体外受精で移植した受精卵がお風呂などの熱で影響を受けるとは医学的根拠のない話です


洋服の上からカイロを当てたり、お風呂で温めたりするなど熱を加えると受精卵が弱ってしまうという噂は医学的な根拠がない話です。

移植後に熱いお風呂を避けるように注意されることがありますが、母体の体力を消耗しすぎる心配があるためです。
受精卵がお風呂の熱で弱ってしまうということではないので誤解しないようにしましょう。

体外受精後、熱いお風呂を避けるのは受精卵が熱に弱いからではありません

受精卵は熱に弱いので体外受精後はお風呂で温めてはいけない、受精卵は熱に弱いので身体をカイロで温めてはいけないなど「受精卵が熱に弱い」という噂を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?

これらの噂は医学的な根拠がなく、お風呂で身体を温めてもその熱が受精卵に影響を及ぼすことはほぼないと言えます。
体外受精で胚移植を行った後、お風呂を避けるようにと医師から指示を受けることがありますが、これは受精卵が熱に弱いという理由ではありません。

医師が胚移植後にお風呂を避けるように忠告するのには別の理由があります。
胚移植を行う際は、子宮の入り口などに傷ができることがあり、湯船に浸かることでその傷口から雑菌などが入り、何らかの感染症にかかってしまう恐れがあるためです。

また胚移植で疲れた母体が熱いお風呂に浸かることで、疲れが取れるどころか、かえって体力を消耗してしまうことも考えられます。
そういった理由から、医師は熱いお風呂に入ることや長湯をすることを避けるようにと忠告をしています。

不安になるような噂を聞いて判断が難しい場合は、安易に自己判断せずに医師に質問して正しい回答を得るようにすると安心です。

体外受精で移植した後、微熱が出ることがあります


受精卵が熱に弱いということが噂だけで医学的根拠がないということにもつながりますが、体外受精で移植した後、微熱が出ることがあります。
受精卵を移植すると、うまくいけば1~5日程度で受精卵は着床します。

受精卵が着床することで無事妊娠成立となるのですが、妊娠すると黄体ホルモンの分泌が盛んになるため、体温が高くなり風邪の初期症状のように、37.5度前後の微熱が出ることがあります。

体外受精の胚移植後に出る微熱は、同じ時期に見られる頭痛や下腹部痛と同じく妊娠初期症状である可能性があります。

安易に自己判断で風邪を引いたと思って風邪薬や解熱鎮痛剤などを服用しないように注意しましょう。
他にも妊娠初期症状として、少量の出血や下腹部痛を感じることがあります。

いずれも受精卵に何かあったのでは?と不安になる方も多いものですが、体外受精で胚移植した後に、体調の変化が感じられる時は、薬を飲む前に主治医に確認することをおすすめします。

体外受精後の生活で一番のポイントはストレスを溜めないことです

体外受精で胚移植を行った後のライフスタイルですが、普段何気なく行っていることが受精卵に影響を及ぼすのでは?と考えてしまい、どのような行動を取ったらよいか分からないということがよくあります。

基本的には通常通りの生活を少し大人しめに行っていれば問題ないものです。
激しい運動や喫煙、アルコール習慣などを避け、医師の指示通りに生活しているだけで大丈夫です。

体外受精の後は、受精卵の状態が気になることや、無事に着床するかどうかなど不安になることも多いものです。
しかしホルモンの分泌を安定させるためにも、神経質になりすぎず、ゆったりとした気持ちで過ごすことをおすすめします。

ストレスがたまると自律神経の乱れにもつながります。
体外受精後は、ストレスをためないようにリラックスして過ごしましょう。

職場環境などが原因で常にストレスにさらされているような場合は、意識して1日の中でリラックスできる時間を持つように心がけましょう。
ナーバスになってしまいそうな時は、好きな音楽を聴いたりキレイな景色を見たりするなどをして気持ちを落ち着かせるのもよいかもしれません。

(まとめ)体外受精で移植した受精卵は熱に弱いって本当?

1.体外受精で移植した受精卵がお風呂などの熱で影響を受けるとは医学的根拠のない話です

受精卵がカイロやお風呂の熱で弱ってしまうということは医学的根拠のない噂であり、そのような事実はないと考えられています。

不安な点がある場合は、自己判断で行動を起こす前に、主治医に確認すると安心です。

2.体外受精後、熱いお風呂を避けるのは受精卵が熱に弱いからではありません

体外受精の移植後、お風呂を勧められない理由は受精卵が熱に弱いからではありません。

感染症の可能性や母体の体力消耗の点から考えて、熱いお風呂に入ることや長湯をすることを避けたほうが良いというわけです。

3.体外受精で移植した後、微熱が出ることがあります

体外受精で胚移植した後、うまくいけば1~5日で受精卵は着床します。

無事に着床すると体は様々な変化を起こすようになり、微熱や下腹部痛・頭痛などの妊娠初期症状が現れることがあります。
症状で心配がある場合は市販薬を飲まずに医師に相談しましょう。

4.体外受精後の生活で一番のポイントはストレスを溜めないことです

体外受精で胚移植を行った後は、受精卵の状態や着床について気になることがありますが、ナーバスになりすぎないようにリラックスして判定日を待ちましょう。

基本的には胚移植の前後で特別に生活スタイルを大きく変えなければいけないということはありません。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師