着床出血とは?生理との違いや見分け方、起きる時期を解説MV

妊活や不妊治療中、性器出血や腹部の痛みが生じることがあります。着床出血か生理なのかわからず不安に感じる方も多いかもしれません。
この記事では着床出血と生理の違いや、起きるタイミングについて解説します。

着床出血とは?いつごろ起きる?

受精卵が子宮内膜に根を張ることを「着床」といい、「着床出血」はその際に生じる少量の出血です。受精卵がもぐり込む際、子宮内膜の血管や粘膜などが微量なダメージを受けることで起こります。
これにともなって、「着床痛」といわれる若干の痛みが生じることもあります。

着床出血が起こる目安としては、性行為後の約1〜2週間になります。
自然妊娠の場合、受精するのは性行為後の約72時間まで。受精してから6〜12日後に子宮内膜へ到達して着床します。最後の生理開始日を妊娠0週0日としてカウントすると、着床の時点で妊娠3〜4週目となります。

着床出血は必ず起きるわけではない

着床出血は、およそ4人に1人(25%程度)の割合で生じるといわれており、経験しない割合の方が多いといえます。
「着床出血がない=妊娠していない」とは限りません。妊活中や不妊治療中は、着床出血の有無でストレスを抱えすぎないようにしましょう。

着床出血と生理の違い・見分け方

次の生理開始予定日と着床出血のタイミングが重なりやすいため、生理と勘違いする方も少なくありません。
ここでは、色・量・期間・痛みにおける違い・見分け方を解説します。

着床出血の場合 生理の場合
出血の色 ごく少量で塊は出ない 量が多く、塊が出る
出血の量 主にピンク・茶色・赤 主に赤・暗赤色
出血の期間 1〜2日程度 3〜7日程度
痛み 主に軽度でチクチク痛む 軽〜重度まで個人差あり

色・量の違い

着床出血の色は、主に薄いピンクや赤い鮮血、茶色であることが多い傾向にあります。量はごく少量なことが多いですが、量や色には個人差があり、なかにはナプキンが必要な方もいます。

一方で生理の経血は、赤か暗赤色であることがほとんどです。量も多く、塊となって出てくる場合もあります。基本的には、色と量で見分けられるといえるでしょう。

出血する期間の違い

着床出血は1〜2日程度で終了するのに対し、生理は3〜7日程度かかります。生理のように長く出血が続く場合は通常の月経か、何らかの異常がある可能性があるので注意が必要です。

痛みの違い

着床出血の痛みは、着床痛ともいわれますが、生理ほどの激しい痛みはともないません。主にお腹の奥あたりがチクチクと傷んだり、腰が重く傷んだりする程度です。

一方で生理痛は、人によって重く激しい痛みを感じることがあります。生理痛は個人差があるため一概にいえませんが、軽い生理痛と着床出血の痛みは混同されやすいといえるでしょう。

着床出血以外の着床サインは?いつ検査すればいい?

着床出血以外で着床がわかるサインとしては、妊娠初期に感じる以下のような身体の変化が挙げられます。

  • つわりや体調不良
  • おりもの量や色の変化
  • 胸の張りや痛み
  • 頭痛・腰痛

着床の兆候やサインにも個人差があり、自覚症状がほとんどないという方もいます。また着床出血や上記で挙げた症状は生理前の症状にも類似しているため、生理と混同されやすい理由のひとつといえるでしょう。

妊娠しているかどうかの検査を受ける目安は、生理開始予定日から約1週間後です。生理の遅れが1週間を過ぎ、上記の症状がある場合は、妊娠の可能性があります。最終的な妊娠判定は必ず医療機関で検査を受けてください。

着床したかわかる方法については、こちらの記事でも解説しています。
> 「着床したかわかる方法はある?体外受精の妊娠判定について解説」を読む

不妊治療や体外受精でも着床出血は起こる?

不妊治療や体外受精であっても、受精卵が子宮内膜に着床するプロセスに変わりはなく、着床出血が起こる場合があります。

ただし、体外受精で受精卵(胚)を移植したあとすぐの不正出血は膣内消毒の刺激やカテーテル挿入によるものであることがあり、その場合は着床出血とは関係ありません。

胚移植の数日後に微量の出血やおりものの色の変化があれば、着床出血の可能性があります。
体外受精の着床出血については、こちらの記事でも解説しています。
> 「体外受精の移植後、着床出血することはある?」を読む

妊娠初期に着床出血以外で出血する原因

着床出血以外で出血する主な原因としては、次のようなものがあります。

絨毛膜下血腫

着床後、胎児を包む胎嚢を形成する膜と絨毛膜と呼びます。この絨毛膜と子宮内膜の間に血液が溜まり、血腫ができて出血することがあります。鮮血のような赤い出血が見られます。

子宮外妊娠

子宮内膜に着床せず、別の部位に着床してしまうことを子宮外妊娠といいます。症状がない場合もありますが、下腹部に痛みが生じ、出血がともないます。

切迫流産

出血量が多く何日も続いている、強い痛みがあるなどの場合は、流産の可能性が考えられます。鮮血や暗赤色の出血がある場合は、クリニックを受診しましょう。

その他の原因

子宮頸がんや子宮体がん、子宮頸部びらんなどの病気による出血も考えられます。強い腹痛や出血量が増える、止まらないなどの場合は要注意です。

着床出血に関するよくある質問

Q. 着床出血は性行為から何日後に起きる?

性行為から約1〜2週間後に起こる可能性があります。ただし着床出血がないケースも多いため、「着床出血がない=妊娠していない」とは限りません。

Q. 着床出血はどのくらい続く?

着床出血の期間は、1〜2日程度です。個人差がありますが、最長でも4日程度といわれています。

Q. 生理予定日を過ぎて出血したら妊娠の可能性はある?

生理予定日を過ぎてからでも、着床出血である可能性はあります。着床出血は赤い鮮血や薄いピンクの場合が多いですが、あとになって現れた場合、おりものが茶色に変化して出てくることもあります。

Q. 生理が短期間で終わったら着床出血の可能性はある?

着床出血である可能性はあります。着床出血と生理のタイミングはほぼ同じであり、生理が1〜2日で終わった場合、着床出血の可能性はゼロとはいえません。

Q. 少量の出血後、妊娠検査薬で陰性でも妊娠の可能性はある?

妊娠の可能性はゼロではありません。検査のタイミングによって、陽性反応が出ないことがあるからです。生理予定日から約1週間後がタイミングの目安となりますが、最終的には必ず医療機関で妊娠判定を受けてください。

妊娠や不妊についてお悩みなら六本木レディースクリニックへ

着床出血は、色・量・期間・痛みの程度などで生理と見分けられます。必ずしもすべての人に起こるわけではないため、出血がなかったとしても着床している可能性は大いにあります。あまりストレスや不安を抱えすぎず、ご自身では判断できない不正出血があった場合は、医療機関を受診しましょう。

六本木レディースクリニックは、不妊治療・体外受精専門の不妊クリニックです。不安を抱える患者さまに寄り添い、一人ひとりに適した「オーダーメイド治療」を実施しています。体外受精の豊富な治療実績があり、経験豊富な医師・看護師が妊娠までをサポートいたします。妊活や不妊治療でお悩みの方は、お気軽に当院にご相談ください。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

ドクターのご紹介

経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師