パイナップルが体外受精によいということには医学的な根拠はありません


不妊治療を受けている方のなかでパイナップルが着床を促すという噂を聞いたことがある方もいるでしょう。

これはパイナップルに含まれる酵素の抗炎症作用が良いという理由なのですが、実際には医学的根拠は確認されていません。
しかし食べ物によって着床しやすい環境を作ることは可能です。
体を温める働きがある食べ物を取ることで代謝が上がり、血流が改善していきます。

血流が改善することで子宮内膜の環境が向上するといわれています。
体外受精の治療をしている方は、生活習慣にも注意することが大切です。

パイナップルがよいといわれている理由には酵素が関係しています

体外受精の治療に取り組んでいる方のなかには、着床時期にパイナップルを食べるとよいと聞いたことがあるかもしれません。
そのほか、低温気には豆乳、高温期にはグレープフルーツということも同様に定番のようです。

これらは個人が運営しているブログの影響により、広まったと考えられるのですが、パイナップルもグレープフルーツにも着床しやすくなるという医学的根拠は報告されていません。
この噂では缶詰のパイナップルではなく、生のパイナップルが推奨されています。

これはブロメリンという酵素が関係しているためと考えられます。
ブロメリンは熱に弱く缶詰には含まれていません。
そのため、生のパイナップルがよいというわけです。
このブロメリンは消化酵素のひとつであり、消化吸収を高める効果があります。

また炎症の腫れや痛みを抑える働きもあるといわれています。
この抗炎症作用が着床促進効果を向上させる、というのがパイナップルが良いといわれている理由でしょう。

しかし子宮内膜の着床環境に影響を与える力は定かではありません。
臨床試験も行われていないことから、パイナップルが良いとはいえないのです。

着床しない原因は人によって異なります


上記で紹介したパイナップルが良いといわれている理由は、酵素の抗炎症作用が影響すると考えられたためです。
しかし着床しない原因は人によって異なります。

たとえば性交渉のタイミングによって精子と卵子の受精が出会えていないことがあります。
排卵のタイミングを配慮しているのに着床しない場合は、卵子や子宮内膜に原因があるかもしれないのです。

卵子の質が悪いと受精卵の細胞分裂が十分に行われずに胚盤胞へと成長できないこともあります。
これらは着床障害といわれるものであり、女性ホルモンの分泌などが影響して、着床しにくい状態になっています。
その人によって原因は異なるため、一度婦人科などで検査を受けることからはじめましょう。

また生活習慣が影響している場合もあります。
喫煙や過度な飲酒、ストレスは控えることがよいといわれる生活習慣です。
喫煙と過度な飲酒は血流を悪化させることがあり、妊娠しにくくなる原因になります。
ストレスも同様に血流に影響を与えるため、ためないようにしましょう。

着床しやすくなる食べ物や運動方法があります

これを食べれば着床しやくなるという食べ物はないですが、体の代謝を上げることによって妊娠を目指すことが可能です。
代謝を上げるとともに、十分な栄養を摂ることで子宮内膜の状態を整えていきましょう。

体を温めてくれる食べ物を取ることで、代謝を上げることが可能です。
ショウガや長ネギ、ニンジンなどの根菜類は体を温める効果が期待できます。

また青魚に含まれるDHAやEPAには血流を改善する働きがあり、代謝向上にもつながります。
これらの食材を意識して、着床しやすい環境を作っていきましょう。

また血流を改善するという意味では運動も効果的です。
血の巡りが良く、血流量が多い子宮内膜は着床しやすくなります。
下半身の血流改善を促すウォーキングやヨガなどの有酸素運動がおすすめです。

しかし過度な運動は禁物です。
着床時期にムリをして体が疲れてしまうことが着床の妨げになるといわれています。
日頃から意識的に体を動かすだけでも代謝は変わってくるため、できることからはじめていきましょう。

同様に体の冷えも気をつけたいポイントです。
代謝の低下の原因であり、血流にも悪影響を与えてしまいます。
夏でも体の冷えは起こるため、服装には注意が必要です。

(まとめ)体外受精の治療中はパイナップルを食べたほうが良い?

1.パイナップルが体外受精によいということには医学的な根拠はありません

パイナップルの酵素には抗炎症作用がありますが、着床を促す働きは確認されていません。

しかし食事に気をつけることで着床しやすい環境を整えることはできるため、注意していくことが大切です。

2.パイナップルがよいといわれている理由には酵素が関係しています

パイナップルに含まれる酵素には抗炎症作用があるといわれています。

この酵素が着床を促進させるというのがよいといわれている理由ですが、医学的根拠や臨床試験のデータはありません。

3.着床しない原因は人によって異なります

性交渉のタイミングや卵子の質など着床しない原因はさまざまです。

飲酒やストレスといった生活習慣が影響している場合もあるため、治療の前には原因を明らかにすることからはじめましょう。

4.着床しやすくなる食べ物や運動方法があります

根菜類には体を温める働きがり、代謝の向上や血流改善が期待できます。

血流改善することで子宮内膜の血流量が増加すると着床しやすくなるため、運動や食生活を見直すことも大切です。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

詳しくはこちら

経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032 東京都港区六本木7-15-17 ユニ六本木ビル3F
お問い合わせ 0120-853-999
院長 小松保則医師