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体外受精の採卵前には、排卵を抑制する目的や誘発する目的で注射します
体外受精の治療では、卵胞を育てる目的で注射を行うケースや、排卵を促す目的で注射を行うケースがあります。
どの注射もホルモン剤ですが、投与するホルモン剤の種類が異なります。
注射の中にはクリニックに通院しなくても自宅で自分で注射できるものもあります。
それぞれ十分な効果を発揮させるためにも、医師の指示通りに注射するようにしましょう。
体外受精の採卵前に打つ注射の種類は3種類です
体外受精の採卵前に行う注射は3種類あり、それぞれ目的や注射する期間などが異なります。
卵胞を育てる目的で使うものには、hMG注射とFSH注射の2種類があります。
育った卵胞を排卵する目的で使うものは、hCG注射があります。
3つともホルモン剤ですが、含まれている内容が異なるため、現れる効果にも違いがでます。
ホルモン剤を使った治療は、体外受精の時だけでなく、不妊治療や不育症の治療では比較的スタンダードなものですが、経口ホルモン剤よりも注射で投与する方が高い効果を期待することができるとされています。
そのため、経口剤を使った治療を行なっても十分な効果が見られなかった場合に、注射に切り替えるということもあります。
服用の際に経口剤の場合は痛み等を感じることはありませんが、注射の場合はやはり痛みを感じる方もいます。
3種類の注射の中でも、hCG注射は筋肉注射であるため、他の2種類に比べて痛みが強めです。
経口剤の場合でも注射の場合でも、ホルモン剤を服用した際には副作用が見られることがあります。
副作用による体調の変化が強く現れてつらい場合は、医師に相談してみましょう。
hMG注射とFSH注射は卵胞を育てる目的で使います
hMG注射とFSH注射はどちらも卵胞を育てる目的で使う注射薬です。
hMG注射とFSH注射が大きく異なる点は、含まれているホルモンの内容と、注射の打ち方です。
hMG注射に使用するのは、hMG製剤と呼ばれる卵胞刺激ホルモンと黄体ホルモンの混合薬です。
投薬期間中は、クリニックや病院へ毎日注射のために通うのが一般的です。
費用はFSH注射よりも抑えめであるのが一般的です。
FSH注射に使用するのはFSH製剤で、卵胞刺激ホルモンだけを遺伝子組み換え技術で抽出したもので、黄体ホルモンを含まないのが特徴です。
FSH注射は自己注射が認められており、仕事などで毎日クリニックや病院へ通えない方は家で注射することができます。
皮下注射なのでお腹やふとももなど脂肪の多い部分に注射し、痛みが少ないという特徴もあります。
自己注射はしたことがないという方が大半で不安がある方も多いものです。
注射をスタートする前にはきちんとレクチャーを受けるため、はじめてでも安心して注射することができます。
hCG注射は排卵を促す目的で使います
名前のよく似ているhMG注射とhCG注射ですが、効果は全く異なるため、混同しないようにしましょう。
hMG注射は卵胞を育てるために使うものですが、hCG注射は育てて大きくなった卵胞を排卵させるために使う注射です。
hCG注射で投与するのはhCG製剤と呼ばれるもので、成分はヒト絨毛性性腺刺激ホルモンです。
hCG注射は、比較的費用が抑えめですが、筋肉注射であるため、痛みが強めであるという特徴もあります。
hCG注射を打つと、通常注射のあと24~40時間後くらいに排卵が起こります。
この作用を利用して、体外受精の際は、卵子がベストの状態になって時に採卵を行うことができます。
そのため、決められた時間に注射を打つことが非常に重要です。
hCG注射は排卵を促すため、体外受精での治療の他にも、タイミング法や人工授精の際にも使われることがあります。
体外受精の採卵では、質のよい成熟した卵子を複数個採取することを目的としているため、hMG注射やFSH注射、hCG注射を打つことは非常に大きな意味のあることです。
(まとめ)体外受精の採卵前に注射を打つことがある?
体外受精の採卵前に行う注射には、卵胞を育てるものや排卵を促すものの2種類があります。
それぞれホルモン剤の種類が異なり、中には自己注射が認められているものもあります。
医師の指示に従い正しく注射することが大切です。
体外受精の採卵前の注射は3種類あり、卵胞を育てる目的で使うものはhMG注射とFSH注射の2種類です。
もう1種類のhCG注射は排卵を促すために使用します。
すべてホルモン剤なので、注射の後は副作用がでる可能性があります。
hMG注射とFSH注射はどちらも卵胞を育てる目的で使います。
hMG注射は卵胞刺激ホルモンと黄体ホルモンの混合薬で、クリニックに通って投与してもらいます。
FSH注射は卵胞刺激ホルモンだけを抽出したもので、通院の必要がなく自分で注射します。
hCG注射では、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンを成分としたhCG製剤を注射します。
hCG注射を打った後は24~40時間後に排卵が起こります。
この作用を利用することで、体外受精の採卵の時に、質のよい卵子が採取しやすくなります。