ヘパリン治療は体外受精の場合も必要になることがあります


胎児が成長していくために欠かせない胎盤がうまく育たない不育症があると流産する可能性が高いと言われています。
そして血栓ができやすい病気を持っていると不育症になりやすく、その場合はヘパリン治療を行って治療する場合があるのです。

体外受精卵を着床させて育てていこうとしても、胎盤が整っていなければその後の胎児の成長が難しくなってしまうでしょう。
妊娠の継続のためにも体外受精の場合もヘパリン治療を行うことがあります。

不育症がある時はヘパリン治療を行います

体外受精によって受精卵ができ、無事着床したとしても胎盤が育っていなければ胎児の発育は望みにくくなってしまうでしょう。
そして胎盤を通して母体から胎児へ栄養を送る時にも血栓があると十分な栄養や酸素を送る妨げになってしまうため、血栓をできにくくする必要があります。

そのためヘパリン治療を行って不育症を治療していくことになります。
不育症の原因となる血栓のできやすい病気には抗リン脂質抗体症候群があり、これは血液中に抗リン脂質抗体ができてしまう自己免疫疾患のひとつです。

そして抗リン脂質抗体症候群の方の約半数が全身性エリテマトーデスや膠原病を併発していると言われています。
他には、XII因子欠乏症・プロテインS欠乏症・プロテインC欠乏症などといった凝固因子以上もあります。

これらのような症状がある時は薬物を使って血液を固まりにくくすることで、不育症を改善し妊娠の継続がかなうようになるのです。
不育症の治療は体外受精の成功率に直接関係があるとは言い切れませんが、体外受精によって得られた受精卵を着床させ胎児を育てていくには必要な治療といえるでしょう。

ヘパリン治療は病気によって方法が違います


血栓ができやすい病気は不育症を引き起こしやすくなるため、ヘパリン治療を行う必要がありますが、その病気によって治療方法が違ってきます。
それぞれの病気に行われる治療の一例を紹介しておきましょう。

まず抗リン脂質抗体症候群ではヘパリンと低用量のアスピリンを併用した治療が行われます。
そしてプロテインS欠乏症は、初期流産(妊娠10週まで)を繰り返すのなら低用量アスピリン治療をし、妊娠10週までの流産や死産の経験がある時は低用量アスピリン治療に加えてヘパリン治療を施します。
またプロテインC欠乏症の場合もこのような治療です。

第XII因子欠乏症は明確な治療方針が定まっていないものの、低アスピリン療法がよいとされており、それでも流産する時にはその次の妊娠で低用量アスピリンとヘパリン治療を合わせて行うことが検討されるのです。

不育症治療で行われる方法はどれも血液凝固を抑えるもので、まずは服用するタイプの低用量アスピリンから行われることが多くこの薬は心筋梗塞や脳梗塞の再発予防にも使われています。
ヘパリンは注射で投与する薬のため、妊娠継続のために自己注射が必要になることもあるでしょう。

自己注射が必要な時は医師にしっかりと説明を受けましょう

不育症の治療法として用いられているヘパリンは注射による投与を行う薬ですが、まずヘパリン投与の開始時期は妊娠反応で陽性が出た頃から開始します。
そして皮下注射を分娩開始前まで続けることになるので、ヘパリンの種類にもよりますが自己注射の保険適応もあるのです。

自己注射を選ぶ時は医師や看護師からしっかりと注射の仕方を聞いておき、緊急事態はどうするかについてもよく確認しましょう。
ちなみに妊娠継続に必要なヘパリンの使用では骨量の減少の可能性があることから、より積極的にカルシウムとその吸収を支える栄養をとるようにすることです。

胎児の成長にもカルシウムは欠かせない栄養素なので、吸収率のよいカルシウムを含んだ食品を積極的にとりましょう。
カルシウム吸収率の高い食品は牛乳や乳製品があり、牛乳自体にカルシウム吸収を補う成分が一緒に含まれているため体にとりこみやすくなっているのです。

その他にも小魚や野菜からカルシウムをとる方法があり、カルシウムの吸収率を高める栄養素のクエン酸・良質なたんぱく質・良質な炭水化物をあわせてとりましょう。

(まとめ)ヘパリン治療は体外受精にも必要?

1.ヘパリン治療は体外受精の場合も必要になることがあります

不育症があると胎盤がうまくできあがらず胎児の成長にも支障があるため、その原因となる血栓ができやすい病気を、ヘパリン治療を行って改善していきます。

体外受精の場合も同じで、不育症の可能性がある時はヘパリン治療が行われることもあるでしょう。

2.不育症がある時はヘパリン治療を行います

ヘパリン治療は体外受精の成功率に必ずしも関係のあるものとは言い切れませんが、受精卵が着床し胎児が育っていく時に欠かせない胎盤を形成するためには必要となることがあります。

中でも血栓ができやすくなる病気を持っている方は必要性が高いでしょう。

3.ヘパリン治療は病気によって方法が違います

妊娠継続をするには胎盤が必要ですが、血栓ができやすい病気を持っていると不育症の可能性が高く、病気にあわせた治療が必要でしょう。

病気によってヘパリンや低用量アスピリンのどちらかまたは両方を使った治療が行われます。

4.自己注射が必要な時は医師にしっかりと説明を受けましょう

ヘパリンを自己注射で行う場合は医師や看護師から使い方の説明をしっかりと聞いて、緊急の時どうすればいいかもきちんと把握しておきましょう。

ヘパリン投与中は骨量が減少しがちなためカルシウムを積極的にとることも必要です。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師