体外受精で胚移植した後の腹痛は比較的心配のないものです


体外受精の胚移植後に腹痛以外にも下腹部の重みや腰が少し重いといった症状が出ることがあります。
しかしこれは月経前や妊娠初期に起こる症状と同じで特に問題のないものです。

しかし排卵数が15個以上ある場合には注意が必要で、症状としておなかのひどい張り、ウエストがとてもきつい、体重が急に増えた、尿が出ない、出血がある、痛みがとても強いといった症状が出た時はすぐに担当医へ相談しましょう。

腹痛は妊娠成立の痛みの可能性もあります

胚移植を受けた後は着床を心待ちにして時間を過ごしますが、腹痛が現れることもあります。
その他の症状として下腹部が重くなったり腰が少し重くなったりする場合もありますが、特に問題ないでしょう。

痛みが月経前のものと似ているので、着床できずに月経がはじまったのではないか?と気になるかもしれませんが、妊娠判定日として案内されている2~3週間先の日にちまで待ってみましょう。

もし着床して妊娠成立していた場合にも月経前のような下腹部の重みや痛みを感じることがあるので、その痛みである可能性もあります。
妊娠しているかどうかを早く知りたいのであれば、病院での妊娠判定日より前に自分で市販の妊娠検査薬を使ってチェックする方法もあります。

このフライング検査を行うときには必ず早期妊娠検査薬を使うことで、一般の妊娠検査薬を使ってしまうと妊娠していても判断が難しく陽性反応が出ないことがあるのです。
しかしフライング検査で陽性反応が出たとしても、妊娠の可能性はありますが確実に妊娠しているとは限らないため、妊娠判定日には必ず病院で診察と検査を受けましょう。

ひどい痛みなど異常だと感じる症状は我慢せず相談しましょう


いくら胚移植後の腹痛や下腹部の重みなどは心配がないとはいっても、非常に強い痛みなどがあるときは医師に相談することをおすすめします。
その他にも、お腹の強い張り・ウエストがひどくきつい・急激な体重増加・尿が出ない・出血があるなどの異常を感じる症状が現れていれば早めに医師にみてもらいましょう。

このような異常が出る場合は、排卵数が15個以上のときに多く、卵巣が腫れているために見られる症状です。
それから胚移植後2週間ほどする間に月経がこなければ、妊娠している可能性は高くなり、この頃のフライング検査であれば検査薬での判定もしやすいでしょう。

しかし妊娠初期では下腹部痛や重みが月経前と似ているために、もうすぐ月経が始まるのではないか?と不安になるかもしれません。
そのようなときにもフライング検査をしてみたり、心を落ち着かせて妊娠判定日まで結果を待ったりしてみましょう。

あまりに気にしすぎるとストレスになり、心身に負担がかかって妊娠にもよい影響は与えないため、リラックスして過ごすことです。

着床しやすくなるよう自分でできる工夫をしましょう

不妊治療を続けるなかで、自分でもできることをあわせて行うことで、少しでも妊娠率アップにつなげていきましょう。
そのためには、体質改善を目指した生活を心がけることが必要です。
目的は受精卵と子宮の力をアップさせることになります。

まずは日々の食事で妊娠率アップに役立つといわれている栄養素は、ミネラル・ビタミン・たんぱく質ですが、その他の栄養素もバランス良くとって全身の健康を心がけましょう。

パートナーと一緒に取り組むことで精子と卵子の力が高まり、子宮内膜が妊娠しやすい十分な状態になると期待できます。
そして、ムリのない適度な運動を継続することで代謝を良くし、バランス良くとった栄養素を全身に巡らせるようにします。

代謝がよくなり必要な栄養や酸素が全身に届くと、自律神経も安定するため心も体も元気になるでしょう。
自律神経が安定して働いてくると質のよい睡眠もとりやすくなるので、十分な休養がとれるようになるものです。
それから心身を疲れさせるもののひとつにストレスがあり、適度に発散するようにしておかないと心身が疲れすぎて眠れない状態になることもあります。

不妊治療に取り組んでいるとストレスを感じることもありますが、パートナーと一緒に出かけてリフレッシュしたりお互いゆっくりと時間を過ごしたりしてストレス緩和を心がけましょう。

(まとめ)体外受精をした後に腹痛が起きても大丈夫?

1.体外受精で胚移植した後の腹痛は比較的心配のないものです

体外受精で胚移植をしたあとに腹痛、下腹部の重み、腰が重いといった症状が出ることもあります。

しかしこれは月経前や妊娠初期に見られるものと同じで、それほど心配はいりません。

2.腹痛は妊娠成立の痛みの可能性もあります

胚移植のあとで腹痛や下腹部の重みなどを感じる人もいますが、特に心配はありません。

月経前の痛みに似ていることから着床せず月経だと思うかもしれませんが、妊娠判定日まで待って検査を受けましょう。

3.ひどい痛みなど異常だと感じる症状は我慢せず相談しましょう

胚移植後の腹痛が強い痛みであったり出血があったりするなどの異常ととれる症状がある場合には、我慢しないで早めに病院で診察を受けましょう。

異常が現れる可能性があるのは排卵数が15個以上だった場合です。

4.着床しやすくなるよう自分でできる工夫をしましょう

着床率アップのために自分でできることは、体質改善を目指した生活習慣の改善をすることです。

食事ではミネラル・ビタミン・たんぱく質を特に積極的にとり、適度な運動で代謝をあげ、質のよい睡眠で心身の疲労を回復させることを心がけましょう。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
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院長 小松保則医師