前置胎盤は体外受精でなりやすいのではなく、高齢での妊娠などが要因になるといえます


胎盤が子宮の出口をふさいでいる状態の前置胎盤は、高齢で妊娠すると起こる可能性が上がるといわれています。
前置胎盤になった場合、初期のうちなら次第に正しい位置へ移動するケースもありますが、出産に近づいても変わらない場合は帝王切開での出産になります。

しかし前置胎盤だと判明しても、医師の指示に従って過ごせば無事に出産している方はいるため、心配しすぎず過ごすことがポイントです。

高齢での妊娠の方が前置胎盤発生率が高くなっています

まだ前置胎盤になるはっきりとした理由は分かっていません。
しかし最近では前置胎盤の発生率があがっており、これは高齢での妊娠が増えたことや不妊治療の普及に関係があるといわれています。

たとえば前置胎盤が発生する原因には、高齢での妊娠のほか、流産手術で子宮内膜が傷つき炎症が起きること、喫煙、1人以上出産しているなどの要因が重なるほどリスクが高くなるのです。

前置胎盤が疑われる症状

妊娠中に、腹痛のない性器出血があった場合は前置胎盤の可能性があります。
また経膣検診の際に大量の出血があった時にも同じく可能性が疑われます。

しかし前置胎盤であると診断されるのは妊娠後期に入ってからで、妊娠初期にそのような症状があったとしても前置胎盤の疑いとされ、はっきりとした診断は下されません。

妊娠後期には胎盤が正しく戻ることも多い

妊娠初期頃に前置胎盤の疑いがあったとしても、8割を超える方がその後に胎盤は正しい位置へ戻り正常な妊娠・出産をしています。

そのため、早いうちに前置胎盤の症状が現れたとしても心配しすぎず、医師の指示を聞いて行動することがおすすめです。

前置胎盤の疑いを受けたら医師の指示を守って過ごしましょう


前置胎盤を疑うような出血があると、このまま入院するのではという心配がよぎることもあるのではないでしょうか。
しかし妊娠経過の時期などによって、医師からの指示内容は変わってきます。

前置胎盤疑いがあるといつから入院するか

前置胎盤疑いと言われた時の対処はその人ごとに違ってくるため、いつ頃から入院とはっきり決まった基準はありません。
担当医の指示に従って自宅または病院へ入院して、妊娠の継続につとめましょう。

自宅で様子を見る場合の過ごし方

出血の心配があることから、自宅で過ごす時も安静が必要です。
日常生活で気を付けるポイントなどを医師に詳しく説明を受け、その内容を守って過ごしましょう。
どうしても体の状態が気になってしまいますが、心配のしすぎはストレスになるためムリせずゆったり過ごすことを心がけましょう。

入院が必要なケース

医師から入院の指示があった場合はそれに従いますが、入院中にはお腹の張りを防止するために子宮収縮抑制剤が投与されます。
それから、大量出血が起こるかもしれないためもしもの時に備えて、妊娠33~34週には自己血を貯めておく自己血貯血を行うこともあるのです。

前置胎盤になると帝王切開での出産がすすめられます

子宮口が胎盤でふさがれているため、胎児はそこから産道を通っていくことが難しくなります。
そのため前置胎盤になると帝王切開による出産を選ぶ場合が多いのです。

妊娠後期になっても前置胎盤が改善されなければ、妊娠37週以降に帝王切開を行う予定が立てられますが、胎児の大きさや母体の状態などにより、早めに帝王切開をすることもあります。

そのため前置胎盤の疑いがあった時はNICUのある大きな病院で治療を続けることがおすすめです。
また帝王切開に対して不安を感じるかもしれませんが、日本国内の分娩のうち10~20%ほどは帝王切開で出産をしています。

医療の進歩もあり安全性も高まっていることから、不安になりすぎず安静に過ごしていきましょう。
たとえ帝王切開をすることになったとしても、医師の指示を守りつつ健康的な体づくりを目指して過ごすことが産後の体の回復にもつながると期待できます。

(まとめ)体外受精で妊娠すると前置胎盤になりやすいの?

1.前置胎盤は体外受精でなりやすいのではなく、高齢での妊娠などが要因になるといえます

前置胎盤は高齢での妊娠の際に起こりやすく、子宮口を胎盤が塞ぐため出産は帝王切開になります。

しかし前置胎盤は初期であれば次第に正しい位置へ移動する可能性もあり、医師の指示にきちんと従って行動することで無事に出産を迎えた方も多くいるのです。

2.高齢での妊娠の方が前置胎盤発生率が高くなっています

前置胎盤が起こる原因ははっきりとわかっていませんが、高齢での妊娠や不妊治療は発生に関係があるといわれています。

しかし妊娠初期で判断されても妊娠後期頃には正しい位置に胎盤があることも多く、はっきりした診断は妊娠後期になってから行われます。

3.前置胎盤の疑いを受けたら医師の指示を守って過ごしましょう

前置胎盤の疑いがあるからといってすぐに入院になるわけではなく、自宅で安静にするよう指示されることもあります。

入院管理の必要がある時は入院し、張りを抑えるための子宮収縮抑制剤の投与などを行います。

4.前置胎盤になると帝王切開での出産がすすめられます

胎盤が子宮の出口をふさぐため経膣分娩は難しくなる前置胎盤は、帝王切開での出産が選ばれます。

その選択のタイミングは妊娠後期に入った頃で、前置胎盤が改善していなければ妊娠37週以降で帝王切開による分娩が行われます。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
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院長 小松保則医師