体外受精の移植とは受精後に胚を子宮に戻す方法です


体外受精の移植にはいくつかの方法がありますが、治療の流れを簡単に説明すると、体外で受精を行った後、成長した胚(分割した受精卵)を子宮に戻すという治療法です。

タイミング法や人工授精といった一般不妊治療では妊娠が難しく、妊娠の可能性が少ないと判断された場合に次の治療法として体外受精に進みます。

女性と男性のいずれか、または双方に卵子や精子の機能的に何らかのトラブルがある場合も体外受精を受けることがあります。

初期胚移植と胚盤胞移植があります

体外受精の移植は主に「初期胚移植」と「胚盤胞移植」に分かれます。
いずれも成長した胚を子宮に戻して妊娠を試みるという方法ですが、胚を子宮に戻すタイミングなどで相違点があります。

初期胚移植

採卵から2~3日かけて受精した胚を発育させ、分割が進んだのを確認した後に子宮に戻すという治療法です。

複数の移植可能な胚がある場合は、良好な状態の胚から順に移植します。
もっとも一般的と言える移植方法であり、体外受精をはじめて行うという患者さんもこの施術を受けることが多いです。

受精後2~3日という若い胚を移植するため、移植に成功しても胚が育たない可能性がありますが、胚移植のキャンセルが少ないことがメリットです。

胚盤胞移植

初期胚移植で妊娠に至らなかった場合には、受精後5~6日に胚盤胞になるまで発育させてから移植を行います。
細胞分裂の途中である初期胚と比べると胚盤胞は着床前の状態まで培養されているのと同じ状態なので、着床率と妊娠率は初期胚移植より高くなる傾向があります。

以前は培養液の問題で胚盤胞まで培養することが難しかったのですが、新しい培養液が開発されたことにより胚盤胞まで成長させることが可能となりました。
しかし必ずしも培養した胚が胚盤胞になるというわけではありません。

胚盤胞まで発育が進む確率は初期胚移植よりも低いと言われています。
胚盤胞に発育しなかった場合は胚移植がキャンセルとなってしまうという側面もあるのです。

ただ胚盤胞移植には、妊娠に至る可能性がより高い胚を選ぶことができるというメリットがあります。
また胚盤胞移植の場合、より自然妊娠に近いタイミングで胚を子宮に戻すことができます。

痛みを伴うかもしれない施術もあるため注意しましょう


体外受精の移植では痛みを感じるという患者さんがしばしばいらっしゃいます。
痛み方や痛みの強度は人それぞれですが、治療の過程で痛みを感じる可能性のあるポイントがいくつかあります。

注射による痛み

排卵誘発剤は筋肉注射による投与のため、注射をする場所によって痛みの強さが変わってきます。
腕や腰に注射をすることもありますが、お尻の方が痛みを感じにくいという方が多いです。

自己注射の場合は皮下注射になりますので、筋肉注射ほどの痛みは感じにくいでしょう。

カテーテル挿入による痛み

子宮の状態によってはカテーテルを挿入する際に強い痛みを感じてしまうことがあります。
このような状態であれば注意が必要でしょう。

  • 子宮に傾きがある
  • 子宮の入り口に筋腫などがある
  • 子宮が後屈している

しかし子宮の形や状態は人によって違いがあるため、クリニックではどのような患者さんにも対応できるよう工夫をしています。

たとえば移植時期ではない時にカテーテルの練習時間を設けたり、子宮鏡を使用して子宮筋腫などがないか事前に確認をしたりします。

痛みのない治療を受けることができます

体質的に痛みに弱かったり、痛みに対する不安があったりという場合には、痛みのない治療を掲げているクリニックを受診しましょう。
体外受精専門のクリニックでは患者さんの痛みに対する不安を極力軽減することを心がけています。

無痛での採卵を行うには、以下のような方法があります。

極細の採卵針を使用する

世界標準の採卵針よりも細い採卵針を使用して採卵します。

静脈麻酔を使用する

静脈麻酔を使用することで眠っている状態で採卵を終えることができます。
どうしても痛みが苦手である場合、移植時には専用の柔らかいカテーテルを用いて麻酔をします。

麻酔テープを使用する

テープタイプの麻酔を貼ることで痛みを軽くします。

座薬を使用する

麻酔を希望しない場合には座薬による痛み止めをします。
痛みに対する恐れは誰にでもあるものです。

不安が強すぎてしまうと筋肉が硬直して緊張状態になり、移植がスムーズにいかなかったり、痛みをますます感じたりすることにもなりかねません。
痛みを恐がるあまり体外受精を断念してしまうようなことにならないためにも、心配に思っていることは率直にクリニックへ伝えましょう。

(まとめ)体外受精の移植ってどんなことをするの?

1.体外受精の移植とは受精後に胚を子宮に戻す方法です

体外受精の移植では受精した胚を子宮に戻して着床させます。

一般不妊治療と呼ばれるタイミング法や人工授精では妊娠に至らなかった患者さんが、次の治療ステップとして体外受精に臨みます。

2.初期胚移植と胚盤胞移植があります

移植には初期胚移植と胚盤胞移植があります。

初期胚移植は受精後2~3日の胚を移植するのに対し、胚盤胞移植は受精後5~6日かけて培養した胚を移植します。
初期胚移植はキャンセルの可能性が低いこと、胚盤胞移植は着床率が高くなることがメリットです。

3.痛みを伴うかもしれない施術もあるため注意しましょう

体外受精の移植では時に痛みを感じることがあります。

痛みの原因は排卵誘発剤などの注射によるものと、カテーテルの挿入によるものです。
痛みが強すぎる場合は我慢をせず、すぐに申し出ることで痛みの少ない施術を受けることが可能になるでしょう。

4.痛みのない治療を受けることができます

痛みに不安を抱える人も多いですが、痛みのない治療をするクリニックを選ぶことで痛みが生じるリスクを減らせます。

クリニックには痛みを減らすさまざまな方法が用意されているので、自分に合う治療をきっと見つけることができるでしょう。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師