体外受精時の血液検査では妊娠できる状態かどうかをホルモン値で調べます


体外受精の血液検査ではホルモン値をはかり、妊娠できるかどうかを調べることができます。
さらにHCG値を調べると妊娠しているかどうか尿検査によりも正確に判定することができます。

AMH検査では卵巣に残っている卵の数を推測できるなど、血液検査では不妊治療を続けていくうえで必要な様々な情報を手に入れることができます。

体外受精の血液検査ではホルモンから不妊理由を調べます

体外受精で驚くのは注射と検査の多さでしょう。
毎日注射に通い、血液検査をしている人もたくさんいます。

血液検査で調べているのはホルモンの量です。
卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体ホルモン(LH)・プロラクチン・エストロゲン(E2)・プロゲステロン(P4)・β-hCGなどが検査によって調べられます。

これらのホルモンは月経や排卵のタイミングによっても基準値が変わります。
それぞれのホルモンの役割を簡単に説明すると、卵胞刺激ホルモン(FSH)は卵胞を育てるためのホルモン、黄体ホルモン(LH)は成熟した卵子を排出するためのホルモンです。

さらにプロラクチンは乳汁の分泌と排卵の抑制を司り、エストロゲン(E2)は子宮内膜を厚くします。
プロゲステロン(P4)は子宮内着床を準備するという風に女性の身体は様々なホルモンが関連しあって妊娠します。

このホルモン値を見ることで排卵しない理由や着床できる状態かどうかを探ることができるのです。
妊娠するためには良い卵と胚を育てるための子宮が必要です。

妊娠を継続するために欠かせない性ホルモンの分泌が基準に達していなければ、体外受精は成功しないのです。
血液検査で分かる情報から不妊の理由を探るのも妊娠するために必要なステップと言えます。

体外受精の術前検査では様々な観点で不妊を調べます


体外受精を始める前に、多くの病院では術前検査をおこないます。
血液検査で調べるのは、貧血や出血傾向・感染症(B型肝炎抗原、C型肝炎抗原)・肝機能などです。

体外受精でおこなわれる採卵は、麻酔も使用する大きな手術です。
たとえば重症の貧血や出血があれば、卵子を採取する際に危険が伴います。

また感染症があれば妊娠自体に支障があるかもしれません。
体外受精をおこなう前には、血液検査だけでなく心電図検査やレントゲン検査も行われます。

心電図検査やレントゲン検査はいつでも行うことができますが、血液検査は生理周期に合わせておこないます。
たとえば卵巣の状況を調べるためには生理3日目ごろに卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体ホルモン(LH)をはかります。

卵子の成熟度を調べるには排卵期にエストロゲン(E2)を調べ、黄体機能を調べるためには高温期にプロゲステロン(P4)を検査するのです。
検査のスケジュールが合わず、検査を面倒に感じることもあるかもしれません。
しかし検査のスケジュールが組み方にはそれぞれ理由があるということを理解しましょう。

AMH検査では卵巣内にどれくらいの卵の数が残っているかを調べます

近年注目を集めているアンチミューラー管ホルモン(AMH)検査は、卵巣内に残っている卵の数を調べる血液検査です。
年を重ねるとともに、卵子も老化します。

卵子がどのくらい残っているのかという不安は不妊治療をしている人だけでなく、多くの女性が持っている不安でしょう。
アンチミューラー管ホルモン(AMH)検査は残っている卵子の数の指標を調べることができます。

アンチミューラー管ホルモンは発育過程の卵胞から分泌されるホルモンです。
よってアンチミューラー管ホルモンが少なくなっていると卵子も少なくなっていると考えられます。

自分が妊娠できる期間の目安ともなる検査なので、自費にはなりますが、アンチミューラー管ホルモン(AMH)検査を希望する人も増加しています。
ただしアンチミューラー管ホルモン(AMH)検査で分かるのは卵の数であって、質ではありません。

アンチミューラー管ホルモン(AMH)の値が低くても、妊娠に至るケースは少なくありません。
検査結果を受け止めつつ、気にしすぎないことも大切です。

(まとめ)体外受精でおこなう血液検査では何を調べるの??

1.体外受精時の血液検査では妊娠できる状態かどうかをホルモン値で調べます

体外受精の血液検査では様々なことがわかります。

妊娠できる体の状態か、卵巣に残っている卵の数・妊娠しているかどうかなど不妊治療に必要な情報の多くが血液検査でわかります。

2.体外受精の血液検査ではホルモンから不妊理由を調べます

体外受精時におこなわれる血液検査では、主に女性のホルモン値を調べています。

女性の身体は様々なホルモンが関連しあうことで排卵や妊娠、月経をコントロールしています。
これらのバランスをみることで不妊理由を探り、妊娠できる体にすることが目標です。

3.体外受精の術前検査では様々な観点で不妊を調べます

体外受精の検査は血液検査や心電図、レントゲン検査などが行われます。

ホルモン値をはかる検査は生理日に合わせて検査をする必要があるため面倒に感じるかもしれません。
検査は不妊の原因を明らかにしてするために大切なステップだと理解しましょう。

4.AMH検査では卵巣内にどれくらいの卵の数が残っているかを調べます

アンチミューラー管ホルモン(AMH)検査は身体に残っている卵の数を調べる検査です。

いつまで妊娠できるかを知る指標として検査を希望している人が増えています。
ただしわかるのは卵の数であって、質ではないため注意しましょう。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師