体外受精時の受精卵のフラグメント数によって、受精卵のグレードが異なります


体外受精で胚移植をする際には、着床率や妊娠率の高そうな受精卵を選りすぐり、そういった受精卵を優先的に移植します。
受精卵の質を見極める際に行われるグレード分けには、受精卵の分割で起きるフラグメント数が関わっています。

グレードは、様々な観点からチェックされますがそのうちのひとつがフラグメントの数だということです。
基本的にはフラグメントの少ない受精卵のほうが多いものよりもグレードが良いと診断されます。

フラグメントの数はグレード分けには欠かせない重要な要素です

体外受精を行う時は、まず女性から卵子を採取し、男性から採取した精子と受精させます。
受精が成功した受精卵のうち、着床率の高そうな受精卵を選りすぐり、体内に移植します。

この着床率の高そうな受精卵を選りすぐるという課程において、基準となるのが、受精卵のグレードです。
受精卵のグレードは分割のキレイさ(均等さ)、発生したフラグメントの数が基準になります。

それらを総合して、初期胚と呼ばれる受精から1~2日経過した受精卵を1~5段階にランク分けを行います。
グレード1はフラグメントがないもの、グレード2はフラグメントの数が10%以下で分割が均等なもの、グレード3は10%以下で分割が不均等なもの、グレード4は10~50%で分割が不均等なもの、グレード5は50%以上で分割が不均等なものです。

フラグメントの数が増えるにしたがって、分割も不均等になりがちだということが分かります。
フラグメントの数が少なければ少ないほどグレードが良く着床率が高い受精卵だと判断されます。

フラグメントは着床の妨げになることが分かっています


体外受精の移植の際には、受精卵のグレードが非常に重要となることを前述しましたが、そもそも受精卵のフラグメントとは何なのでしょうか?
受精卵は、受精後分割を繰り返し成長していきますが、その際の分割は均等に分割することもあれば、そうではなく大きさが不均等になることもあります。

そんな中、分割の課程で角分裂を伴わず、細胞質のみが分割することがあります。
それがフラグメントと呼ばれるものです。

いわば、細胞分裂の際に生じた受精卵のかけらのようなものだと言えるでしょう。
フラグメントについては、まだ解明されていない部分もあり、なぜ発生するのかという点についてもすべてが明らかになっているわけではありません。

しかしフラグメントが着床の妨げになってしまっていることは分かっており、その数が多いほど着床率は下がる傾向にあります。
そのため医師や培養士は受精卵の成長を観察する際にフラグメントの数を非常にデリケートにチェックしているのです。

またフラグメントは、一度できたからと言って状態がずっとそのまま続くとは限らず、吸収されて消えることもあります。
初期胚は受精から数日で移植に移りますが、その間も非常に神経質にチェックされていると言っても過言ではありません。

グレードのよくない受精卵でも着床、妊娠することもあります

体外受精の移植の際には、受精卵の中でももっともグレードのよいものを優先して移植します。
フラグメントが多いものは基本的にグレードが低いと判断されますが、これは前述したようにフラグメントが着床の妨げになっていることが分かっているためです。

体外受精を行った受精卵が、すべてグレードの良いものに育つとは限らず、あまりグレードの良くない受精卵にしか育たないというケースもよくあります。
しかしグレードがあまり良くない受精卵だからといって、まったく妊娠の可能性がないわけではありません。

ケースとしては稀ですが、グレードが良くない受精卵でも無事に着床、妊娠することもあります。
フラグメントが多い受精卵の場合は、初期胚を移植するのではなく、培養期間をもう少し長くして、胚盤胞という状態になってから移植をしたり、凍結胚にしたりするケースもあります。

受精卵のフラグメントやグレードに関する診断、および判断は非常に難しいものです。
グレードの診断は、受精卵の分割の状態を見た目で判断していますが、受精卵のもつ力については、まだまだ医学として解明されていない部分があるのも確かでしょう。
そのためでき得る限り最適な治療ができるよう、医師とのコミュニケーションは綿密に行うようにしましょう。

(まとめ)体外受精の受精卵はフラグメントと関係がある?

1.体外受精時の受精卵のフラグメント数によって、受精卵のグレードが異なります

体外受精で着床率や妊娠率を上げるためには、質のよい受精卵を移植する必要があり、それを見極めるためにグレードとよばれる評価分けが行われます。

その指標のうちのひとつに、受精卵のフラグメントの数が関係しており、数が少ないほどよいとされます。

2.フラグメントの数はグレード分けには欠かせない重要な要素です

フラグメントの数は少ないほどグレードがよい受精卵とされ、グレードは分割の均等さとあわせて判断されます。

グレードのよい受精卵は着床率が高く、このような基準をもとにして、移植する受精卵が決められるのです。

3.フラグメントは着床の妨げになることが分かっています

受精卵の分割の際に、欠片のようなものが出ることがあり、これをフラグメントと呼びます。

発生原因は分かっていませんが、着床の妨げになることが分かっているため、医師や培養士はフラグメントの数をデリケートにチェックしています。

4.グレードのよくない受精卵でも着床、妊娠することもあります

グレードがあまり良くない受精卵だからといって、着床の可能性がまったくないわけではありません。

受精卵についてはまだ判明していないものが多く、体外受精の進め方は、医師ときちんとコミュニケーションを取りながら行うことが大切でしょう。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小山寿美江医師
こやま すみえ/Sumie Koyama

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経歴
1999年 琉球大学医学部医学科卒業
2000年 東京医科大学病院救急救命センター
2001年 東京女子医大病院腎センター
2003年 緑風荘病院 血液浄化療法センター
2006年 昭和大学病院産婦人科
2009年 昭和大学病院産婦人科 助教
2010年 東京衛生病院産婦人科
2012年 木場公園クリニック勤務
木場公園クリニック 分院 院長
2016年 六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
アメリカ生殖医学会

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院長 小山寿美江医師