体外受精中のタバコは不妊の原因です


体外受精の治療中にタバコを吸うことを推奨しているクリニックは、皆無と言って良いでしょう。
なぜならタバコには妊娠と出産を阻む数々の要素があるとされているからです。

タバコを吸うことが習慣化している人はタバコを吸わない人に比べて、妊娠を希望してから妊娠に至るまでの期間が長くなる傾向があります。
また体外受精を行った場合、タバコを吸っている人は妊娠の成功率が低くなり、妊娠しても出産まで至れない可能性があると言われています。

タバコにはさまざまなリスクがあります

「百害あって一利なし」と言われるように、タバコは有害であるというデータはあっても、健康によいものであるという話はほとんど聞こえてきません。

タバコが体外受精に影響を与えると考えられるものには、次のような症状があります。

女性の場合
  • 生殖機能が低下する
  • 閉経が早まる
  • 遺伝子に異常が生じる
  • 卵子が老化する
  • 受精率・着床率が低下する
男性の場合
  • 遺伝子に異常が生じる
  • 精子の数・運動能力が低下する
  • 精子が薄くなる

体外受精をしているにも関わらず、日常的にタバコを吸っていると妊娠率は下がっていくと考えられます。
タバコをやめると妊娠率が回復する可能性もありますが、いずれにしても妊娠を考え始めたらタバコは早いタイミングでやめた方がよいでしょう。

禁煙はどちらかだけが行ってもあまり意味がないと言われています。
なぜならパートナーのうち、どちらかがタバコの影響を受け続けている限りは妊娠率の上昇は望めないからです。

両方が喫煙している場合、体外受精の妊娠率は約18%、どちらかが喫煙している場合は約29%、どちらも喫煙していない場合は約37%という調査結果もあります。

禁煙は2人で同じタイミングで一緒に取り組むことで意味を成します。
タバコを断つことができて、ようやく妊活のスタート地点に立つことができます。

タバコを吸わなくてもタバコの影響を受けることがあります


パートナーがどちらもタバコを吸っていなくても、意図せずタバコの影響を受けてしまうことがあります。
それが受動喫煙と呼ばれるものです。

受動喫煙とは他人のタバコの煙を吸い込んでしまうことを差します。
飲食店での分煙や禁煙の周知、歩きタバコの規制などは受動喫煙を懸念して広まっていったものです。

煙にはタバコのフィルターから吸い込む主流煙と、タバコの先から立ち昇る副流煙があります。
とくに副流煙に多くの有害物質が含まれているとされ、主流煙と比較するとその量は数倍から数十倍も多いとされています。

近くに喫煙している人がいるだけで受動喫煙となり、喫煙者と同等かそれ以上の影響を受けることになってしまいます。
体外受精の治療中は自らタバコを吸わないことはもちろんですが、身近な人の禁煙への理解が不可欠となる上、意識的にタバコの煙がない場所へ行くことも大切です。

また加熱式タバコは紙タバコと比べて害が少ないと言われますが、全くの無害であるとも言い切れず、体外受精中は避けた方が賢明です。

体外受精中のタバコをやめるコツがあります

タバコはニコチンの影響で依存症になりやすいと言われていますが、タバコをやめる方法がないわけではありません。
普段どんなタイミングで吸いたくなるのかを振り返ってみることで、タバコに対する予防線を張ることができます。

食後に吸いたくなるのであれば、食事の仕方を見直してみましょう。
バランスのとれた食事内容になっているか、よく噛んで味わっているかを思い起こしてみてください。

食事に物足りなさを感じてしまうと、口寂しさからタバコに手が伸びてしまうことがあります。
他人が吸っているのを見ると吸いたくなる場合は、喫煙所を避けることで吸う回数を減らしていくことができます。

職場の喫煙スペースのそばを通らない、外食をする時は完全禁煙の店を選ぶなど、意識することが大切です。
分煙では煙の匂いを感じてしまったり、タバコを吸っている人を見かけたりすることがあるので、あまりおすすめはできません。

ストレスを感じるとタバコを吸いたくなるという理由が、もっとも禁煙が難しくなる可能性があります。
体外受精中は禁煙以外にも禁酒、激しい運動の禁止など日常生活上の制約を受けることがあり、人によってはストレスがたまりやすくなるからです。

ストレスがたまってタバコを吸ってしまい、吸ったことで自己嫌悪に陥り、さらにストレスをため込んでしまうといった悪循環は避けなければなりません。
タバコをやめるのが困難だと感じたら、迷わずクリニックに相談してみましょう。

クリニックは体外受精をするだけの場所ではなく、患者さんの心のサポートにもきちんと対応をしてくれるところです。
喫煙していることに後ろめたさがあるかもしれませんが、正直に話すことで一歩前に進むことができると言えます。

(まとめ)体外受精中にタバコを吸うとどんな影響があるの?

1.体外受精中のタバコは不妊の原因です

タバコには体外受精の成功率を低くするさまざまな要因があります。

喫煙することにより卵細胞にダメージを与えてしまったり、閉経を早めてしまったりなど、いくつもの悪影響が報告されています。
体外受精の妊娠率が低くなる原因はタバコによるものです。

2.タバコにはさまざまなリスクがあります

タバコを吸うと女性は卵子に、男性は精子にトラブルが生じやすくなると言われています。

体外受精を成功させるには、パートナー同士で禁煙の意識を高め合うことが大切です。

3.タバコを吸わなくてもタバコの影響を受けることがあります

受動喫煙によって副流煙を吸い込み、タバコの影響を受けてしまうことがあります。

副流煙は主流煙よりも害があるとされ、体外受精中は身近な人の協力と理解が必要となってきます。

4.体外受精中のタバコをやめるコツがあります

禁煙を実行するにはまず、自分がタバコを吸いたくなるタイミングを把握しましょう。

自分の行動パターンを知ることで対処法がわかってくるようになります。
禁煙がつらい時はクリニックに相談し、タバコをやめるためのアドバイスを受けてもらいましょう。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032 東京都港区六本木7-15-17 ユニ六本木ビル3F
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院長 小松保則医師