体外受精ではかるエストラジオールはエストロゲンの主要成分です


エストラジオールはエストロゲンに含まれる主要成分のひとつで、この数値が高すぎても低すぎても問題があり、正常な数値が保たれていると妊娠しやすくなります。

それぞれの状態にあった治療法を行うことで機能を改善し、体外受精による妊娠をしやすい状態にしていきます。
また病気だけでなく日頃の生活習慣がエストラジオール値を変化させている可能性もあるため、ストレス解消などを心がけることもおすすめです。

エストラジオールは卵巣や妊娠中の胎盤でつくられます

妊娠をしていない状態ではエストラジオールは卵巣でつくられ、妊娠している時には胎盤でつくられます。
ちなみにエストラジオールを含むエストロゲンは、女性らしい体つきや機能を成熟させるだけでなく、自律神経の働きや脳・骨・筋肉・皮膚などの働き、感情のコントロールなどを担っているため男性の体内でも分泌されています。

男女共に分泌されるホルモンであれば、量の増減があってもそれほど問題がなく見えますが、確かに男性の場合は減少しても特に問題はありません。
しかし女性は大きく減少すると卵巣機能低下症・更年期障害・無月経などを引き起こしてしまいます。

体に異常がなかったとしても、年齢が進むにつれてエストロゲンの分泌は減少しエストラジオールの量も減ってくることになります。
他にもプロゲステロンなど女性らしさに関わるホルモンの分泌量が減っていくため、体外受精で妊娠を望もうとしてもなかなか成功しないことがあるのです。

エストラジオール値の変化で体の異常がわかります


エストロゲンに最も多く含まれる成分であるエストラジオールは、その数値を計測することで異常があるかどうかを知ることができます。
数値が高い場合と低い場合に考えられる病気は以下のようになります。

数値が高いとき

先天性副腎酵素欠損症エストロゲン産生腫瘍が疑われます。

数値が低いとき

卵巣機能不全・下垂体機能低下症が疑われます。
エストラジオールの数値が低いと卵巣の働きが低下するだけでなく、子宮内膜の厚さも薄くなることから体外受精でできた受精卵の着床が難しくなってしまいます。

そのため薬を使ったホルモン療法を行ってエストロゲン不足を補い、妊娠しやすい体をつくっていくことが必要です。
エストロゲン不足を補うには経口薬・注射剤・貼付薬に分かれており、必要に応じてそれぞれ使用されます。

以下に各薬剤の特徴を紹介しておきます。

経口薬

エストロゲン製剤のなかでも最も多く使われるタイプですが、人によって吸収率が違うため作用が一定しないデメリットがあります。
しかし副作用が現れた時には使用をやめれば回避できることや、注射のように痛みをともなわないメリットを持っています。

貼付薬

皮膚から成分を吸収するため肝臓など内臓に負担をかけることがなく、血栓による副作用もありません。
そのうえ血液中に安定した成分濃度を保つことができます。

注射剤

1週間に1回注射をすればよいことから、飲み忘れによる効果の低下が防げるほか、体内での吸収率の個人差もなく一定の濃度を保つことが可能です。

ストレス解消をして正常な数値を保てるよう心がけましょう

ホルモン分泌は非常にデリケートなものであることから、年齢とともに減少するだけでなくストレスを受けることで分泌に異常をきたす恐れがあります。
そのためエストラジオールを含むエストロゲンの分泌についても体調や精神状態が左右してくるのです。

正常なエストラジオール値を維持するためにも日頃からストレス解消を適度に行って溜め込まないようにしましょう。
ストレス解消法としておすすめは、大きな声を出すことです。

この方法なら運動は苦手という方でもチャレンジがしやすく、例えばカラオケボックスへ出かけて好きな曲を大きな声で歌えば気持ちよくストレス発散ができるでしょう。
他にも体を動かすことはストレス解消だけでなく血行促進や気分転換にもなるので、ウォーキングやジョギングなどを楽しむこともおすすめです。

(まとめ)体外受精はエストラジオール値を保てることが大事?

1.体外受精ではかるエストラジオールはエストロゲンの主要成分です

エストロゲンの主要成分のひとつであるエストラジオールは、正常値が保たれていることが妊娠しやすくするポイントです。

病気を治療し改善するほか、ストレス解消など生活習慣の改善も合わせて行うことが体外受精の成功につながるでしょう。

2.エストラジオールは卵巣や妊娠中の胎盤でつくられます

エストラジオールはエストロゲンの主成分のひとつで、女性らしい体つきや機能の成熟に働きます。

年齢と共に減少していくホルモンなので、高齢になるにつれて体外受精の成功率が下がるのはここに原因があります。

3.エストラジオール値の変化で体の異常がわかります

エストロゲンの主成分のエストラジオールの数値を計測して異常がないかを調べ、例えば数値が低い場合に卵巣機能不全が疑われると治療にはホルモン療法が行われます。

その治療方法には経口薬・注射剤・貼付薬があり、必要に応じて選ばれます。

4.ストレス解消をして正常な数値を保てるよう心がけましょう

エストラジオールを含むエストロゲンの分泌は、体調や精神状態にも左右されやすいことからストレスが溜まっても影響を受けてしまいます。

そのため正常値を維持するには大きな声を出すなどして適度にストレス解消しましょう。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
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院長 小松保則医師