ショート法とは体外受精の治療時に行う排卵誘発法のひとつです


体外受精を行う際には、採卵が非常に重要な鍵を握ります。
採卵が上手くいくようにするためには、排卵誘発法を用いて排卵をコントロールします。

排卵誘発法には、いくつかの種類があり、ショート法と呼ばれるものはそのうちのひとつです。
点鼻薬や注射を用いて複数の卵胞を育てる治療法で、いくつかの排卵誘発法のなかでも比較的短期間で行う方法とされています。

短期間で行うメリットもありますが、投薬によるデメリットもあるため、医師が経過観察を行いながら慎重に治療を行っていくのです。

ショート法は採卵数を増やすために行われる排卵誘発法です

体外受精において着床率や妊娠成功率を上げるためには、まず質のよい卵子を採卵することからスタートします。
採卵数が多いと、採卵された卵子の中から質のよいものを選んで受精させられるほか、状況によっては凍結卵を複数個作ることも可能になります。

卵巣を刺激したり、卵子が成熟したりすることを促すために、排卵を抑制するなどをして質の良い卵子が採卵できるように状態を整えることを行うのですが、その方法のうちの1つがショート法と呼ばれる方法です。

ショート法のスケジュールとしては、まず月経が始まる2~3日前から排卵促進剤の投与までの期間中、排卵抑制剤のGnRHアゴニスト製剤を点鼻します。
GnRHアゴニスト製剤を点鼻し始めた1~2日後から追加して、排卵誘発剤のhMG製剤の注射をスタートし、超音波検査などで卵胞の成熟度合いの観察をします。

超音波検査は比較的頻回に行うことが一般的なので、スケジュール管理が重要になります。
卵胞の大きさが十分に育ったと医師が判断したら、決められた時間にhCG製剤を注射し、注射から34~36時間後に採卵します。

排卵誘発法には体質により向き不向きがあります


ショート法を含めた排卵誘発法は方法や投薬のスケジュールによって、いくつかの方法があります。
基本的にはどの方法を選ぶかは医師が決定しますが、医師が何を基準に排卵誘発法を選んでいるのかと疑問に思う方も多いのではないでしょうか?

卵巣の機能は抗ミュラー管ホルモン(AMH)や卵巣刺激ホルモン(FSH)の値とも深く関係しているため、医師はそういった検査の結果も考慮しています。

医師は、治療を受けられる方の卵巣の機能がどのような状態であるかを判断し、どんな排卵誘発法を行うのかを決定することが多いでしょう。
卵巣予備能がある程度保たれており、過去に多嚢胞性卵巣症候群や卵巣過剰刺激症候群になったことがない方であれば、ショート法を選択される可能性があります。

またショート法とは異なるスケジュールで行うロング法という排卵誘発法を過去に行ったけれど、望ましい結果が得られなかった場合にショート法に切り替えるというのも稀なケースではありません。

ショート法は治療期間が短いメリットがある反面、卵巣過剰刺激症候群への注意が必要です

排卵誘発法の種類によってメリットやデメリットは様々ですが、ショート法の場合は比較的治療期間が短期間であることが非常に大きなメリットです。
投薬期間が短く済むため、体の負担もその分軽くなります。

またスケジュール的にもメリットがあり、クリニックへ長期間通うことが困難な場合にもおすすすめです。
一方で、複数の卵胞を同時に育てることにより、卵巣過剰刺激症候群になってしまう可能性もあります。

卵巣過剰刺激症候群は卵巣が腫れあがり、腹水が貯留する状態を指し、お腹が張る・腰痛や腹痛・尿が出にくくなる・吐き気を感じるなどの症状が出ることがあります。
ひどい場合は、血栓症の原因になってしまうこともあるのです。

クリニックでは医師が卵巣過剰刺激症候群の症状が出ていないかを注意しながら治療を進めます。
万が一、卵巣過剰刺激症候群になってしまった場合でも、症状を重症化させないよう、早急に「いつもと体の様子が異なる」と医師に相談しましょう。

(まとめ)体外受精の治療の際によく聞く「ショート法」とは?

1.ショート法とは体外受精の治療時に行う排卵誘発法の1つです

体外受精の採卵を助ける排卵誘発法の1つがショート法と呼ばれる、点鼻薬と注射を用いた排卵をコントロールする方法です。

複数の卵胞を同時に育てることを目的としています。
メリットもデメリットもあるため、不安なことがある場合は医師に相談しましょう。

2.ショート法は採卵数を増やすために行われる排卵誘発法です

体外受精の際の着床率や妊娠成功率には、卵子の採卵が大きく関わりをもっています。

複数の卵子を採卵できるようにするための排卵誘発法の1つがショート法で、点鼻薬と注射によって卵胞を育て、採卵時に複数の卵子が採卵できるような状態をつくっていきます。

3.排卵誘発法には体質により向き不向きがあります

排卵誘発法にはいくつかの種類があり、どの方法で治療を行うかは医師が判断します。

医師は、抗ミュラー管ホルモン値や卵巣刺激ホルモン値などを参考にしながら、治療を受けられる方の卵巣機能の状態を基準にして排卵誘発法を決定します。

4.ショート法は治療期間が短いメリットがある反面、卵巣過剰刺激症候群への注意が必要です

ショート法は比較的治療期間が短いため、その分体への負担が軽く、スケジュール管理がしやすいという特徴があります。

ただ複数の卵胞を同時に育てるため、卵巣過剰刺激症候群になる可能性もあります。
体に異変を感じたら、早急に医師に相談しましょう。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師