体外受精の平均採卵数は採卵方法や年齢によって変化します


体外受精の平均採卵数は、年齢によって変化します。
一般的に、加齢に伴って平均採卵数は減っていくといわれています。
治療を行っている病院によって公開される平均採卵数に違いはあるものの、年齢によって減っていく点は共通して見られる傾向です。

採卵数が多いと成功の確率は高まりますが、卵子の質の良さも大切です。
個人差もありますし、採卵数が少ないと妊娠できないということではありません。

年齢が上がると採卵数が減る傾向にあります

肌や筋力などが加齢によって衰えていくのと同じで、子宮や卵巣、卵子なども老化していきます。
もちろん男性の精子も老化していきます。

老化した卵子は、若い頃の卵子と比べて受精しにくい状態になってしまいます。
高齢化によって妊娠しにくくなるのにも、このことが関係しています。

卵子の数は、実は生まれたときには決まっていて、増えることはないといわれています。
ホルモンの影響で排卵が行われるようになると、あとは毎月消費されていくことになるのです。
そのため体外受精で採卵を行うときも、年齢が上がることで平均採卵数が減ってしまうと考えられます。

しかし採卵数には個人差があるため、必ずしも若いとたくさん採卵できるわけではありません。
若くても採卵数が少ない人や年齢を重ねても採卵数が多い人もいます。
卵子減少にはビタミンd不足やストレスが影響してくるといわれています。

若いうちから栄養バランスが偏っていたり、ストレスにさらされる機会が多かったりすると卵子の数が減りやすいといえます。
また卵子は数だけではなく質も大切です。

少ない卵子でも質が良ければ妊娠の可能性は上がります。
卵子の数を減らさない、卵子の質を下げないような生活習慣が大切です。
ストレスを溜めない・適度な運動を行う・栄養バランスのよい食事を心がけるなど、生活習慣を見直してみましょう。

排卵誘発の方法によって平均採卵数が変わります


体外受精は身体の外で受精を行うため、卵子を女性の卵巣から取り出すことが必要になります。
卵巣内で成熟した卵胞から卵子を採取することになりますが、採卵までの流れは治療の方針で異なります。

自然な身体のサイクルでは、1回の排卵に向けて複数の卵胞が成長していき、その中で一番成熟した卵胞から排卵が行われます。
1回の周期で1個の卵子ができるということです。

体外受精の場合、完全に自然な流れに合わせて採卵する場合もありますが、より採卵数を増やすために排卵誘発剤を用いることがあります。
本来は成熟しない卵胞の成長も促すことで、採れる卵子の数を増やすのです。

採卵数を増やすことにより、受精に使える卵子の採れる確率が上がります。
使える卵子が多ければ、受精の確率も高まり、体外受精の成功率を上げることに繋がると考えられます。

排卵を誘発するのにはいくつかの方法があります。
低刺激なもので代表的なのは、経口摂取するクロミッドという排卵誘発剤です。

より刺激を強めるのであれば、クロミッドと合わせてhMG/rFSH注射を行います。
さらに高刺激なものにアゴニスト法やアンタゴニスト法というものがあります。

アゴニスト法はショート法とロング方法、ウルトラロング法に分けることができます。
当然刺激が強い方法で排卵を誘発したほうが、平均採卵数が増えます。

一つの例として、30歳までで自然に任せると平均1個の採卵なのが、クロミッドを使うと2.8個、hMG/rFSH注射とクロミッドを合わせると9.8個まで平均採卵数が増えたというデータがあります。

採卵方法によってはデメリットもあるといえます

排卵誘発剤を使って平均採卵数を増やすことは、妊娠の確率を増やすメリットがありますが、デメリットもあるといえます。
排卵誘発剤を使うことで卵巣が過剰に刺激されると、卵巣過剰刺激症候群という症状が出ることがあります。

卵巣が膨れ上がってしまう症状で、重症化するとお腹や胸に水が溜まってしまうこともあるのです。
自覚症状として下腹部の張りや体重の急激な上昇、吐き気などが出るといわれています。

卵巣過剰刺激症候群にならなくても、薬が早すぎれば副作用が出ることもあります。
また卵胞の成長が早すぎると、採卵前に早期排卵してしまい、せっかく排卵誘発剤を使っても採卵できないこともあるといわれています。

排卵誘発剤を使うことは、それだけ費用の増加にも繋がります。
注射のために通院する回数が増えるなど、費用や治療の労力が増えてしまうことは避けられません。

排卵誘発剤を使わない場合にも、デメリットがあるといえます。
自然周期に合わせると費用や通院回数は抑えられますが、採卵できない可能性が高まりますし、採卵後の過程でも不成功のたびにまた採卵を行わなければいけません。

そのため自然周期に合わせて採卵を行うのと、排卵誘発剤を使って採卵数を増やすのでどちらがよいのかは個人によって異なってきます。
年齢や体質によって治療方針が変わりますし、病院によっても治療方針が異なります。

どのような方法で採卵を行っていくかは、医師ときちんと相談して行うことが重要といえます。

(まとめ)体外受精のための平均採卵数はどれくらい?

1.体外受精の平均採卵数は採卵方法や年齢によって変化します

平均採卵数は年齢によって左右されます。

一般的に、加齢に伴い採卵数が減る傾向があります。
採卵数の多さは成功確率に関係しますが、少ないからといって体外受精が成功しないということにはなりません。

2.年齢が上がると採卵数が減る傾向にあります

加齢に伴い、子宮や卵子も老化していきます。

体内の卵子が新しく作られることはなく、年齢が上がると少なくなっていきます。
そのため平均採卵数は年齢が上がると少なくなる傾向にあります。
大切なのは質や数を落とさない生活習慣を心がけることです。

3.排卵誘発の方法によって平均採卵数が変わります

本来、1回の周期で採れる卵子は1個です。

採卵できる卵子を増やすために、排卵誘発剤を使うことがあります。
低刺激な方法から高刺激な方法があり、刺激が強い方が平均採卵数が多くなっているデータがあります。

4.採卵方法によってはデメリットもあるといえます

排卵誘発剤を使うことで、副作用が起きる可能性があります。

治療にかかる費用も増えてしまいます。
自然周期に合わせる場合は、費用は抑えられてもその都度採卵する必要があります。
どの治療方法が合っているかきちんと相談することが大切です。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小山寿美江医師
こやま すみえ/Sumie Koyama

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経歴
1999年 琉球大学医学部医学科卒業
2000年 東京医科大学病院救急救命センター
2001年 東京女子医大病院腎センター
2003年 緑風荘病院 血液浄化療法センター
2006年 昭和大学病院産婦人科
2009年 昭和大学病院産婦人科 助教
2010年 東京衛生病院産婦人科
2012年 木場公園クリニック勤務
木場公園クリニック 分院 院長
2016年 六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
アメリカ生殖医学会

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院長 小山寿美江医師