りんごにも葉酸は含まれていますが、効率的ではありません


葉酸は葉物野菜を中心に果物などにも含まれているため、りんごを食べることでも摂取することができます。しかし1日の葉酸の必要摂取量から考えれば、葉酸を摂取したいからりんごを食べる、というような考えには不向きです。

ただしりんごは全体的に妊婦に必要な栄養素を含んでいるため、食べ方に気をつけて上手に取り入れましょう。

りんごに含まれる葉酸はわずかです

りんごの可食部100gに対し、含まれる葉酸は2~3µg程度と考えられています。中くらいのりんご1つにつき、可食部は250g前後です。

こう考えると、りんご1つでとれる葉酸はせいぜい10µg未満となっています。妊婦が摂取すべき、1日の葉酸必要量は、妊娠初期では食事から240µgに加えサプリメントから400µgが目安です。

また妊娠初期を過ぎると1日480µgが必要と言われています。りんごにはたしかに葉酸が含まれていますが、葉酸の摂取を目的に食べるにはいささか効率が悪いと言わざるを得ないでしょう。

また葉酸の特徴として食事から摂取した場合、体内での利用効率が半分となってしまいます。つまり10µgの葉酸を摂取しても、体内で役に立つのはそのうちの5µgしかないということです。

同じフルーツであれば、たとえばいちごには100gあたり90µgと、りんごの30倍以上にもなる葉酸が含まれています。またマンゴーやライチもいちごと同様に葉酸を多く含んでいる果物です。

栄養的にも、妊婦が食べてもなんら問題ありません。入手できるようなら積極的に食べるとよいでしょう。

りんごは栄養バランスのよい果物です


葉酸だけを目的に食べるには向きませんが、実はりんごそのものは妊婦にとってとてもよい果物の1つです。たとえばりんごは8割以上が水分でできていて、しかも可食部100gあたり、食物繊維が1.4~1.9gも入っています。

妊婦になるとどうしてもホルモンバランスの影響などから便秘になりがちであるため、りんごは便秘解消の強い味方となってくれるでしょう。また酸味があることからつわりで食欲がない場合にも便利です。

さらにりんごはカリウムが豊富な果物として知られています。妊婦になると体のむくみに悩むことも多いでしょう。

カリウムはそんな時、むくみの原因となる体内の余計な塩分を排出してくれる働きがあるとされているのです。

その他、りんごにはポリフェノールが含まれており、強い抗酸化作用を持っています。抗酸化作用のある食べ物は、体内を酸化させる原因となる活性酸素を除去してくれるため、妊婦の体や胎児の健康にもよいとされているのです。

ちなみにりんご特有のポリフェノールや、食物繊維などは皮に多く含まれているため、皮ごと食べるのが理想的です。ただし皮は農薬の影響を受けるため、無農薬のりんごを選んだり、よく洗ったりして食べるようにしましょう。

このほかにもりんごには、ビタミンC・ビタミンE・鉄・マグネシウムなど、妊婦に必要な栄養が少しずつ、バランスよく含まれています。葉酸にこだわらず積極的に食べていくとよい果物です。

調理方法に注意しましょう

りんごはポピュラーな果物だけあり、どこでも入手できて、しかも加工食品がたくさんあります。中には、りんごジャム・ジュース・菓子パン・お菓子などを選びたくなる人もいるかもしれません。

しかし栄養を摂取したいなら生で食べるのが一番よい方法です。

りんごには葉酸やビタミンCなど、水溶性ビタミンが豊富に含まれています。これらは水と加熱に弱いため、加工して火を通すとなると多くが失われてしまうのです。

さらにりんごをそのまま食べることで腹持ちがよくなるのもメリットです。その他、加工すれば食べやすくはなりますが、一方でりんごには多くの果糖が含まれるため、食べすぎれば血糖値が上がったり太ったりする原因となります。

1日半個~多くても1個を目安に、できれば生のまま、皮つきで食べてりんごの栄養素を余すところなく吸収していきましょう。

(まとめ)葉酸の摂取にりんごを食べてもいい?

1.りんごにも葉酸は含まれていますが、効率的ではありません

りんごは全体的に栄養に優れ、その中に葉酸も含まれています。しかし1日の摂取量からすると葉酸の効率的な摂取には向いていません。

りんごにもメリットはあるため、食べ方に注意して適度に摂りましょう。

2.りんごに含まれる葉酸はわずかです

りんごに含まれる葉酸は、1日に必要な摂取量の4%にも満たない量です。また食べ物に含まれる葉酸は利用効率が下がることも覚えておかねばなりません。

葉酸を目的に食べるなら、いちごやライチなどの方が向いています。

3.りんごは栄養バランスのよい果物です

葉酸の摂取には向かないものの、りんご自体は、水分・カリウム・ビタミン・ミネラル・ポリフェノールなど、妊婦にとってよい成分がたくさん含まれています。皮に含まれている栄養も多いため、農薬に注意しながら皮ごと食べるのが理想です。

4.調理方法に注意しましょう

りんごに含まれる栄養は、葉酸をはじめ水や加熱に弱いものもあるため、生で食べるのが一番よい食べ方です。また食べすぎも血糖値やカロリーの問題から好ましくありません。

1日半個を目安に食べてりんごの栄養を取り入れましょう。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

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院長 小松保則医師