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体外受精では戻す受精卵の数に制限があるため三つ子になる確率はそれほど高くありません
日本で体外受精を行う場合、子宮に戻して良い受精卵の数が定められているため、三つ子になる可能性は低いでしょう。
体外受精よりも顕微授精の方が確率はあがるという説もあり、また排卵誘発の方法により多胎になる可能性がアップするとも言われています。
また子供を何人も欲しいと思うために双子や三つ子を不妊治療で妊娠できないかと望んだとしても、リスクが高まる危険性からクリニックでは簡単にその望みを叶えることはされていません。
体外受精で子宮に戻す受精卵は1~2個と決められています
体外受精で胚盤胞を子宮に戻す場合、女性の年齢などから妊娠しやすさを考慮して1個とされています。
しかし場合によっては2個まで戻すこともありますが、3個以上戻すことはありません。
これはより妊娠しやすさをアップさせるためでもあり、1~2個という数字は1回の月経周期あたりのものであるため、また次の周期が来れば1~2個胚移植をするチャンスがあることになります。
そして体外受精には刺激法や排卵誘発を行うことがありますが、この刺激により多胎になる可能性が上がるという意見もあります。
なかでも排卵誘発剤を使うと三つ子など多胎になる割合がアップしやすいことから、排卵誘発剤を使わず飲み薬だけで治療をしていると妊娠率がやや下がるという点もあるのです。
複数の卵子や精子による受精卵で多胎になるといえます
双子以上を妊娠することを「多胎」といいますが、なぜ多胎になるかという点から自然妊娠よりも体外受精の方が双子以上になる確率が高いことを解説します。
「双子」「三つ子」といっても厳密には一卵性か複数卵性かにタイプが分かれています。
一卵性の場合はひとつの卵子が途中で分かれていくことでおこり、生まれた子どもは姿がそっくりという特徴があります。
そして二卵性の場合は複数の受精卵が着床することで起こるもので、不妊治療による多胎はこのケースが原因といわれているのです。
受精卵が成長する過程で2つ以上に分かれると双子以上になるため、卵子が同じため顔や姿がそっくりになります。
原因はホルモンバランスの乱れ・高齢による卵子の質の低下・若すぎる妊娠・激しい運動での衝撃などがあるといわれています。
不妊治療で使われる排卵誘発剤の影響により排卵数が増えたためではと考えられていますが、使用する薬剤によって多胎の可能性は違ってきます。
これらの原因を見るとどちらにも体外受精に関わる要因があることから、体外受精では三つ子になる可能性は少ないものであるといえるのです。
多胎になるほど妊娠出産のリスクは上がる可能性があります
体外受精からの妊娠、自然妊娠のどちらであっても多胎になる可能性はあります。
そのためもし双子や三つ子などで子どもを授かった場合に考えられているリスクを紹介します。
妊娠高血圧症候群は、妊娠中に高血圧になる、もしくは高血圧と蛋白尿の両方が出ます。
すると母体に血管障害や臓器障害が起こりやすくなり、その結果胎児に悪影響を及ぼしてしまうという症状です。
前置胎盤は胎盤が赤ちゃんよりも子宮口にちかいところにあるため、100%帝王切開になる症状です。
胎内で赤ちゃんが大きくなるにつれて子宮内も狭くなっていくため、十分に成長しないうちに出産することが多く、未熟児での誕生の可能性があがります。
在胎週数37週に満たないまま出産すると早産になり、赤ちゃんの成長が十分でないため保育器に入ってケアを受ける場合もあるのです。
三つ子などの多胎妊娠にはこういったリスクはつきものですが、無事に出産を迎えその後も元気に暮らしている方々はいないわけではありません。
医療の発達もあることから、「せっかく双子や三つ子を授かったのだから出産したい」という気持ちも大切にしてはいかがでしょうか。
(まとめ)体外受精で妊娠すると三つ子になる可能性は高い?
日本での体外受精では、胚盤胞を子宮へ戻す数は決められています。
そのため三つ子を妊娠する可能性は低いといえ、クリニックではたとえ治療を受ける方の希望があったとしてもすすんで多胎を目指すことはありません。
体外受精の場合、胚盤胞を子宮へ戻すときは女性の妊娠しやすさなどから1個だけとしています。
場合によっては2個戻すこともあるものの、3個以上を移植することはありません。
これによって多胎のリスクを避ける目的もあります。
多胎には種類があり、それは1つの卵子が複数に分かれる一卵性のタイプと、2つ以上の受精卵が着床して妊娠する複数卵性のタイプです。
一卵性は高齢による卵子の質の低下、複数卵性は排卵誘発剤が原因といわれています。
多胎になれば、妊娠高血圧症候群の発症・前置胎盤・早産や未熟児での出産などの可能性が単胎での出産よりも上がってきます。
しかし医療の進歩もあり無事出産し健康に過ごしている方々もいるため心配しすぎないよう過ごしてみましょう。