体外受精の胚移植後にルティナスはいつまで使うかというと妊娠7~8週までです


体外受精で胚移植をして妊娠成立した場合、ホルモン剤を投与して妊娠の継続・安定を促しますが、そのときに使われるのがルティナスです。

ルティナスは黄体補充のための薬で一般的には妊娠7~8週まで使用しますが、ルティナスは膣座薬になっているので、飲むのではなく直接膣へ挿入して使う薬です。
ただし胚の状態などにより使用期間は変わるため、担当医の指示に従ってきちんと使いましょう。

医師の指示に従って妊娠7~8週頃まで続けます

体外受精で胚移植をした場合、体がまだ妊娠の準備を整え切れていない可能性が高いことから、ホルモン剤を投与してその働きを補います。
そのときに使用される薬のひとつがルティナスで、膣に挿入して使う膣座薬タイプになっています。

妊娠継続をサポートするために使うルティナスなので、妊娠中はずっと使っていく必要があるかというとそうではありません。
新鮮周期で胚移植した場合なら妊娠7~8週くらいまでルティナスを使い、ホルモンコントロール周期で凍結融解移植をした場合では妊娠8~10週くらいまで使います。

なぜこのくらいの時期までの使用かというと、妊娠7~8週頃は胎盤のもとになる絨毛の組織が完成する時期だからで、その後は絨毛からホルモンが分泌されます。
病院の中にはルティナスの使用を止める時期をホルモン値測定によって判断するところもあります。

ちなみにルティナスは膣座薬なので直接膣へ挿入する必要がありますが、アプリケーターを使って挿入するので難しいことはありません。
実際使用した人も痛みはなかったという人が多いので安心して使えるでしょう。

妊娠中のルティナスの投与は安全です


妊娠中の薬の使用については敏感になりがちですが、黄体補充のための薬であるルティナスの使用については特に問題がありません。
なぜならルティナスの成分は天然のプロゲステロンのため、妊娠中は常に母体から分泌されているものであるからです。

そのため必要な量の範囲で補うのであれば胎児への影響はまずないと言えるでしょう。
それにルティナスの有効成分のプロゲステロンは、人への危険性に証拠はなく、先天性異常のリスクを増加させる証拠もないとされている成分のため、安心して使える薬と言えます。

他にもルティナスを使うメリットとして、下記のようなものがあります。

  • 使用後の血中濃度安定が速い
  • 専用アプリケーター使用で手を汚さず挿入できる
  • 注射の場合のように毎日通院する必要がない

ちなみにデメリットとしては使用に関するところが多く、1日3回程度の挿入が必要なため職場などでも挿入しなくてはならない、挿入後におりものが出ることもありおりものシートの準備が必要という点があげられます。

もし忙しくて薬の挿入を忘れてしまった場合には、1日2回使用なら気づいたときに使い、1日3回では飛ばして使いましょう。

ルティナスの使用は勝手な判断でやめないことです

ルティナスを使用していると副作用として、頭痛、眠くなる、性器出血があるため、このなかの出血を月経と勘違いしてルティナスの使用を勝手にやめてしまう場合があります。

そして実は妊娠成立していたにも関わらず勝手にルティナスの使用をやめたことで胎児が流産しそうになり、危険だったケースも実際に起きているのです。
そのためルティナスを使用しているときには、副作用として性器出血があることを知っておき、医師の指示があるまでは勝手に使用をやめないことが大切です。

それに妊娠していれば多少の出血は起こりやすいものなので、異常と感じるときや心配なときはルティナスをやめる前に医師へ相談しましょう。
体外受精で胚移植を行っての妊娠である場合、どうしても黄体補充が必要になってくるので、妊娠の可能性を信じて妊娠判定日まではまずルティナスの使用を続けてみましょう。

胎盤ができあがるまでは妊娠継続に必要なホルモンが不足している状態になりやすいので、必ず医師の指示通りに薬を使うことです。

(まとめ)体外受精で用いる膣錠ルティナスはいつまで使うの?

1.体外受精の胚移植後にルティナスはいつまで使うかというと妊娠7~8週までです

体外受精で胚移植をしてから妊娠した場合には、黄体補充を効果効能とするルティナスを投与して妊娠の安定を促します。

一般的に妊娠7~8週頃まで投与しますが、移植した胚の状態によっても変わるため医師の指示どおりに使いましょう。

2.医師の指示に従って妊娠7~8週頃まで続けます

体外受精で胚移植をした場合、胎盤の組織である絨毛が完成する妊娠7~8週位までルティナスで黄体補充をすることになります。

またホルモンコントロール周期での胚移植は妊娠8~10週位とやや長めの使用になります。

3.妊娠中のルティナスの投与は安全です

ルティナスを妊娠中に投与しても安全で、それは使用されている成分が天然のプロゲステロンだからです。

妊娠中は常に分泌されるホルモンのため、必要な量を超えない範囲での投与であれば胎児への影響も特に心配はありません。

4.ルティナスの使用は勝手な判断でやめないことです

体外受精で胚移植をしたけれど途中で出血があったからといって、ルティナスの使用を勝手に中止してはいけません。

実は妊娠していたけれどホルモン剤の投与をやめたために流産してしまう場合があるからです。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

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院長 小松保則医師