体外受精では間違いが起きないように治療が進められています


精子の取り違いなどの間違いを心配する人もいるかもしれませんが、専門の医療機関では基本的に間違いが起きないような対策が取られています。
しかし過去には移植する受精卵を取り違えたという事例が日本で報告されています。

もちろん頻繁にあることではないので心配は要らないのですが、体外受精の現場でよりきちんとした対策が望まれるところです。

体外受精で間違いが起きない対策が取られています

どの病院でも、基本的には精子や卵子、受精卵といった検体の取り違いが起きないよう対策が行われています。
病院によって安全対策の内容は異なりますが、基本的には作業を二人以上で行う病院が多いです。

一人の人間が行う作業では心配がありますが、すべての作業工程を二人体制で行うことで間違いを防ぐことに繋がります。
検体の取り違いが起きないよう、一つの作業台では一つの検体しか取り扱わないという対策を取っている病院もあります。

また患者の指名やID番号などを声出し・指差しを行って作業するという対応が行われていることもあります。
病院側だけでなく、患者にも自分の名前をきちんと名乗ってもらうなどの対策が取られています。

患者の手のひらなどに指名などを記載する、バーコードの書かれた伝票を患者に持ってもらうなどの工夫も取られています。
最近ではバーコードスキャンやICチップなどの技術の導入もすすめられているそうです。

人間の小さなミスさえも見逃さないことを前提にしたシステムが取り入れられていると、より安心して治療を受けることができます。
しかし全行程で自動化やIT化を行うことは困難です。

やはり現実的には人為的ミスを減らすマニュアルが導入されていて、それをきちんと守り作業が行われることが重要だといえます。
きちんとした対策が取られている病院では、その内容をホームページで公開しているところも多いです。
不安であれば、その病院でどのような対策が取られているか確認するとよいでしょう。

海外では精子の取り違いや受精卵の取り違い事例が報告されています


体外受精の間違いについて調べると、いくつかの事例が見つかります。
海外では、精子の取り違いという事例が何件かあります。
シンガポールで起きた事例では、出産後に間違いが発覚したそうです。

生まれた子どもの髪や肌の色が、父親のものとは似ても似つかないところから間違いがあったのではと感じたそうです。
夫婦と子どもの血液型を調べると子どもの夫婦の血液型が生まれるはずのないB型のものであり、遺伝子検査を行うと本当ならドイツ系の父親なのにインド系の遺伝子を受け継いでいることが判明したようです。

病院側は裁判で賠償金を支払うことになりました。
しかし夫婦にとっても子どもにとっても辛いことであり、この1件は物議を醸したということです。
ローマでは受精卵の取り違いが起きたと報じられています。

異なる受精卵を胚移植して、妊娠まで進んでしまったということです。
妊娠12週目に行ったDNA検査で発覚したそうです。

同じ病院で同じ日に行ったカップルの名字が、夫婦と似ているということで、ここで取り違いが起きた可能性があるようです。
イタリアでは同様に受精卵の取り扱いが過去18年間で4回起きています。
イタリアの法律は出産した女性が母親となるため、遺伝子が一致しなくても母親と認められますが、あってはならない間違いであることに変わりはありません。

日本国内でも体外受精での間違いが起きています

日本国内でも、過去に受精卵の取り違えが報告されています。
妊娠まで至らずに発覚した事例も1件あるようですが、さらに妊娠後に間違いが発覚したというショッキングな事例が1件だけあります。

間違いを起こした病院では、20代女性に別の患者の受精卵を移植してしまい、その事実が妊娠後に発覚したそうです。
一つの作業台で2つの受精卵を取り扱っていたため、容器のふたを戻し間違えたことが原因のようです。

通常であれば、容器のふたと皿の部分、患者の腕などにバーコードの認識票を付けるなどしてミスを防ぐところ、この病院では簡単なマークしか付いていなかったそうです。
その結果、取り違いに気が付かずに胚移植が行われてしまいました。

さらに本当に間違いが起きているか検査するには、中絶できない期間まで待つしかないということで、被害者夫婦は中絶を選んだとのことです。
何度か胚移植に失敗した中での妊娠であり、被害者夫婦の心情は計り知れないものがある事件です。

この間違いは病院側のずさんな管理が原因にあったといえます。
このような許されない間違いが起きないよう、体外受精を行う病院では防止対策が取り入れられています。
日本産婦人科学会では再発防止のため、識別作業の徹底を体外受精を行う機関に向けて呼びかけているのです。

(まとめ)体外受精に間違いは起きる?

1.体外受精では間違いが起きないように治療が進められています

精子の取り違いなど、体外受精の治療でのミスが起きないような対策が取られています。

基本的にはミスが起こらないと考えてよいですが、国内外で過去に何件かの間違いが報告されています。

2.体外受精で間違いが起きない対策が取られています

病院側は、きちんとしたトラブル防止策を設けていることが多いです。

二人体制の作業や、声出し確認・指差し確認などが取り入れられているようです。
間違い対策について心配な点があれば、初めにきちんと確認すると良いでしょう。

3.海外では精子の取り違いや受精卵の取り違い事例が報告されています

シンガポールでは精子の取り違い事例、ローマでは受精卵の取り違い事例が報告されています。

病院の管理が十分でなかったために起きてしまったことです。
シンガポールの件では出産後に発覚し、賠償金が支払われていますが、物議を醸す一件となりました。

4.日本国内でも体外受精での間違いが起きています

日本国内では、受精卵を取り違えて胚移植してしまったという事例が報告されています。

ずさんな管理で行われてしまったことが原因です。
悲しい間違いが起きないよう、再発防止のために管理の徹底が心がけられているのです。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小山寿美江医師
こやま すみえ/Sumie Koyama

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経歴
1999年 琉球大学医学部医学科卒業
2000年 東京医科大学病院救急救命センター
2001年 東京女子医大病院腎センター
2003年 緑風荘病院 血液浄化療法センター
2006年 昭和大学病院産婦人科
2009年 昭和大学病院産婦人科 助教
2010年 東京衛生病院産婦人科
2012年 木場公園クリニック勤務
木場公園クリニック 分院 院長
2016年 六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
アメリカ生殖医学会

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院長 小山寿美江医師