体外受精で着床した後にめまいなどが出ることがあります


体外受精の後に胚移植した後、めまいやだるさ、頭痛などの症状を覚える人もいるようです。
このような症状は着床後に現れることが多く、体外受精による着床が成功したサインとも言える場合があるでしょう。

着床後に出る症状は生理前と似ていることが多く見過ごされることもありますが、自分の体の変化に注意を払い、主治医との連携の上で適切に過ごすようにしましょう。

着床後にはさまざまな症状が起こることに注意が必要です

胚移植を行ってめでたく着床に至ったとき、女性の体には実にさまざまな変化が起きます。

その主な症状を下記に挙げていきましょう。

  • めまい
  • だるさ
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 熱っぽい
  • 下腹部にチクチクした痛み
  • 胸が張る
  • 着床出血
  • 眠気
  • 腰痛

これらの症状を見ると、前述のように生理前に出現するものとよく似ていることがわかります。
とくに着床出血や下腹部の痛みなどは生理と間違えやすい症状です。

妊娠したら薬の使用などに制限が必要であるため、体外受精などの不妊治療を受けている人はもちろんのこと、パートナーがいる人は注意しておくべきでしょう。
では体外受精を行って胚移植した後、着床までにはどれくらいの期間がかかるのでしょうか。

一般的に胚移植から着床までにかかる期間は、およそ3~5日といわれていますが、移植する胚の状態によっても異なります。
胚移植から着床までにかかる期間を覚えておけば、その期間に体に異変が起きたときに着床のサインだと気づくことができるでしょう。
ただし着床後から妊娠判定までには時間がかかりますから、主治医の診察を受けて指示に従うことが大切だと言えます。

その他の原因についても注意が必要です


ただし体外受精による胚移植後のめまいなどは、不妊治療の一環で投与された薬の副作用として出ることがあります。
たとえば排卵を妨げたり質の悪い卵胞ができてしまったりする高プロラクチン血症がある場合、プロラクチンの分泌を抑えるためにブロモクリプチンを投与します。

この薬剤の副作用により、めまいや吐き気が起こることがあります。
高プロラクチン血症の治療を行っている場合は、これらの副作用が出ないように最初はブロモクリプチンの服用を最小限に抑えながら様子を見るのが一般的です。

そして妊娠してからしばらくもめまいなどの症状には注意が必要です。
妊娠初期には、赤ちゃんに大量の血液が送られることにより、貧血になりがちです。

赤ちゃんに血液を送るために妊婦自身の血液量も増えますが、血しょうが増える割合に対して赤血球が増える割合は少ないです。
そのためある程度の血液量があっても貧血になってしまうのです。

このような妊娠初期の貧血の場合、主治医から鉄剤の処方を受けて治療にあたることになります。
その他では妊娠による高血圧や自律神経失調症などもめまいの原因として考えられますから、主治医の診察を受けてみてください。

めまいなどが起きたら市販薬は控え鉄分を摂りましょう

もし体外受精後にめまいなどの症状が起きた場合には、以下のような対処を取るようにしましょう。

市販薬の服用を控える

前述のように、着床後に出るめまいなどの症状は生理前と似ている場合があります。
そこで生理と間違えて痛み止めをはじめとした市販薬を飲んでしまうと、妊娠が上手くいかない、胎児に影響を与えるといった事態も考えられるのです。
服用したい薬があるときは、必ず主治医に相談するようにしましょう。

鉄分を含んだ食事を心がける

妊娠初期の貧血の場合は、食事で鉄分を積極的に摂るようにしましょう。
鉄分には動物由来の食品に含まれるヘム鉄と、植物由来の食品に多い非ヘム鉄があります。

これらをそれぞれバランスよく摂ることでめまいを防ぐことに繋がるでしょう。
また鉄分の吸収を助けるビタミンCを多く摂り、鉄分の吸収を妨げるコーヒーや紅茶は控えるようにするとさらによいでしょう。

サプリメントを活用する

また鉄分を補給するならサプリメントが手軽です。
ただし鉄分は摂りすぎると消化器官に影響を与える可能性がありますから、サプリメントを服用するときはパッケージに記載されている用量・用法をしっかりと守って摂取しましょう。

(まとめ)体外受精後にめまいが起こることがあるのはなぜ?

1.体外受精で着床した後にめまいなどが出ることがあります

体外受精をして細胞分裂後の受精卵を移植した後、めまいなどの症状が現れるときは、着床が成功したサインかもしれません。

着床後に現れる症状は生理前ともよく似ているため、見過ごさないようにしましょう。

2.着床後にはさまざまな症状が起こることに注意が必要です

胚移植後に着床に成功すると、めまいやだるさ、吐き気などさまざまな症状が現れます。

着床出血や下腹部の痛みなど、生理に間違えやすい症状もあるのです。
一般的に胚移植から着床は3~5日程度となり、そこから妊娠判定を受けるにも時間がかかります。

3.その他の原因についても注意が必要です

胚移植を受けた後のめまいは、着床後の症状以外でも起きることがあります。

高プロラクチン血症に用いる薬剤の副作用や、妊娠初期に起こる貧血の場合もありますから注意が必要でしょう。
その他、高血圧や自律神経失調症なども考えられます。

4.めまいなどが起きたら市販薬は控え鉄分を摂りましょう

もし体外受精後にめまいなどの症状が起きた場合、生理前の症状と間違えて市販薬を飲まないようにすることが大切です。

また妊娠初期の貧血の場合、鉄分を多く含む食品を食べたりサプリメントで鉄分を補給したりすることも有効的です。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師