不妊症の主な原因は排卵障害や卵管トラブルです


排卵障害・閉塞・癒着といった卵管トラブルが不妊の主な原因です。
排卵障害とは、高プロラクチン血症や多嚢胞性卵巣症候群によって、排卵が正常に行われないことを指します。

卵管トラブルとは、卵管が詰まっていたり周辺が癒着していたりして、卵子が取り込まれにくくなった状態です。
性器クラミジア感染症・虫垂炎・子宮内膜症などが卵管トラブルの原因とされます。

不妊症の1/3くらいは原因不明不妊です

不妊検査を行ってもはっきりとした原因がわからない女性も多くいますが、このような特定のトラブルを断定できない不妊は「原因不明不妊」とも呼ばれます。

不妊症に悩む女性の1/3は原因不明不妊とも言われるほど一般的な症状ですから、珍しいものではありません。
原因不明妊娠でも、不妊治療の体外受精を検討することはできます。

なんらかの原因で卵子と精子がうまく受精できていない状況を打破するための対策です。
複数の原因が絡み合って不妊症になっているケースも多く、はっきりとした理由がわかる女性ばかりではありません。

原因が分からなくても授かる方法はあるので、前向きに考えてください。
ご夫婦の年齢が高くなると原因不明不妊が増えるとも言われていて、早い段階で不妊治療を決断すれば、妊娠率が高まります。

自然妊娠に励んできたもののなかなか子宝に恵まれないというご夫婦は、専門機関への相談がおすすめです。

治療開始が遅れるとよい結果が出にくくなってしまうリスクもあり、カウンセリングだけでも早めに受けておくと安心でしょう。

不妊期間が1年以上になったら不妊症が疑われます


不妊症が疑われる状況でも診断を先延ばしする夫婦は多く、具体的な目安を知っておく必要があります。
日本産科婦人科学会の定義によると、生殖年齢の夫婦が避妊することなく性交を行い、一定期間が経っても妊娠できない症状が不妊症です。

「一定期間」の基準として「2年」とされていた時期もありましたが、海外の定義に合わせる形で「1年」へと変更がなされました。
そもそも医学的な介入が必要なことがはっきりしている場合には、1年を待たずとも不妊症の判断はできます。

なるべく早い段階で適切な治療を受けることにより妊娠確率が高まりますから、検査をきちんと受けましょう。
晩婚化の影響で女性の出産が遅くなる傾向があり、不妊治療を始めるのが遅くなることで、妊娠できないケースもあります。

ライフスタイルに合わせた妊娠計画は重要ですが、年齢による影響も考慮しましょう。
年齢があがるにつれて妊娠が難しくなるとは言われますが、絶対に可能性がないわけではありません。

なるべく早く夫婦そろって医療機関に相談し、妊娠に向けてどんな取り組みができるかを考えてみましょう。

男性側が原因の不妊もあります

不妊症に対して「女性が原因」と決めつける夫婦もいますが、男性側のトラブルもたくさんあります。
不妊症の原因をはっきりさせるためにも、夫婦そろって医療機関を受診しましょう。

男性不妊の原因に関する基礎知識も、不妊対策に役立ちます。
精子の数が少ないもしくは運動率が極端に低い場合はうまく受精できず、自然妊娠が難しくなるものです。

精子の濃度や数が少ないの乏精子症も受精が難しい状態と判断でき、とくに重症な男性だと顕微授精が必要とされます。

精子運動率が40%以下もしくは高速に直進する精子の率が32%以下の場合は精子無力症と判断されて、特別なサポートが必要です。
形が通常とは異なる精子奇形症、精液にまったく精子が含まれない無精子症も不妊症の原因に該当します。

不妊に悩む夫婦のうち、約半数は男性側のトラブルとするデータもあります。
男女ともにトラブルが見られるケースまで含めると、4組中3組という計算です。

どちらが悪いと決めつけることなく協力して治療を行うことが、不妊治療の原則でしょう。
お互いを思いやる気持ちを大切に、前向きな治療が必要とされます。

(まとめ)不妊症の主な原因は?

1.不妊症の主な原因は排卵障害や卵管トラブルです

不妊症の主な原因には、排卵障害や卵管トラブルが考えられます。

卵管トラブルは、性器クラミジア感染症・虫垂炎・子宮内膜症から起こるため、広くは不妊症の原因ととらえましょう。

2.不妊症の1/3くらいは原因不明不妊です

不妊症の原因ははっきりわからないことも多く、珍しいことではありません。
体外受精を行って妊娠に至るケースはあり、諦める必要もないでしょう。

複数の原因が関係し合って不妊が生じることもあるため、前向きに考えてください。

3.不妊期間が1年以上になったら不妊症が疑われます

なるべく早く不妊治療を始めることが大切だとして、具体的な目安はあるのでしょうか。
日本産科婦人科学会の定義では、1年以上を不妊の目安としています。

医学的なサポートが必要なことが明確であれば、もっと早い段階での決断も必要でしょう。

4.男性側が原因の不妊もあります

精子の数が少ないもしくは運動率が低い、精液に精子が含まれないなど、男性不妊が原因で妊娠できない夫婦もいます。
男性不妊を見逃さないためにも、夫婦そろって医療機関に相談しましょう。

男性不妊であっても、適切な治療で妊娠は可能です。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師