体外受精で点鼻薬を使うのは排卵をコントロールするためです


体外受精で点鼻薬を使用するのは、排卵誘発剤の効果があるからです。
もともとは子宮内膜症や子宮筋腫を治療する薬として開発されましたが、排卵を誘発する作用があるため、体外受精でも広く使われるようになりました。

体外受精では排卵誘発剤を用いて排卵のタイミングをコントロールし治療を進めていきますので、点鼻薬の果たす役割はとても大切です。

排卵を促す点鼻薬を、鼻腔の粘膜に投与することで即効性が期待できます

不妊治療で体外受精を行っている際に、点鼻薬を処方されることがあります。
この点鼻薬には排卵を誘発する効果があるとされているのですが、そもそもなぜ点鼻薬なのか気になるという方もいるのではないのでしょうか。

そもそも点鼻薬というものは、鼻の穴である鼻腔の中の薄い粘膜に薬を直接吹きかけることで、成分を吸収させるというものです。
粘膜から薬を直接取りいれると、即効性を期待することができるとされており、主に花粉症や鼻詰まりなどの症状に対して処方されます

一方、不妊治療で処方される点鼻薬ですが、そもそもは子宮内膜症や子宮筋腫などの治療薬として使われていたものを使用しています。

この点鼻薬には、ゴナドトロピンと呼ばれるホルモンの分泌を抑える効果があり、排卵を抑制する効果があるのですが、投与してすぐの場合、このゴナドトロピンというホルモンの分泌が促進され、排卵が誘発される「フレアアップ」と呼ばれる真逆の現象が起きるのです。

体外受精においてはこの排卵を誘発する効果を利用して、排卵のタイミングなどをコントロールし、妊娠しやすい体に近づけていくとされています。

使い方は鼻にスプレーをするだけです


使い方は一般的な点鼻薬と同じくシンプルで、鼻にスプレーをするというものです。

場所を選ばず使用することができるため、仕事をしながら体外受精の治療を続けていたり、通院の時間がなかなか取れなかったりする人にも使いやすい薬です。

  1. 薬を確実に体内に入れるため、鼻をよくかんで鼻の中を綺麗にしておきます
  2. ややうつむき加減の姿勢になり片方の鼻腔にノズルを入れます
  3. 息を吸いながら一気に噴霧し、決められた回数でスプレーをします
  4. スプレーをしたらやや上向きになり、薬が鼻の奥まで流れるようにします
  5. 使用後のノズルはティッシュで拭いて常に清潔にし、直射日光や高温多湿を避けて保管しましょう

点鼻薬はワンプッシュで鼻の中に薬を入れるため、初めは違和感を覚えることがあるかもしれませんが痛みはまったくありません。
喉の奥に薬が流れ込んで苦い味がすると、薬がきちんと鼻の奥に入ったかどうかの目安になります。

もし使い方を失敗してしまったり、不安に感じたりすることがあればクリニックにアドバイスを求めてみましょう。

もし使用するのを忘れても心配はありません

使用するタイミングを間違えてしまっても、落ち込んだり不安になったりしなくて大丈夫です。
気づいた時点でクリニックに申し出れば、最善の対処法を教えてくれます。

事前にクリニックからスケジュール表をもらっていても、初めての治療で緊張をしていたり、勘違いをしてしまったりと使用を忘れてしまうのは時々起こることでしょう。
点鼻薬を使用し忘れたことに気づいたのが、予定の時間の3~4時間以内であれば、気づいた時点で使用して大丈夫な場合があります。

採卵の時間を後ろにずらすことによって、対応することが可能と診断されることがあるからです。
また点鼻薬を予定日の翌日に使用してしまった場合は、採卵日を予定日の翌日にずらすことで対処できることがあります。

すでに点鼻薬より前にLHサージ(もうすぐ排卵するという身体からのサイン)が生じてしまった場合は採卵前に排卵してしまうため、採卵できないことがあります。
体外受精の点鼻薬は特殊な薬ですので、自己判断での使用は絶対にしてはいけません。

使用するのを忘れてしまった場合は慌てずに、必ずクリニックの指示を仰ぐようにしましょう。

(まとめ)体外受精で点鼻薬を使うのはどうしてなの?

1.体外受精で点鼻薬を使うのは排卵をコントロールするためです

体外受精で使用する排卵誘発剤にはさまざまな種類がありますが、その中に点鼻薬タイプのものがあります。

本来、点鼻薬は子宮内膜症や子宮筋腫の治療薬でしたが排卵を誘発する効果があるため、体外受精でも使用されています。

2.排卵を促す点鼻薬を、鼻腔の粘膜に投与することで即効性が期待できます

点鼻薬は、鼻腔の粘膜に直接薬剤を吹きかけることで、素早く効果を発揮することができます。

体外受精などの不妊治療で使われる点鼻薬には排卵を誘発する効果があり、この効果を利用して排卵のタイミングを調整するとされているのです。

3.使い方は鼻にスプレーをするだけです

一般的な点鼻薬と同じく片方の鼻にノズルを入れ、ワンプッシュでスプレーをして使います。

多少の違和感を覚えることはありますが、痛みを感じることはありません。
使用方法がわからなくなったり、不安に思ったりした時は迷わずクリニックに相談をしましょう。

4.もし使用するのを忘れても心配はありません

体外受精の点鼻薬は使用するタイミングが決められていますので、使い忘れてしまった場合は気づいた時点でクリニックに連絡を入れましょう。

使用するタイミングによって期待する効果が得られないことがありますので、自己判断での使用は避けてください。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小山寿美江医師
こやま すみえ/Sumie Koyama

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経歴
1999年 琉球大学医学部医学科卒業
2000年 東京医科大学病院救急救命センター
2001年 東京女子医大病院腎センター
2003年 緑風荘病院 血液浄化療法センター
2006年 昭和大学病院産婦人科
2009年 昭和大学病院産婦人科 助教
2010年 東京衛生病院産婦人科
2012年 木場公園クリニック勤務
木場公園クリニック 分院 院長
2016年 六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
アメリカ生殖医学会

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院長 小山寿美江医師