予定日と着床出血のタイミングが重なりやすいため、生理と勘違いする方も少なくありません。
ここでは、色・量・期間・痛みにおける違い・見分け方を解説します。

色・量の違い

着床出血の色は、主に薄いピンクや赤い鮮血、茶色であることが多い傾向にあります。量はごく少量なことが多いですが、量や色には個人差があり、なかにはナプキンが必要な方もいます。

一方で生理の経血は、赤か暗赤色であることがほとんどです。量も多く、塊となって出てくる場合もあります。基本的には、色と量で見分けられるといえるでしょう。

出血する期間の違い

着床出血は1〜2日程度で終了するのに対し、生理は3〜7日程度かかります。生理のように長く出血が続く場合は通常の月経か、何らかの異常がある可能性があるので注意が必要です。

痛みの違い

着床出血の痛みは、着床痛ともいわれますが、生理ほどの激しい痛みはともないません。主にお腹の奥あたりがチクチクと傷んだり、腰が重く傷んだりする程度です。

一方で生理痛は、人によって重く激しい痛みを感じることがあります。生理痛は個人差があるため一概にいえませんが、軽い生理痛と着床出血の痛みは混同されやすいといえるでしょう。

出血があったときの対応

着床出血と生理の見分け方は難しいケースも多くあります。着床出血と思われる少量の出血があった場合、まずはおりものシートなどで対応し、月経予定日まで様子を見ることが基本です。

出血があると不安になる方もいるかもしれませんが、その場合は妊娠検査薬を試したり、出血量によっては医療機関へ相談しましょう。

妊娠検査薬で判定する

妊娠検査薬を使用するタイミングは、月経開始予定日から約1週間後です。生理のような出血がなく、生理の遅れが1週間を過ぎている場合、妊娠している可能性があります。

ただし、結果が陽性であったとしても、最終的な妊娠判定は必ず医療機関で受けましょう。

痛みと出血が多い場合は医療機関へ

通常の生理とも異なり、出血量が多く強い痛みをともなう場合は、早めに産婦人科へ相談しましょう。妊娠初期にはさまざまな要因で出血が起こる場合があります。赤ちゃんや母体の健康に関わる可能性もあるため、まずは医療機関へ電話し、指示を仰いでみましょう。

妊娠初期に着床出血以外で出血する原因

妊娠超初期には、着床出血以外の「不正出血」が起こる場合があります。出血量が多い、血の塊が出るなど、妊娠に関わる不正出血の原因を説明します。

絨毛膜下血腫

着床後、胎児を包む胎嚢を形成する膜と絨毛膜と呼びます。この絨毛膜と子宮内膜の間に血液が溜まり、血腫ができて出血することがあります。鮮血のような赤い出血が見られます。

自然に改善するケースが多いですが、場合によっては流産・早産リスクを高める可能性があります。

子宮外妊娠

子宮内膜に着床せず、別の部位(主に卵管など)に着床してしまうことを子宮外妊娠といいます。症状がない場合もありますが、下腹部に痛みが生じ、出血がともないます。

子宮外妊娠の場合は妊娠継続・出産ができないため手術が必要です。放置すると卵管が破裂するなどのリスクがあります。

切迫流産

妊娠22週未満の妊婦で流産になりかけている状態を切迫流産といいます。出血量が多く何日も続いている、強い痛みがあるなどの場合は、流産の可能性が考えられます。鮮血や暗赤色の出血がある場合は、クリニックを受診しましょう。

早期流産(稽留流産)

早期流産とは、妊娠12週未満に起こる流産のことです。流産が進行する際には、子宮が収縮することで強い腹痛をともない、鮮血や暗赤色の出血がみられることがあります。

一方で、腹痛や出血などの自覚症状がまったくないまま、超音波検査で初めて流産が判明する「稽留流産」と呼ばれるケースもあります。稽留流産では自覚症状がないため、定期的な妊婦健診による確認が重要です。

胞状奇胎

胎盤を形成するための絨毛細胞の一部が水ぶくれ状になり、ぶどうの房のように異常増殖してしまう状態を「胞状奇胎」と呼びます。正常な受精が成立しなかったことで起こる異常妊娠のひとつです。赤褐色から茶色のごく少量の出血がみられることがあります。

