卵子の質が高いと体外受精の成功率も上がるとされています


質のよい卵子というのは、十分に成熟して受精後もキレイに細胞分裂を続けて成長し、着床して胎児になる卵子のことを言います。
体外受精の成功は、卵子の質にかかっているといっても過言ではないくらいです。

ただ卵子は加齢と共に老化し、遺伝子異常を起こしたり成熟しなかったりするなど質が低下する傾向にあります。
体外受精を成功に導くためには、卵子の質を向上させることが必要不可欠です。

そのためには、ストレスを溜めない・睡眠を十分にとる・抗酸化作用のある食品を食事の取り入れることなどが効果的だとされています。

加齢による卵子の質の低下は、体外受精の成功を阻む要素になると言われています

卵子の質というのは、大きさや成熟度合など卵子そのものが持つ性質のことであり、人によって違いがあります。
若い頃は元気で成熟度合も良好であったのに、年齢を重ねるごとに体と同様に卵子の機能も衰えていきます。

排卵までに卵胞が育たない、排卵しにくい卵子ができるなど、どんどん質が低下してしまうと言われています。
また卵子の老化により、染色体異常も起こりやすいとされています。

もともと卵子や精子の細胞は、それぞれ23本の染色体をもっており、受精によって受精卵の細胞は正常な46本の染色体を保有することになります。

そのため通常、卵母細胞は2回の細胞分裂を経て23本の染色体を持つのですが、加齢に伴い卵子の質が低下すると細胞分裂が正しく行われず、染色体の数が24本となってしまうのです。

そのまま精子と受精することで、受精卵の染色体異常が起こるとされています。
そうなると体外受精を行っても、受精卵が育たない・着床しない・着床しても妊娠が継続しにくいといった状態を招くリスクも高まるというわけです。

卵子の質を高めて体外受精を成功に導くには、生活習慣や食生活の改善が必要です


加齢に伴う卵子の質の低下に関しては、加齢だけでなく生活習慣や食事なども関係していると考えられています。
つまり卵子の質の低下を食い止めるためには、妊娠しやすい体作りを意識した生活を送ることが大切だと言えるでしょう。

まず体が冷えたり喫煙により有害物質が体内に入りこんだりすると、血流が悪くなります。
そして卵巣に十分な栄養分が行き届かなくなるので、卵子の発育にも悪影響を及ぼします。

さらに睡眠不足やストレスは卵胞の成熟を促すホルモンのバランスを乱す原因にもなります。
そのためとくに子宮や卵巣周りの下半身を冷やさないように、お風呂にゆっくり浸かり、体を冷やさない服装や禁煙も大事です。
またしっかり眠ってストレス発散を適度の行い、ホルモンバランスを整える生活にも心がけましょう。

さらに、卵子の老化予防には抗酸化作用のあるビタミンA・E・C、カロテンやカテキン、コエンザイムQ10などの栄養素を含む食材を食事に取り込むことも効果的だとされています。
また必要な栄養素が効率よく摂取できるサプリメントの活用もおすすめです。

卵子の質が気になる場合は、不妊検査を受けることをおすすめします

体外受精を希望する上で卵子の質の低下を気にして、AMH検査を希望するケースが増えています。
AMH(アンチミューラリアン)検査というのは、卵巣から分泌されている抗ミュラー管ホルモンの値を測定する検査です。

このホルモンの分泌量により、卵巣内にどの位の数の卵子が残されているか、あとどの位排卵し続けることができるかがある程度分かるとされています。
AMH検査は卵巣年齢検査とも呼ばれていますが、実際には卵子の数のみが把握できるだけであって、卵子の質までは分からないとされています。

卵子の数が多くても、質が低ければやはり体外受精の成功率は上がらないので、卵子の質が重要となります。
AMH検査はあくまでも卵巣予備能を知るための手段です。

卵子の質に関しては不妊治療専門のクリニックに相談して、不妊検査を受けることをおすすめします。
卵子の質の低下は加齢が大きな要因とされているので、できるだけ早く治療を検討していくことも大事だと言えます。

(まとめ)体外受精の成功に卵子の質がどう関係するの?

1.卵子の質が高いと体外受精の成功率も上がるとされています

卵子の質というのは、体外受精を行う上で成功を左右するほどとても重要な要素だとされています。

卵子の質を高め、体外受精を成功させるためには生活習慣や食事の見直しが大事です。

2.加齢による卵子の質の低下は、体外受精の成功を阻む要素になると言われています

加齢などにより卵子が老化すると、機能が衰えて遺伝子異常などが起こる場合もあります。

また排卵までに卵子が成熟しない、胚移植しても着床しないなど妊娠しづらくなってしまう可能性があります。

3.卵子の質を高めて体外受精を成功に導くには、生活習慣や食生活の改善が必要です

卵子の質を高めるには、体を温めて血流を促すことや、十分に睡眠をとってストレスを溜めないようにしてホルモンバランスを整えることが大事です。

さらに、ビタミンなど卵子の老化を防ぐ栄養素を含んだ食品の摂取も効果的だとされています。

4.卵子の質が気になる場合は、不妊検査を受けることをおすすめします

AMH検査は、卵巣内の卵子の数を把握するのに効果的な検査だとされています。

卵子の質を調べるには不十分なので、気になる場合はクリニックで不妊検査を行うのがよいとされています。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
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院長 小松保則医師