体外受精後の腰痛だけでは必ずしも妊娠のサインとは言えません


体外受精後は、とくにナーバスになりやすくちょっとした体調の変化が気になるものです。
なんとなく下腹部痛や腰痛を感じるという人もいて、これが妊娠初期症状ではないかと思われがちです。

体外受精後に着床していれば、腰痛の他にも微量の出血や胸の張りなどの症状が出る場合がありますが、それだけでは必ずしも妊娠のサインとは言えません。
きちんと病院で妊娠判定を受けるまでは、思いつめないようにしましょう。

体外受精から妊娠判定までは約2、3週間かかるのが一般的です

体外受精を行ってもすぐに妊娠判定ができるかというと、そうではありません。
通常、受精卵を子宮に戻す胚移植を行い、2、3週間は日常生活を送った後、病院で血液検査を行い妊娠判定がなされます。

胚移植後に受精卵が子宮内膜に絨毛という根を張って着床するのに、3~5日はかかるとされています。
ただし採卵後に卵子と精子を受精させ、体外で細胞分裂をある程度行い、採卵から5日程経った胚盤胞を移植した場合は、1日程で着床するとされています。

着床すると、次第にhCG(ヒト絨毛ゴナドトロピン)というホルモンの分泌量が増え、子宮内膜を分厚くして、受精卵成長のサポートをしてくれます。
体外受精の場合は、着床を促すためにこのhCG薬が投与される場合もあります。

着床したからといって、すぐに腰痛などの体調に変化が現れるわけではありません。
通常はホルモン濃度が高まってからというケースが多く、早い人でも胚移植から10日前後で、人によって体調の変化を感じるタイミングも異なります。

体外受精後に着床していれば、腰痛以外にも微量の出血や吐き気などの体調の変化を感じる人もいます


体外受精後に着床していれば、妊娠超初期症状として体調の変化を感じる人もいます。
着床後の妊娠超初期症状としては、腰痛や下腹部、胸のあたりのちくちくとした痛み、茶色いオリモノやごく微量の着床出血などが挙げられます。

ただ月経の時のように多めに出血する場合は異変が起きているため、病院をすぐに受診しましょう。
強い眠気に襲われたり、身体がとても怠くて疲労が取れず起きているのも辛いといった症状も現れます。

さらに着床すると高温期が続くため身体が火照っていつもより暑い、汗がかなり多い、胸が張ってきて違和感があるなどの症状が出る人もいます。
またホルモンの分泌量が増えるせいでにおいに敏感になったり、吐き気を催す、食欲がなくなるといったつわりのような症状をいち早く感じることもあります。

メンタルにおいても、イライラしたり急に気分が落ち込むなど精神的不安定に陥る人もいます
これらの症状が一般的に月経前に起こる月経前症候群と似ているので、間違えないように注意が必要です。

体外受精後、妊娠検査薬は使えますが、結果にあまり惑わされないようにしましょう

体外受精で胚移植を行ってから、早ければ10日程で着床出血や腰痛などの妊娠超初期症状を感じる人もいます。
しかし希望をもって体外受精にチャレンジしている気持ちもあり、体調の変化を感じると、妊娠への期待も大きくなってしまうものです。

病院での妊娠判定まで2週間余りも時間があるため、早く結果を知ろうとして妊娠検査薬を使ってみたいという人もいるでしょう。
妊娠判定前に妊娠検査薬の使用は禁止されていないので、使うかどうかは個人の自由です。

市販の妊娠検査薬は、尿をかけて尿に含まれるhCGの量によって判定できます。
hCGの分泌量は、着床後少しずつ増えていくので妊娠検査薬を使うのがフライングとなり、検査結果が正しくでない場合があります。

また体外受精時に子宮内膜の状態を良くするために、hCG注射を行う場合もあるので検査のタイミングによって間違った結果がでる恐れもあります。
そのため、妊娠検査薬を使うのは病院での妊娠判定の直前の方が正しい結果が得やすいと言えます。

ただ妊娠検査薬での結果が絶対ではないので、結果がどうであれ、病院で指定された日には必ず判定、診察を受けて下さい。

(まとめ)体外受精後に感じる腰痛は妊娠のサインなの?

1.体外受精後の腰痛だけでは必ずしも妊娠のサインとは言えません

体外受精後は、妊娠超初期症状かもしれないと体調の変化に敏感になる人もいるでしょう。

腰痛や微量の出血は確かに妊娠超初期症状とされていますが、それだけでは妊娠を確証することはできません。

2.体外受精から妊娠判定までは約2、3週間かかるのが一般的です

体外受精は、採卵から体外での受精、受精卵を子宮内膜に戻す胚移植の流れが行います。

通常は、胚移植から約2、3週間後に血液検査により妊娠判定が行われますが、その間に腰痛などの体調の変化を感じる人もいます。

3.体外受精後に着床していれば、腰痛以外にも微量の出血や吐き気などの体調の変化を感じる人もいます

体外受精後に、移植した胚が子宮内膜に着床していれば、微量の着床出血や胸の張り、吐き気などの着床症状、つまり妊娠超初期を感じる人もいます。

ただ症状は人によっては感じない人もいたり、感じるタイミングが人より早いなど個人差があります。

4.体外受精後、妊娠検査薬は使えますが、結果にあまり惑わされないようにしましょう

体外受精後に、腰痛などの妊娠超初期症状を感じると、気になって妊娠検査薬を使いたいと思う人もいるでしょう。

妊娠検査薬を使う時期が早いと、正しい結果が出ない場合もあるので結果に惑わされないように気をつけましょう。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

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院長 小松保則医師