プロテインSの数値が体外受精後の妊娠継続に関係しているとされています


体外受精を行った際に、着床しても妊娠が継続できずに早期の段階で流産してしまうことがあります。
様々な要因がありますが、そのうちのひとつとして、プロテインS欠乏症という症状があるとされています。

着床はするけど妊娠が継続できないという状況が繰り返される場合は、医師からプロテインS欠乏症の検査を提案されることがあります。

プロテインS欠乏症の場合、体外受精後の妊娠が長く続かない場合があります

体外受精で着床が成功してもその妊娠が長く継続できない体質の人もたくさんいます。
妊娠が継続できない理由としてはホルモンの状態や子宮の形など様々なことが関与していますが、その中の1つに「プロテインS欠乏症」が挙げられます。

妊娠中は基本的にプロテインSが減少します。
ですがプロテインS欠乏症の方の場合は、妊娠中に限らずプロテインSが慢性的に不足している状態で、先天性であることもよくあります。

プロテインSはタンパク質の一種で、血液が固まるのを防ぐ働きをします。
プロテインSが不足すると、血流が悪くなり血栓症になりやすい傾向にあります。

子宮や胎盤は身体の他の部分に比べて血液の流れが遅いため、状況的にも血栓ができやすく、胎盤で血栓ができてしまうことで流産につながってしまうことがあります。

体外受精後に着床はするけれど流産をしてしまうということが複数回続く場合には医師はプロテインS欠乏症を疑います。
検査で得られた数値をもとに治療方法を考えていくというのが一般的です。

プロテインS欠乏症と診断されても治療をすると妊娠、出産できる可能性があります


プロテインS欠乏症であるからといって、全ての方が流産してしまうというわけではありませんが、確率は欠乏症でない方よりも高い傾向にあり、妊娠成功率は15%程度にとどまります。

しかしこの数値はプロテインS欠乏症を治療しなかった場合の数値で、きちんと検査をして治療を行うことで、妊娠率を上げることが可能です。
プロテインS欠乏症かどうかは血液検査をすると分かります。

治療法は様々で医師やクリニックによって異なります。
というのもプロテインSの数値だけではなく、他の検査項目の数値との関係も鑑みて治療に使う薬を決めるため、プロテインS欠乏症には必ずこの薬と決まっているわけではないためです。

中でもポピュラーなものとしては、アスピリンやヘパリンを使用して血液をさらさらにして、血液をかたまりにくくする治療法です。
アスピリンやヘパリン以外にもプロテインS欠乏症に効果があるとされる薬もあり、1つの薬だけで治療する場合もあれば併用する場合もあります。

また投薬の期間も医師やクリニックの方針によって異なり、分娩ギリギリまで投薬を続けるケースもあります。
どのような治療を行うのか、主治医とよく話し合っておくと安心です。

プロテインS欠乏症と診断されたら生活習慣に気をつけましょう

プロテインS欠乏症と診断されたからといって、全ての方に血栓ができるというわけではありませんが、血液がサラサラではなくかたまりやすい状態であるということは共通として言えることです。

日ごろから血液がスムーズに流れることを意識しておくことは非常に有益です。
水分が不足し脱水症状を起こさないようこまめに水分を摂取しましょう。

長時間同じ姿勢でいることも血流が悪くなりがちなため、注意が必要です。
飛行機のエコノミー症候群の対処法でもわかるように、血液の流れは重力とも関わりがあります。

とくに下半身の血の巡りは滞りがちなので、意識して動かすことをおすすめします。
下半身の血流を良くするためには、ふくらはぎの筋肉が十分に動き、心臓のようなポンプ機能を働かせることがポイントとなります。

ふくらはぎの筋肉を動かすことは特別難しいこともなく、大がかりな運動をするわけでもありません。
立っている場合はその場で軽く足踏みをするだけでも良く座っている場合は、足首をぐるぐる回したり膝を伸ばしたり曲げたりを繰り返すだけで十分です。

プロテインS欠乏症だと診断された場合は、血栓が出来にくい生活習慣を心がけることが大切になります。

(まとめ)プロテインは体外受精を成功させるのに関係している?

1.プロテインSの数値が体外受精後の妊娠継続に関係しているとされています

先天性のプロテインS欠乏症が原因で、体外受精で着床が成功しても妊娠が長く継続できないことがあります。

初期流産を繰り返す場合は一度検査を受けてみても良いかもしれません。

2.プロテインS欠乏症の場合、体外受精後の妊娠が長く続かない場合があります

プロテインSは血液を流れやすくする働きがあるタンパク質です。

不足すると胎盤内で血栓ができやすく、結果として流産につながってしまうことがあります。
検査をして得た数値によって治療法を検討します。

3.プロテインS欠乏症と診断されても治療をすると妊娠、出産できる可能性があります

プロテインS欠乏症は、治療をせずにいると流産する確率が一般の方よりも高くなってしまいます。

適切な検査・治療を受けることで流産を回避し妊娠、出産へとつなげていきましょう。
専門の医師に詳細を確認しておくとより安心です。

4.プロテインS欠乏症と診断されたら生活習慣に気をつけましょう

プロテインS欠乏症は血栓ができやすいため、日ごろの生活習慣を見直すことがポイントです。

こまめに水分を補給して脱水症状を起こさないようにしましょう。
また血流は下半身の方が滞りがちなため下半身の軽い運動を入れることもポイントです。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師