体外受精の際に処方されたピルを飲み忘れたときは次に飲むタイミングが重要です


体外受精の際にはピルが処方されることがあります。

決められた時間に継続して飲むことが重要ですが、万が一飲み忘れてしまった場合は、基本は気が付いたそのときに服用します。

ただし、次に飲む予定の時間が近くて飲み忘れてしまったという場合、その分は飛ばします。

定期的な服用が大切なので、飲み忘れないように工夫することをおすすめします。

ピルを飲み忘れた時は次に飲むタイミングまでの時間が重要です

体外受精での不妊治療中には、さまざまな薬が処方されることがありますが、ピルもそのうちのひとつです。

ピルは一般的な薬と違って、定期的に決められた時間に飲み、体の中のホルモン量を一定にしておく必要があります。

そのため、飲み忘れないようにすることが大切ですが、生活しているとイレギュラーなことがおこったり、ついうっかり飲み忘れたりしてしまうということも考えられます。

万が一ピルを飲み忘れてしまった場合は、慌てて飲み忘れた分を飲むことのないように注意しましょう。

まずは落ち着いて、次のピルを何時間後に飲む予定なのかということを考えます。

もし、飲み忘れに気が付いた時、次に飲む予定まで十分な時間がある場合は、飲み忘れに気が付いたその時に忘れていた分を飲みます。

飲み忘れに気が付いた時、次に飲む予定の時間が近い場合は、飲み忘れた分を飲むのは止めて、次の正しい時間に次の飲む予定のものを予定通りに飲みましょう。

注意する点は、焦って2回分を1度に飲まないということです。

2回分を1度に飲むとホルモンの量が急激に増えたり減ったりすることに体が反応する可能性があるほか、副作用の心配も高まります。

体外受精時にピルを飲むことは多くのメリットがあります


ピルといえば避妊薬のイメージが強いという方も多いものですが、実はピルは不妊治療にも非常に有効な薬として活用されています。

不妊とホルモンバランスは密接な関係があるとされています。

ピルは黄体ホルモンと卵胞ホルモンが含まれた薬で、足りないホルモンを補ってくれる働きをします。

ピルは体のホルモンバランスを整え、妊娠しやすい体作りのサポートをしてくれます。

体外受精時には、卵巣を刺激して活動を活発にさせたり、採卵をしたりするなど、卵巣に負担がかかることもあります。

ピルを飲むことで、排卵を一時的に抑制し、卵巣を休ませます。

卵巣を休ませることで、少し乱れた卵巣の機能や状態がより良い方へ回復するということです。

ほかにも、体外受精で移植した受精卵が無事に着床してもその妊娠が継続出来にくい体質の方の治療にもピルが役立ちます。

体内の黄体ホルモンが少ない場合、子宮内膜がはがれやすい傾向にあり、ピルで黄体ホルモンを補うことが有効とされています。

1度ピルを飲み忘れたとしてもすぐに影響がでない場合が大半です

体外受精など不妊治療で処方されるピルは、定期的に飲むことで効果を発揮しますが、1度飲み忘れたからと言って、即座に影響が出るということはあまりありなく、その点が避妊目的で服用するピルとの大きな違いでもあります。

不妊治療の際にピルを飲む目的は、不足しているホルモンの充填です。

定期的に飲むことが重要なのは、体内のホルモン量を一定に保たせるためです。

したがって、1度飲み忘れたからといって、急激にホルモンが不足するというわけではなく、気が付いた後に正しい対処をすれば問題ないケースがほとんどです。

ピルを服用する際には、そういった心配をなくすためにも、飲み忘れないように工夫することも大切です。

飲む時間にアラームをセットする、必ず歯磨きの後に服用すると決めた場合は、歯ブラシなどと一緒に洗面台に置いておくなど、自分でピルの存在に気が付けるようにしておくことをおすすめします。

飲み忘れないことが基本ですが、万が一飲み忘れてしまった際、対処に迷ったり不安があったりする場合は、すぐに主治医やかかりつけのクリニック、病院に連絡を取り、指示を仰ぐと安心です。

(まとめ)体外受精での治療中に処方されたピルを飲み忘れたら?

1.体外受精の際に処方されたピルを飲み忘れた時は次に飲むタイミングが重要です

ピルを飲み忘れた場合は、次に飲む予定の時間までどのくらいあるかということが重要になります。

次までに時間がない場合は、飲み忘れた分を飛ばして正しい時間に飲みます。

1度に2回分飲むことは避けましょう。

2.ピルを飲み忘れた時は次に飲むタイミングまでの時間が重要です

不妊治療の際に飲むピルは正しい時間に飲むことが大切ですが、万が一飲み忘れた場合は、次に飲む時間まで時間がある場合は、気が付いたその時に服用します。

次に飲む時間が近い時は、飲み忘れてしまった分は飛ばして次の正しい時間に次の分だけを服用します。

3.体外受精時にピルを飲むことは多くのメリットがあります

避妊薬としても使われるピルは、不妊治療でも処方されることがあります。

体外受精の際に、卵巣の働きを一時的に抑えて、卵巣の状態を回復させたり、着床後、子宮内膜が剥がれやすい場合には、黄体ホルモンを補い妊娠継続をサポートすることが期待されます。

4.1度ピルを飲み忘れたとしてもすぐに影響がでない場合が大半です

不妊治療の場合は、不足しているホルモンを充填する目的でピルを服用するため、1度飲み忘れたからといって、即座に体に影響が出ることがあまりありません。

飲み忘れのないように、飲む時間にアラームをセットするなどの工夫をすることをおすすめします。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師