体外受精でも不妊要因や妊娠経過によっては、帝王切開となるケースが多いとされています


体外受精などの高度生殖医療を行い、妊娠に至ったとしても、子宮や卵管などのトラブルが不妊要因であったり、妊娠経過において自然分娩が難しいと判断されたりした場合には、帝王切開での出産となります。

もちろん体外受精により妊娠し、自然分娩で出産された方もたくさんいるため、帝王切開に必ずなるというわけではありません。
しかし帝王切開となるケースは多い傾向にあるとされています。

体外受精での妊娠が、ハイリスク妊娠に該当する場合は帝王切開が多いとされています

日本産婦人科学会の定義では、母体もしくは胎児のいずれか、もしくは両方に重大な予後が予想されるケースはハイリスク妊娠と呼ばれています。
妊娠経過において異常が見られ、自然分娩での安全な出産が難しいと判断された場合は、帝王切開での出産が行われるとされています。

ハイリスク妊娠は、体外受精をした妊婦さんの年齢が35歳以上・身長が150㎝未満・肥満傾向にあるなどの年齢・身長体重の条件がまず挙げられます。

さらに高血圧や糖尿病・心臓疾患・甲状腺疾患・気管支ぜんそくや血液疾患などの既往歴・子宮筋腫や帝王切開などの子宮手術歴・妊娠高血圧症候群や反復流産・早産といった婦人科系の既往歴や過去の妊娠トラブルがある場合などが当てはまります。

また妊娠中の経過段階において前期破水などを起こしやすい羊水過多や、胎児発育不全の可能性がある羊水過少、妊娠高血圧症候群などの疾患を発症しやすい多胎妊娠などのケースでは、母体の安全を最優先させるために、帝王切開が選ばれる可能性が高いと言われています。

体外受精などの治療を受けるに至った不妊原因が、異常妊娠を引き起こす可能性が高いとされる研究データがあります


体外受精などの不妊治療を受けての妊娠は、異常妊娠などのリスクが高くなる可能性があることが、日本医科大学等の研究チームによる日本産婦人科学会のデータ分析により分かっています。

研究によると、2001年から2005年までの日本産婦人科学会登録の単胎妊娠の妊婦データを、体外受精などの不妊治療による妊娠と、自然妊娠に分けて比較しています。

その結果として前置胎盤は体外受精で2.1倍、34週未満の早産は1.3倍、1000g未満の低出生体重は1.4倍であったと判明しています。
データだけをみると、自然妊娠に比べると体外受精による妊娠は、異常妊娠、出産となる可能性や、妊娠や出産時のリスクも高くなることが分かります。

こうしたリスクを抱えた上で、安全に出産を行うためには帝王切開が選ばれやすいということは、この研究結果からも理解できます。

ただしこの研究結果では、体外受精を行ったから帝王切開が必要となる異常妊娠、出産を引き起こすというわけではなく、そもそも体外受精が必要となった不妊要因により引き起こされると考えられるとも示されています。

帝王切開も立派な出産となり、母子の命を守るなどのメリットもあります

帝王切開というと、痛いとか怖いなどネガティブなイメージを持たれがちです。
たしかに子宮を切開するので痛みがある、傷跡が残る、入院日数が長いといったデメリットな部分も否めません。

さらに帝王切開を選ぶことで、人から心無い言葉をかけられた人もいるでしょう。
しかし自然分娩の場合は赤ちゃんが産道を通って出てくるまでに、へその緒が首に絡みついたり、胎盤が先に剥がれてしまったりなどの様々なリスクが伴うケースがあります。

帝王切開だと、直接赤ちゃんをお腹から取り出せるのでこういったリスクを回避し、母体の負担も軽くなる場合が多く、何より安全性が高いというメリットがあります。
また陣痛に何時間も苦しむことなく、2時間程度で出産を終えることができるという点や、予定帝王切開なら予定日に出産できるので前もって準備しやすいといった部分もあります。

先述したように、体外受精を行うと帝王切開となる可能性が高まりますが、帝王切開も立派な出産方法であることを忘れないようにしましょう。

(まとめ)体外受精だと出産は帝王切開になるの?

1.体外受精でも不妊要因や妊娠経過によっては、帝王切開となるケースが多いとされています

子宮や卵巣の病気やトラブルが不妊の原因であるときや、体外受精後の妊娠経過により、出産が帝王切開になる場合もあります。

ただ体外受精でも自然分娩での出産というケースもあるので一概には言えません。

2.体外受精での妊娠が、ハイリスク妊娠に該当する場合は帝王切開が多いとされています

妊婦さんの年齢や身長、婦人科系既往歴などがハイリスク妊娠に該当すれば、体外受精であっても帝王切開での出産となるケースは多いとされています。

さらに妊娠中の羊水過多、過少などのトラブルを抱えているケースでも帝王切開となる可能性があります。

3.体外受精などの治療を受けるに至った不妊原因が、異常妊娠を引き起こす可能性が高いとされる研究データがあります

体外受精での妊娠は、自然妊娠に比べると帝王切開が必要となる異常妊娠、出産の可能性が高くなることがデータ分析によって判明しています。

ただそれらの原因は不妊治療ではなく、子宮や卵巣トラブルなどの不妊要因が関係していることも示唆されています。

4.帝王切開も立派な出産となり、母子の命を守るなどのメリットもあります

帝王切開は、ネガティブなイメージが抱かれがちですが、母体と胎児を守り、安全に出産を行うための出産法と言えます。

さらに予定帝王切開なら出産に備えた準備ができるなどのメリットもあります。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

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運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師