体外受精の治療に用いられる注射は、1回数百円~数千円の費用がかかります


体外受精では使われることがあるホルモン注射は、種類によってかかる費用が異なります。
1回数百円程度の注射もあれば、数千円かかる場合もあり価格には差が生じます。

ホルモン注射は、体外受精などの高度生殖医療になると保険適用外とするクリニックがほとんどです。
さらに数回にわたり複数の種類の注射を併用する場合もあり、費用が数万円に及ぶこともあります。

体外受精治療での排卵誘発剤の注射は、保険適用外なので費用も高くなります

卵胞の発育や排卵を促すため、体外受精の治療の一環で排卵誘発剤の注射が行われる場合があります。
排卵誘発剤の種類によって、注射の費用は異なります。

卵胞を成熟させる卵胞刺激ホルモン(FSH)や、子宮内膜をふかふかにして着床をしやすい環境を整える黄体形成ホルモン(LH)を含んだhMG注射の場合、1回につき1500円前後から3000円前後が一般的な価格だとされています。

さらに卵胞刺激ホルモンのみを含んだFHS注射の場合は、1回あたり2000円前後から6000円前後が一般的な費用だとされています。
またヒト絨毛性性腺刺激ホルモンであるhCGを含む注射は、成熟した卵胞を排卵させるために使われます。

hCG注射は1回あたり、500円前後から1000円前後とされています。
人工授精などの一般不妊治療の場合、排卵誘発剤の注射は基本的には保険適用となります。

しかし高度生殖医療となり体外受精だと、排卵誘発剤の注射は保険適用外となる場合がほとんどです。
それでも1回では済まず、回数をこなしたり数種類を併用したりすると、注射だけでも平均して1万円以上、数万円程度の出費となってしまいます。

自己注射の場合は、別途指導料などもかかります


排卵誘発剤は、場合によっては数日間注射を打ち続けなければならないので、毎日クリニックに通うことになります。
ただ通院が大変な場合は自宅で自己注射を行うこともできます。

この自己注射を選択した場合は、薬剤代の他にも別途注射の費用がかかります。
まずクリニックで看護師さんに注射のやり方を教わるので注射指導料が必要となります。

1回1000円前後となっている場合や、初回のみは3000円前後、2回目以降が1000円前後としているクリニックもあります。
さらに注射器は予め薬剤が中にセットされていて針も比較的細いペン型注射器と、クリニックで使われているのと同じシリンジタイプがあります。

ペン型注射器は1回分が3000円~3500円前後、シリンジタイプだと注射器、針のセットを1500円~2000円前後となっており、ペン型の方がやや高めとなっています。

他にも消毒用のコットンや持ち帰り用に容器代などが数百円かかるとされています。
自己注射の場合は、通院の面倒はないですが、費用的には通院するよりはやや高めの設定となっています。

排卵誘発剤でも内服薬だと安価な場合が多いとされています

排卵誘発剤は注射で行う場合も多いですが、その前に内服薬が処方されるケースもあります。

排卵誘発剤の内服薬には、卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンの分泌を促すクロミッドやセキソビッド、妊娠を抑制するプロラクチンの分泌を抑えるテルグリドなどが主流です。

これらの内服薬の費用は、1回あたり数百円で1000円もかからない薬剤がほとんどです。
それでも続けて飲むとなると、数回の処方が必要となるので場合によっては3000円前後かかることもあります。

しかし注射に比べると費用はかなり安いとされています。
ほとんどのクリニックでは、まず内服薬を服用してホルモン分泌の様子を見ながら、効果が見られない場合にホルモン剤の注射へ移行するもしくは内服薬と併用するといったケースが多いようです。

体外受精を行う際に、クリニックの料金表などを確認する人もいるでしょうが、ホルモン注射代や内服薬にかかる費用は別途請求となっているところもあるので注意しましょう。

(まとめ)体外受精の注射の費用はいくら位かかる?

1.体外受精の治療に用いられる注射は、1回数百円~数千円の費用がかかります

体外受精で用いられるホルモン注射は、薬剤によって費用が異なります。

保険適用外となるクリニックがほとんどで、1回数百円から数千円かかる場合もあるのです。
数種類の注射を併用して数回打つため、総額では数万円かかる場合もあります。

2.体外受精治療での排卵誘発剤の注射は、保険適用外なので費用も高くなります

体外受精などの高度生殖医療におけるホルモン注射は、保険適用外となる場合が多いため、費用が高くなるケースが多いとされています。

また1回では済まず数回に渡り、複数の注射を行う場合はさらに費用がかさみます。

3.自己注射の場合は、別途指導料などもかかります

頻繁な通院が難しく、自宅で自分で行う自己注射の場合は、事前に受ける注射指導料の他、器具代などが必要となります。

通院するよりも、自己注射の方が費用が多めにかかるとされています。

4.排卵誘発剤でも内服薬だと安価な場合が多いとされています

排卵誘発剤は、ホルモン注射で行われる前段階として内服薬が処方されることもあります。

内服薬の方が数百円からで、数回処方されても数千円で済み、ホルモン注射に比べるとリーズナブルな価格設定になっています。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
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院長 小松保則医師