体外受精時にピルを服用する場合、乳房痛・悪心・頭痛・眠気などの副作用が出る場合があります


体外受精の際には、ピルの中でも中用量ピルと呼ばれる比較的成分量が多いピルを服用します。
中用量ピルの副作用としては、乳房痛・悪心・頭痛・めまいなどが比較的でやすく、ごくまれに血栓症につながることもあります。

ピルを飲み慣れると副作用は出にくくなるのが一般的ですが、体質に合わない場合は主治医に相談してみましょう。

体外受精時に服用するピルは副作用が出る場合があります

ピルには、成分の用量や開発された順番や使用される成分・製造販売している会社によって、様々な種類のものがあります。
体外受精で使用するものは、ピルの中でも中用量ピルと呼ばれるもので、低用量のものよりも成分量が多く効果の高いものです。

成分量が多い分、副作用も低用量に比べると出やすい傾向があります。
中用量ピルの副作用としては、乳房痛・悪心・頭痛・眠気・倦怠感などの症状が一般的ですが、ごくまれに血栓症を起こしやすくすることも知られており注意が必要です。

血栓症は長時間同じ姿勢でいると起こりやすく、とくに血流の悪い下半身で起こりがちであるため、中用量ピルを服用中は意識して足首などを動かすことをおすすめします。

副作用が出るタイミングとしては、身体がピルに慣れていない時期、つまりピルの飲みはじめの頃に出やすく、身体が慣れてくるにしたがって副作用を感じにくくなるのが一般的です。

中にはまったく副作用を感じないという人もおり、体質によって副作用の種類や出方も様々です。
前述通り同じ中用量ピルでも様々な種類の物があるため、あまりに副作用が強く出て辛い時は主治医に相談の上、ピルの種類を変えてもらうことをおすすめします。

ピルには排卵を抑える効果があります


体外受精の際にピルを服用すると聞くと、驚く人も多いのではないでしょうか?
ピルは避妊薬のイメージが強いと思いますが、避妊目的以外でも更年期障害の症状の緩和や体外受精のサポートとしても使用されることがあります。

ピルを服用することでホルモン値を高め、身体を妊娠時と似た環境にもっていき、排卵を抑制させます。
体外受精時には、採卵の前に中用量ピルを服用することがあります。

排卵を抑制して卵巣を少しの期間休ませることで、その間に卵子が少し成熟します。
採卵の際により妊娠確率の高い質の良い卵子を取り出せるようにするために中用量ピルを飲むというわけです。

中用量ピルを服用することは、採卵のスケジュール管理にもつながります。
多くのクリニックでは採卵の前に中用量ピルを用いて採卵に備えますが、女性の体質や卵子の状態、クリニックの方針などによってはピルを服用しない場合もあります。

中用量ピルは副作用が比較的出やすいものですが、その分メリットも多くあるということが言えるでしょう。

ピルは子宮内膜の充実や維持にも効果があるとされています

ピルは体外受精時の排卵及び採卵のスケジュール管理だけではなく、子宮内膜の充実や維持にも効果があるとされています。
不妊の原因は様々で体質とも深い関わりがあるものです。

着床しにくい体質の方の中には、黄体ホルモンが分泌される量が低く、子宮内膜が剥がれやすいという方がいます。
子宮内膜が剥がれやすい方は、着床しても妊娠の継続が難しく、早期流産しやすいという傾向があります。

そういった症状がある場合にピルを服用することで黄体ホルモンを補うことができます。
黄体ホルモンの分泌が少ない場合は、子宮内膜そのものが充実しにくく、結果的に着床しにくい状態であることも挙げられます。

黄体ホルモンと卵胞ホルモンのどちらも含む中用量ピルを服用することで、ホルモンが補われ、充実した子宮内膜作りにもつながるとされます。
着床しないことには妊娠が成立しないため、着床しやすい子宮内膜にすることは非常に重要です。

体外受精時にピルを服用することで排卵を抑制して、卵子を充実させ、質のよい卵子を採卵しやすくし、同時に子宮内膜も充実させるなど妊娠しやすい身体作りのために、ピルの服用は多くの医師が取り入れている治療です。

(まとめ)体外受精時に服用するピルの副作用とは?

1.体外受精時にピルを服用する場合、乳房痛・悪心・頭痛・眠気などの副作用が出る場合があります

体外受精で服用する中用量ピルの副作用は、乳房痛・悪心・頭痛・眠気などがあり、まれに血栓症を引き起こすこともあります。

副作用はピルを飲み慣れると治まってくるのが一般的だと言われています。
副作用が続く場合は、医師に相談してみるとよいでしょう。

2.体外受精時に服用するピルは副作用が出る場合があります

中用量ピルは低用量ピルに比べて成分が多く含まれている反面、副作用も出やすい傾向にあります。

日常生活に支障をきたすほど副作用が強く出る場合は主治医に相談してピルの種類を変更してもらいましょう。

3.ピルには排卵を抑える効果があります

体外受精時に中用量ピルを服用することで、卵子の成熟を促し、採卵のスケジュール管理がしやすくなります。

中用量ピルは比較的副作用が出やすいものですが、体外受精時には服用するメリットも多くあると言えます。

4.ピルは子宮内膜の充実や維持にも効果があるとされています

黄体ホルモンや卵胞ホルモンを含んだピルを服用することで、剥がれやすい子宮内膜をはがれにくくすることが期待されています。

着床しやすいように子宮内膜を充実させるためにもピルは役立ちます。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師