体外受精の顕微授精は顕微鏡下でおこなう方法です


体外受精の顕微授精とは、顕微鏡下でおこなう方法です。
卵子の中に1個の精子を直接入れる方法で、細い針を使って受精させます。

正式名は、卵細胞質内精子注入法です。
一般の体外受精では受精に至らない方に利用されています。

精子の運動能力が低下している場合や、受精障害があるときにこの方法が適しています。
精子を針で吸い込みそのまま卵子に差し込みます。

顕微授精は排卵誘発剤を使います

体外受精で顕微授精を選択する場合は、排卵誘発剤を使い卵巣を刺激します。
採卵は超音波を使い卵胞の位置を確認し、卵巣内にある卵胞に針を刺します。

採卵針で卵胞液を抜き取ると、卵子を採ることが可能です。
採卵後は一般の体外受精の方法、顕微授精の方法から選ぶことができます。

また移植方法や採卵後に凍結させるかも詳しく決める必要があるため、採卵日には必要な情報を得ておくとよいでしょう。
体外受精で顕微授精を選択した場合は、顕微鏡下で精子と卵子を受精させます。

受精卵は培養液につけて3~5日ほど熟成させます。
その後子宮内へ移す移植が一般的ですが、周期をずらして移植する凍結胚移植も選択が可能です。

移植方法は子宮内移植や、卵管内移植など種類があるため、医師とよく話し合って決めましょう。
胚を移植する場合は、ガイドラインで個数が決められています。

34歳未満は1個まで、35歳以上は2個までです
胚移植では自然妊娠と比べて多胎となるリスクが高いためで、1回につき胚移植は制限されています。

男性側に問題がある場合に最適な治療です


体外受精の顕微授精は、男性の精子の状況がよくないときに使われる治療です。
卵子に精子をふりかけて受精させる方法は、コンベンショナル体外受精といいます。

しかしこの方法では元気な精子を集めてふりかける必要があり、もともと精子の数が少ない方や、運動能力が低い精子が多いと、成功率が低くなるのです。
精子が卵子の中に入り込むには、卵子の透明体という卵の殻のような部分を破る必要があるため、ある程度の精子の量が必要です。

透明体を破るには、何匹もの精子の酵素が必要で、十分な量が集まらなければ、受精には至りません。
顕微授精が適用となるのは、乏精子症、精子無力症、精子不動証、精子の奇形率が高い場合です。

女性側の問題では、卵子の透明体がかたい場合や、茶色っぽい場合に選択します。
不妊治療では男性側の問題は意外と多く、薬で治療しても精子の問題が解決できないことがあります。

重症の問題がある場合でも、顕微鏡を使った治療なら妊娠できる可能性が高いです。
顕微授精はおもに男性側の問題で活用しやすく、一部女性の問題でも活用することができます。

顕微授精なら1匹の精子で受精ができます

顕微授精のメリットは、たった1匹の精子で良いという点です。
通常の体外受精では多数の精子が必要となるため、精子の数が足りない方や、運動している精子の数が少ないと選択できません。

顕微授精なら1つの卵子に対し、1つの精子のみで済むため、男性側の重度の不妊症でも、受精させることができます。
ただまれに針を刺すときに卵子の膜が破れて、変性してしまう恐れがあります。

顕微授精の受精率は70%程度といわれており、通常の体外受精より成功率は高くなります。
針を卵子に刺すといっても、自然な受精方法と変わりがなく、人の手を加えるのは精子と卵子が出会うのをお手伝いしているだけです。

顕微授精で成功率が高くなるのは、人それぞれで、女性側の年齢が影響しやすくなります。
20代では1回で40%以上の成功率が得られますが、40代では数%程度まで下がってしまうのです。

男性側の年齢は関係がないため、顕微授精を選択するなら、早い段階で利用したほうがよいといえるでしょう。
どの時期に通常の体外受精からステップアップすべきか、医師とよく話し合って適した方法を決めるようにしてください。

(まとめ)体外受精の顕微授精とは?

1.体外受精の顕微授精は顕微鏡下でおこなう方法です

体外受精の顕微授精は、顕微鏡下で卵子に精子を入れる方法です。

細い針で精子を吸い込み、直接卵子内に差し込む方法で、一般の体外受精で受精できない場合に用いられます。

2.顕微授精は排卵誘発剤を使います

体外受精の顕微授精の流れは、排卵促進剤を使い採卵をおこない、顕微鏡下で受精させます。

胚はその後3~5日ほど熟成させ、子宮内へ戻すのが一般的です。
凍結胚移植も選択できるため、医師とよく話し合った上で決めるようにしましょう。

3.男性側に問題がある場合に最適な治療です

体外受精の顕微授精は、男性側の問題でよく用いられている治療です。

卵子の中に精子が入るためには、ある程度の精子の量が必要なためで、精子の量や質に問題がある場合は、顕微鏡を使います。
重度の問題がある精子でも、この方法なら受精が可能です。

4.顕微授精なら1匹の精子で受精ができます

体外受精の顕微授精のメリットは、1つの精子で受精させることができることです。

精子の数が少ない方や、運動が少ない精子が多い方でも受精させることができます。
成功率は通常の体外受精より高くなりますが、女性側の年齢に影響を受けることがあります。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

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運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師