体外受精でルトラールを服用すると高温期と同じ状態になるため体温が上がるのです


ルトラールとは黄体ホルモンを補うための医薬品です。
この薬を飲むと生理周期の高温期と同じホルモン状況となるため、体温は上昇します。
黄体ホルモンとは子宮内膜を厚くする働きがあり、受精卵の着床を促すために重要なホルモンです。

体外受精時にルトラールを服用すれば、黄体ホルモンを十分な量に保つことができます。
黄体ホルモンは受精卵の着床を促し、流産を防ぐために必要です。

体温が上昇しない場合にルトラールは重要な医薬品です

体外受精を希望する方が、もともと生理不順であったり、基礎体温が低かったりするときに、ルトラールは処方されています。
血液検査で高温期の黄体ホルモンの分泌量が少ない場合にも、妊娠をサポートするために薬が必要です。

ルトラールとは黄体ホルモンを補充する目的の薬で、高温期が維持できないときに役立ちます。
この薬自体に体温を上昇する働きはありませんが、黄体ホルモンの働きで体温が上がる方法です。

高温期を維持するためには黄体ホルンが不可欠で、黄体ホルモンが十分な量があれば、生理周期の高温期で子宮内膜が厚くなり、受精卵の着床を促して流産を防ぐことができます。

体外受精でルトラールを服用する場合は、10~15日の間で飲む場合が多いです。
飲み続けている間は黄体ホルモンが多い状態となり、高温期が維持されます。
黄体ホルモンが働いている間は生理がくることはありません。

当然排卵もしませんから、この期間中に妊娠することもないでしょう。
もしルトラール服用を止めてもまだ体温が高い場合は、妊娠している可能性があります。

血液検査で黄体ホルモンの分泌量が少なく、ルトラールのみで妊娠が望めない場合は、hCG注射を打つ対策が必要なこともあります。
ルトラールは飲むだけで高温期が維持でき、妊娠の可能性を高めることができる医薬品です。

ルトラールは飲み忘れに注意が必要です


体外受精時に高温期が維持できない方には、ルトラールを処方されます。
黄体ホルモンを補充して妊娠をサポートする目的がありますから、処方された薬は正しく服用し、飲み忘れに注意しましょう。

ルトラールは1日1~6錠で、1~3回で服用します。
これを10日前後服用を続けなければなりません。
黄体ホルモンを補う目的がありますから、毎日正しい時間と服用量を守る必要があります。

詳しい服用量や回数は、その人によって異なるため、医師の指示に従ってください。
本来は決められた時間に正しく服用することが前提ですが、長期間薬を飲む習慣がない方は忘れてしまうこともあるでしょう。

飲み始めの1日目に服用を忘れても、それほど影響は出ません。
もしうっかり飲む時間が過ぎてしまっても、あまり時間が経過していなければ、多少時間がずれても服用して大丈夫です。

しかし服用時間から長時間経過しているときに、2回分まとめて飲むようなことはしないでください。
時間がだいぶ経っているようなら、その回は飛ばして次の服用まで待ちます。
ルトラールは黄体ホルモンを補う薬ですから、2回分をまとめて飲むと、血中濃度が高くなり危険なため避けるようにしましょう。

黄体ホルモンの作用は1回飲み忘れたからといってすぐに作用が低下するわけではなく、体温が下がってしまうわけでもありません。
たまたま1回忘れた程度では影響はありませんから、心配しなくても大丈夫です。

ルトラール服用後でも人によって体温がバラバラの場合があります

ルトラールは黄体ホルモンを補う作用が強い薬です。
そのため一般的には高温期が維持され、基礎体温も高くなります。
しかし基礎体温の推移は人によって異なっており、ルトラールを服用して必ずしも高体温が維持されるわけではありません。

人によっては高温期の体温がジグザグとなり、体温が一定しない方がいます。
気を付けてみたいのが、低温期と比べて高温期が高めに推移していることです。
体温が上下に多少動くのは問題ないことが多く、高めになっているようならあまり気にする必要はありません。

基礎体温の変化はモデルとなる体温と同じになるとは限らず、低温期と高温期の区別が付いていることが大切です。
注意したいのがルトラールを服用しても、高温期の日数が少なく黄体機能不全となっている場合です。
黄体機能不全とは視床下部と脳下垂体に異常になることや、ストレスの影響・糖尿病の問題などで卵巣機能不全が問題となっていることです。

卵巣からのホルモン分泌が正しく行われないため注意しましょう。
排卵が確認されている場合は体温の変化は影響が少ないのですが、排卵誘発療法の併用の方法もあるため、医師と相談して治療法を決めましょう。

(まとめ)体外受精のルトラール服用時は体温が上がるの?

1.体外受精でルトラールを服用すると高温期と同じ状態になるため体温が上がるのです

ルトラールは黄体ホルモンと同じ働きの医薬品で、生理周期の高温期と同じ状態となるため、体温は上がります。

黄体ホルモンは妊娠に重要なホルモンで、体外受精時にも使う薬です。

2.体温が上昇しない場合にルトラールは重要な医薬品です

体外受精を希望する方が、もともと黄体ホルモンの分泌量が少なく、高温期を維持できない場合はルトラールで対策します。

黄体ホルモンを補充する薬で、服用中は高温期を維持することが可能です。
妊娠をサポートするために重要な薬となります。

3.ルトラールは飲み忘れに注意が必要です

ルトラールは黄体ホルモンを補い高温期を維持するための薬であるため、正しい飲み方を守り服用忘れに注意が必要です。

血中濃度を一定に保つため飲み忘れても2回分を一度に服用しないでください。
1度くらい忘れてもすぐに効果がなくなるわけではありません。

4.ルトラール服用後でも人によって体温がバラバラの場合があります

ルトラールを服用しても高温期の体温が一定にならない方がいます。

低温期と高温期の差がみられているようなら、問題はないでしょう。
黄体機能不全となっている場合は、排卵誘発療法の併用の方法もあります。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

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院長 小松保則医師