体外受精における受精卵の状態は、卵子や精子の質が関係しています


体外受精で上手くいかない原因として、受精卵の状態が良くないことが挙げられます。
受精卵の状態が良くないのは、主に卵子や精子に染色体異常がある、未成熟で妊娠する力がない、妊娠を継続させるのが難しい状態を意味します。

受精卵が元気で正常なら、受精から着床が上手くいく確率も高まります。
卵子や精子の質を高めるには、食事や生活習慣を改善するのが効果的です。

体外受精後の受精卵の良し悪しは、胚の状態によって判断されます

受精卵の状態が良くないのは、卵子や精子に原因があると考えられます。
しかしどちらかというと主に卵子の質に左右されることが多いとも言われています。

体外受精後に受精卵の胚分割が起こり、受精卵が育ち始めます。
そして受精卵の質は大体G1からG5まで5つのランクに分かれており、そのランクによって質が判断されるのが一般的です。

胚がしっかり分割されているG1、G2ランクだと受精卵が着床する力が強いので妊娠する確率が高いとされています。
高いランクの受精卵を作るためには、卵子の質の高さが重要です。

しっかり成熟していて、形がよりキレイな円形をしている、卵子に栄養を送り込む顆粒膜細胞がしっかり卵子を囲んでいればより質の高い卵子だと言えます。
一方で精子に関しても、動きが活発で形がキレイな状態だと質が良いと判断されます。

また体外受精による受精卵の着床、妊娠はタイミングが合えばというよりも、いかに質のよい着床する力の強い受精卵を作るかにかかっているといってもよいでしょう。

受精卵の質向上のため、食生活の改善や禁煙を二人で協力して進めましょう


卵子や精子は食事内容によって、質が左右されるとてもデリケートなものです。
そのため日々の食事を見直し、質の良い卵子や精子を生み出せるように二人で協力して、体に良い健康的な生活にシフトしていくことが大事なのです。

まず高たんぱく、低糖質の食事が理想的です。脂肪分の少なめな赤身の肉や魚、乳製品などをメインで毎食1品は加えましょう。
さらに卵子や精子は年齢と共に老化し、その機能が衰えていくので老化を招く活性酵素を除去する栄養素の摂取が大事です。
ポリフェノールを含むブルーベリーや生の玉ねぎ、ルイボスティー、ビタミンEを含むかぼちゃやアーモンド、βカロチンを含むにんじんやかぼちゃなどの食品がおすすめです。

またとくに女性の場合は、採卵前に卵胞を成熟させる栄養素として葉酸を含むブロッコリーやアスパラガス、胚移植後からは血流を促して着床しやすくなるよう、アルギニンを含む鶏肉やマグロ、鉄分を含むあさりや油揚げ、レバーなども積極的に食べましょう。
さらにタバコに含まれる有害物質は、卵子や精子をつくる生殖機能の低下を招くので、体外受精を成功させるには禁煙も必要です。

他にも、運動や質のよい睡眠、ストレス解消なども効果的です

状態のよい受精卵を作るためには、質の高い卵子や精子を生み出すことがポイントです。
そのためには食生活の見直しや禁煙以外にも生活習慣の改善も重要です。

まず適度な運動は、血流を促し女性ホルモンのバランスを整えるので、質のよい卵子を作ったり、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を分厚くしたりといった効果が期待できます。
さらに男性の生殖機能も正常化させるのにも効果的だとされています。

軽いウォーキングや体幹を鍛えるヨガや簡単なストレッチなどから始めてみましょう。
またストレスは女性ホルモンバランスを司る視床下部などの機能低下を招き、ホルモンの分泌量が減ってしまう原因となります。

さらにストレスにより、精子をつくる能力にも影響が出るとも言われています。
ストレスを溜めないような生活を送る、ストレスを解消できるような気分転換を取り入れるといったことに心がけましょう。

そしてとくに女性の場合は、冷え性になりやすいので要注意です。
体が冷えると体温が低下し、血流が滞るので夏でもお風呂に浸かったり、しょうがや山芋などの体を温める食材を取り入れたりするようにしましょう。

(まとめ)体外受精で受精卵の状態が良くない原因は?

1.体外受精における受精卵の状態は、卵子や精子の質が関係しています

体外受精において、受精卵の状態の良し悪しは、卵子と精子の質に関係しています。

卵子や精子の質を高め、体外受精を成功に導くためには、日々の食事や生活習慣を改善し、健康的な生活を送ることが大事です。

2.体外受精後の受精卵の良し悪しは、胚の状態によって判断されます

受精卵の状態は、受精後の胚の分割具合によって5つのランクに分けられています。

よいランクならば、着床の可能性が高いので妊娠の確率も上がります。
受精卵の状態を良くするには、形よくて染色体異常のない卵子や精子が必要不可欠です。

3.受精卵の質向上のため、食生活の改善や禁煙を二人で協力して進めましょう

体外受精後に、受精卵の良い状態にするには、卵子と精子の質の向上が必要です。

卵子と精子の機能の衰えを防ぐために、ビタミンEやポリフェノールなどの栄養素を摂取などが効果的です。

4.他にも、運動や質の良い睡眠、ストレス解消なども効果的です

受精卵の質を高めるには、適度な運動をして血流を促すことなどもよいとされています。

更にストレスは女性ホルモンバランスを乱したり、男性の生殖能力を低下させたりしてしまうので、ストレスを溜めこまない生活を心がけることも大切です。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

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院長 小松保則医師