体外受精の胚移植後、妊娠初期症状で頭痛が起きることがあります


体外受精で胚移植を行ったあと、無事に着床すると妊娠初期症状で頭痛が起きることがあります。
通常の妊娠でも見られる症状のひとつです。
頭痛が起きる理由として、体内のホルモンバランスの変化が挙げられます。

頭痛が起きるかは人それぞれ異なり、頭痛があるから必ず妊娠しているわけではありませんが、他の妊娠初期症状と合わせてひとつの目安となるでしょう。
また治療で排卵誘発剤を用いている際、その副作用で頭痛が起きるということもあります。

妊娠初期症状の一つに頭痛があります

体外受精で胚移植を行ったあとに起こる頭痛は、妊娠初期から中期にかけて起きる妊娠初期症状の一つである可能性があります。
月経前に頭痛を感じる人もいるものですが、この時期に現れる頭痛はそれに似ている重たい頭痛だといわれています。

妊娠すると女性の身体は女性ホルモンの分泌が増えるため、月経前と同様の症状が現れやすくなります。
女性ホルモンの一つである黄体ホルモン(プロゲステロン)には血管を拡張する作用があるといわれていて、これが頭痛に繋がるとされます。

神経が圧迫されて、炎症が起きることが痛みの原因だと考えられています。
また頭痛と同時に肩こりが起こることもあります。
脳にある神経は首や肩にも繋がっているため、肩こりと頭痛は連動しやすく、肩こりから頭痛を引き起こしてしまうと考えられます。

頭痛が起きたとき、普通なら頭痛薬を飲みますが、妊娠していると飲めない薬もあります。
体外受精で胚移植を行ったあとに頭痛を感じた場合、自分の判断で頭痛薬を飲むことは控え、頭痛が酷いときには医師に相談するようにしましょう。

頭痛以外にも妊娠初期症状が現れる可能性があります


頭痛以外にも、妊娠するといくつかの初期症状が見られます。
なかには妊娠4週ほどで妊娠超初期症状を感じる人もいますが、この時期は市販されている妊娠検査薬では判断することができません。
頭痛のほかには、どんな妊娠初期症状があるのかをご紹介します。

胸の変化

生理前のように胸のはりや痛みを感じることがあります。
妊娠すると母乳を作るために乳腺組織や乳管が発達するからだと考えられています。

腰痛

黄体ホルモンや、リラキシンというホルモンによって腰痛が起きるといわれています。
出産に備えて関節を緩める作用があるとされるホルモンですが、その影響で腰に負担が増えることが腰痛の原因といわれています。
体重が増加していくことも腰痛の原因になります。

吐き気や嘔吐

いわゆるつわりと呼ばれるものです。
妊娠5週頃から、食欲不振や胃のむかつきを感じたり、嘔吐したりしてしまうことがあります。

原因ははっきりとはしていませんが、hCGホルモンが脳の嘔吐中枢を刺激するといわれています。
妊娠によるストレスや不安が吐き気に繋がっている可能性もあるようです。
またつわりの症状としては、においに敏感になったり、味覚の変化が起きたりする人も多いようです。

むくみ

黄体ホルモンの分泌が増えると、むくみやすくなるといわれています。

眠気やだるさ

生理前のように、眠気やだるさを感じることがあります。
妊娠していると、自分ではどうにもならないほど強く表れることもあるようです。

排卵誘発剤の副作用で頭痛が起きることもあります

体外受精の治療で排卵誘発剤を使っている場合、その副作用で頭痛が起きる可能性があります。
排卵誘発剤は成長する卵胞の数を増やし、よりよい卵子を育てるために用いられています。

体外受精の治療では広く用いられているものですが、体内のホルモンバランスに影響を与えることで副作用が起きる可能性もあります。
一般的に起きる軽めな副作用の症状の一つに、頭痛も挙げられています。

相性もあり必ず起きる症状ではありませんが、排卵誘発剤を飲み始めて頭痛を感じるようでしたら医師に相談したほうがよいでしょう。
質のよい卵子を作ることは、妊娠率を上げることに繋がると考えられます。

不妊に悩んでいる女性は、卵子が育ちにくくなっている可能性もあります。
月経の周期が正常で、卵巣の機能も問題がない場合には排卵誘発剤は用いずに自然周期で治療を進めることもあります。

排卵誘発剤を飲むことで、必ず頭痛のような副作用が起きるわけではありません。
ストレスや不安は身体に良くないため、不安なことがあれば医師に相談するとよいでしょう。

(まとめ)体外受精で頭痛が起こるのはなぜ?

1.体外受精の胚移植後、妊娠初期症状で頭痛が起きることがあります

体外受精で胚移植を行い、妊娠した場合に初期症状で頭痛が起きる可能性があります。

ホルモンバランスの変化によって現れる症状です。
排卵誘発剤を治療に用いている場合、その副作用で頭痛が起きる可能性もあります。

2.妊娠初期症状の一つに頭痛があります

頭痛は、妊娠初期症状の一つといわれています。

女性ホルモンの黄体ホルモンの分泌が増え、血管が拡張することが頭痛の原因と考えられています。
妊娠していた場合は飲んではいけない薬があるため、胚移植後に頭痛が酷いときには医師に相談しましょう。

3.頭痛以外にも妊娠初期症状が現れる可能性があります

妊娠している場合、頭痛のほかにも身体に変化が現れる可能性があります。

検査薬が使えないうちから現れる症状もあります。
頭痛のほか、吐き気・眠気・腰痛・むくみなどが知られています。

4.排卵誘発剤の副作用で頭痛が起きることもあります

体外受精では、よい卵子を育てるために排卵誘発剤を用いることは多いです。

ホルモン薬である排卵誘発剤を使うため、体内のホルモンバランスに影響して副作用が起きることがあります。
その一つとして頭痛が挙げられています。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師