また、腹痛やつわりに似た吐き気をともなうケースもあります。胞状奇胎は自然に改善することがなく、手術が必要となります。

前置胎盤

前置胎盤は、本来は子宮の上部側に位置する胎盤が、子宮口を塞ぐように下部にある状態を指します。無症状であるケースが多いですが、腹痛をともなわない突然の出血(無痛性出血)が起こる場合があります。ピンク色や赤色の出血が少量続く場合や、突然大量に出血することもあります。

その他の原因

子宮頸がんや子宮体がん、子宮頸部びらんなどの病気による出血も考えられます。強い腹痛や出血量が増える、止まらないなどの場合は要注意です。

着床出血以外の着床サインは?

着床出血以外で着床がわかるサインとしては、妊娠初期に感じる以下のような身体の変化が挙げられます。

  • つわりや体調不良
  • おりもの量や色の変化
  • 胸の張りや痛み
  • 頭痛・腰痛

着床の兆候やサインにも個人差があり、自覚症状がほとんどないという方もいます。また、着床出血や上記で挙げた症状は、生理前の症状にも類似しているため、生理と混同されやすい理由のひとつといえるでしょう。

着床したかわかる方法については、こちらの記事でも解説しています。
> 「着床したかわかる方法はある?体外受精の妊娠判定について解説」を読む

着床出血に関するよくある質問

Q. 着床出血は性行為から何日後に起きる?

性行為から約1〜2週間後に起こる可能性があります。ただし着床出血がないケースも多いため、「着床出血がない=妊娠していない」とは限りません。

Q. 着床出血はどのくらい続く?

着床出血の期間は、1〜2日程度です。個人差がありますが、最長でも4日程度といわれています。

Q. 生理予定日を過ぎて出血したら妊娠の可能性はある?

生理予定日を過ぎたあとであっても、着床出血である場合はあります。着床出血は赤い鮮血や薄いピンクの場合が多いですが、あとになって現れた場合、おりものが茶色に変化して出てくることもあります。

Q. 生理が短期間で終わったら着床出血の可能性はある?

着床出血である可能性はあります。着床出血と生理のタイミングはほぼ同じであり、生理が1〜2日で終わった場合、着床出血の可能性はゼロとはいえません。

Q. 少量の出血後、妊娠検査薬で陰性でも妊娠の可能性はある?

妊娠の可能性はゼロではありません。検査のタイミングによって、陽性反応が出ないことがあるからです。生理予定日から約1週間後がタイミングの目安となりますが、最終的には必ず医療機関で妊娠判定を受けてください。

妊娠や不妊についてお悩みなら六本木レディースクリニックへ

着床出血は、色・量・期間・痛みの程度などで生理と見分けられます。必ずしもすべての人に起こるわけではないため、出血がなかったとしても着床している可能性は大いにあります。あまりストレスや不安を抱えすぎず、ご自身では判断できない不正出血があった場合は、医療機関を受診しましょう。

六本木レディースクリニックは、不妊治療・体外受精専門の不妊クリニックです。不安を抱える患者さまに寄り添い、一人ひとりに適した「オーダーメイド治療」を実施しています。体外受精の豊富な治療実績があり、経験豊富な医師・看護師が妊娠までをサポートいたします。妊活や不妊治療でお悩みの方は、お気軽に当院にご相談ください。

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当院は六本木と池袋にクリニックがございます。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

ドクターのご紹介

帝京大学医学部付属溝口病院、母子愛育会総合母子保健センター愛育病院、国立成育医療研究センター不妊診療科を経て、2019年より現職。
資格・所属学会は、日本産科婦人科学会専門医のほか、日本産科婦人科学会、日本生殖医学会、日本産婦人科内視鏡学会。

医師からのメッセージ

当院は、不妊検査やタイミング指導、人工授精といった一般不妊治療から高度生殖補助医療までの不妊治療を専門としたクリニックです。
痛みが心配な方、ご安心ください。卓越した技術と最大限の配慮をお約束します。
また夜間や休日も診療を行い、不妊治療の苦労を少しでも軽減できるように努めています。

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院長 小松保則医師