体外受精後に胸が張らないだけでは、妊娠の可能性はわかりません


体外受精後は、妊娠していて欲しいという気持ちが強くなります。
そのため体調の変化などにも敏感になりがちです。
体外受精後、しばらくすると胸が張ってくる、逆に月経前は胸が張っていたのに胸が張らないといった症状を感じる人もいるでしょう。

胸の張り方だけでも、妊娠の可能性が気になってしまいますが、正直胸の張りだけでは、妊娠の有無を判断することはできないとされています。

妊娠により乳腺が発達し胸の張りを感じる場合があります

体外受精後に、発育した胚を女性の子宮内に戻します。
すると数日後に胚の表面の絨毛という組織が根を張って子宮内膜に潜り込んでいきます。

さらに子宮の奥の子宮体部まで進んで深く潜り、母体の血管から胎児に必要な酸素や栄養素を受けとることができるようになって、子宮に根付くと無事着床となります。
受精卵が着床する、すなわち妊娠が成立すると体が素早く反応して次の生理を止めるために絨毛から絨毛性性腺刺激ホルモンが分泌されます。

このホルモンが分泌されると、卵巣が刺激を受けて胎児が育つように、エストロゲンやプロゲステロンといった2つの女性ホルモンの分泌を促し、胎児が育ちやすい環境を整えていきます。
血液量が増えて子宮内膜がどんどん分厚くなり、胎児に母乳を与える産後に備えて乳腺が発達してきます。

すると乳腺や脂肪組織が肥大するので胸が張ってくるなどの症状が現れる場合があります。
もちろん乳腺の発達程度は個人差があり、妊娠超初期の段階では乳腺が肥大化しても胸の張りを感じにくいというケースもあるので一概には言えません。

生理前症状と妊娠超初期症状には似ているので判断は難しいとされています


一般的に妊娠超初期症状と生理前症状は、いろいろな症状が似ているので判断がしづらいと言われています。
しかも双方とも症状が現れる時期がほぼ同じタイミングなので、なおさら見分けるのが困難だとされています。

妊娠超初期症状は、受精卵が着床してから時点が妊娠0週とカウントして、大体妊娠0週から4週目位に感じ始めるケースがあります。
妊娠超初期症状が出始める時期は、ちょうど生理予定日近くになるので、生理前症状も出始めるというわけです。

2つの症状に共通しているのは、胸が張る・下腹部痛・腰痛・倦怠感・熱っぽい・不正出血・下痢・便秘・肌荒れ・頭痛・イライラする・味覚や嗅覚が鋭くなるといった症状です。
また生理前症状が強く出る体質だと妊娠していた場合、妊娠超初期症状が出てもたとえば胸が張らないなど、症状が軽く出る場合もあります。

いずれにしても、2つの症状の出方や感じ方には個人差があり、強く出る人もいれば、全く症状を感じない人もいるので、どの症状が出たからといって、妊娠している可能性というのは一概には言えないのが実情です。

おりものや基礎体温などからもわかることはありますが確実性はありません

妊娠超初期症状と生理前症状はよく症状が似ているので、比べてみても判断は難しいものです。
しかし体外受精後に妊娠が認められるか否かは、おりものの変化に注目してみるとよいでしょう。

おりものは膣からの雑菌の侵入を防ぐ役割があるので、妊娠するといつもとは異なる状態になります。
白く濁ったり、クリーム色になったりする、着床出血により茶色くなるといった変化が見られることがあります。

生理前はおりものの量が減っていきますが、妊娠すると逆に増えてきます。
もちろんおりものの変化にも個人差があるので当てはまらない人もいますが、他の症状よりは多少わかりやすいと言えるでしょう。
また生理周期に応じて上下する基礎体温を測るのも、2つの症状を見分ける方法のひとつです。

というのも妊娠すると高温期が3週間ほど続くことになるので、自分の基礎体温の低温期、高温期のタイミングを把握しておけば、妊娠の可能性を探ることもできるからです。
ただいずれの方法も確実性はないため、過信すると期待が裏切られる結果となる場合もあります。

自己判断で一喜一憂しないためにも、医師の診察を受けるまで妊娠の有無を考えすぎないようにしましょう。

(まとめ)体外受精後に胸が張らない場合の妊娠の可能性は?

1.体外受精後に胸が張らないだけでは、妊娠の可能性はわかりません

体外受精後は、妊娠したいという気持ちが募って体の変化に敏感になります。

胸の張りもその一つですが、月経前症状にも妊娠の症状としても現われるので区別がつきづらいのが実情です。

2.妊娠により乳腺が発達し胸の張りを感じる場合があります

体外受精後に受精卵が着床して妊娠が成立すると、体が直ちに反応して、女性ホルモンの分泌量が増えます。

すると母体は胎児を育てるための準備が始まり、その一つとして乳腺が発達するので、胸の張りを感じることがあるのです。

3.生理前症状と妊娠超初期症状には似ているので判断は難しいとされています

妊娠超初期症状は生理前症状と似ており、胸の張りに関してもどちらにも現れる可能性があります。

更に2つの症状が現れる時期もほぼ同じであり、人によって症状の出方に違いもあるので、妊娠の可能性を判断するのはとても難しいのです。

4.おりものや基礎体温などからもわかることはありますが確実性はありません

妊娠超初期症状と生理前症状を区別するには、おりものの量や色の違いや基礎体温の変化などを見るのがよいとされています。

しかし確証はないのでやはり医師の診察を受けるまでは、過信しないように気を付けて下さい。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

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院長 小松保則医師