アルコールが葉酸の吸収を阻害するなどのリスクがあります


アルコールは妊娠を希望する女性はもちろん、パートナーである男性にとっても注意すべき存在です。飲酒を好んでおり、アルコールをよく摂取している場合、葉酸の吸収が阻害されてしまうと言われています。

そのため葉酸が不足しがちになってしまい、葉酸が関わるあらゆる点でリスクが生じます。妊活・妊娠中は夫婦揃っての禁酒が好ましいでしょう。

アルコールの摂取によって体内の葉酸が減ってしまいます

アルコールには、体内にある葉酸の吸収や、体内で変化した葉酸を再吸収する働きを妨げてしまう性質があると考えられています。そのため日頃から飲酒を好んでいる場合、知らず知らずのうちに体内の葉酸が減っていってしまう可能性があるでしょう。

またお酒好きな人の食生活は、そうでない人に比べるともともと葉酸があまり含まれていない傾向にあるというデータもあります。葉酸はほうれん草やクレソンなど、色の濃い葉物野菜によく含まれている栄養素です。

野菜をあまり食べていない人はとくに注意した方がよいでしょう。

葉酸はもともと体内に溜めておけない栄養素であり、毎日必要分を摂取し続ける必要があります。毎日飲酒をしている人だと慢性的な葉酸不足に陥っている可能性もあるでしょう。

妊活をしているのにアルコールを摂取している人などは、禁酒するとともに食生活を見直し、サプリメントなどを利用して効率よく葉酸を摂取していくことが、妊娠するための下地となるはずです。

葉酸が減ると流産やダウン症のリスクが増大します


葉酸は妊娠にあたり、重大な役目をいくつか担っている栄養素です。妊娠にあたって葉酸が必要と言われる一番の理由は、葉酸が妊娠初期において赤ちゃんの神経管閉鎖障害をある程度防止するからだとされています。

神経管閉鎖障害という先天異常を引き起こし、その中でも無脳症になった場合、赤ちゃんは脳がない状態になったり、脳が奇形となったりします。もちろん、生きてはいられず流産、死産となることがほとんどです。

神経管閉鎖障害は流産や死産でなくとも、下半身麻痺による歩行障害のような赤ちゃんの将来を左右する事態を起こします。葉酸を摂取することで細胞分裂が正しく行われるようにし、異常が出る細胞を少なくできると言われています。

このことから、葉酸の摂取が神経管閉鎖障害の防止に繋がるのです。しかし葉酸が不足すればこの働きが不十分となってしまい、結果として赤ちゃんの流産率が上がってしまいます。

また同じく正常な細胞分裂に役立つ効果から、男性の葉酸およびアルコール摂取にも注意が必要です。葉酸を適切に摂取すると精子の染色体異常を防止すると言われています。

とくに高齢の場合には、赤ちゃんのダウン症のリスクを減らすことができるのです。しかしこちらもまたアルコールの摂取によって効果が見込めなくなってしまいます。

健康な赤ちゃんのためにも、男性も一緒に禁酒が大切です。

葉酸不足ががんにも影響すると言われています

妊娠とは直接関係ないものの、葉酸不足とアルコールの過剰摂取によりがんのリスクが高まるという報告もあります。これは、アルコールによって葉酸不足に陥ったために、正常な細胞分裂に支障が出てしまうことによります。

葉酸は細胞形成の中でも、遺伝子情報の入った核酸という部分の合成に影響するものです。遺伝情報がうまく合成できなくなることでがん細胞が生まれるリスクを高めてしまうと考えられています。

葉酸不足と関連性の深いがんの中には乳がんなど、妊娠を希望する女性にとってはとくに怖いがんも含まれます。

また葉酸は細胞分裂に関わるほかにも、赤血球の生成や子宮内膜を整える効果、自律神経を整える効果など、多方面に影響することで知られています。葉酸不足によって貧血や流産、うつなどさまざまなリスクを抱えることになるため、葉酸不足を安易に考えないようにしましょう。

禁酒するのが一番ですが、どうしてもやめられない場合は1日1~2合までに控えたり、飲む日数を減らしたりするのも有効です。意識して葉酸の減少をくい止めるようにしましょう。

(まとめ)葉酸とアルコールは関係がある?

1.アルコールが葉酸の吸収を阻害するなどのリスクがあります

アルコールは女性だけでなく男性にも影響があります。アルコールを多く摂ると葉酸が不足がちになるため、葉酸が必要となるあらゆる面でリスクを抱えることになるでしょう。

2.アルコールの摂取によって体内の葉酸が減ってしまいます

アルコールは体内にある葉酸の吸収、再吸収を妨げる作用があると言われています。そのため酒好きの場合は葉酸の摂取に気を使わないと、体内の葉酸が少なくなっていくでしょう。

妊娠前から減った葉酸を補給する努力が重要です。

3.葉酸が減ると流産やダウン症のリスクが増大します

葉酸が不足すると赤ちゃんが神経管閉鎖障害を起こし、流産となるリスクが高くなってしまいます。また男性も染色体異常の精子が増えて、流産やダウン症の確率を高めてしまう可能性があるでしょう。

できれば夫婦で禁酒しましょう。

4.葉酸不足ががんにも影響すると言われています

葉酸不足とアルコールの過剰摂取でがんのリスクが増大するという報告があります。また貧血や流産、うつなどのリスクも考えられるでしょう。

葉酸は多方面に影響を与えます。せめて深酒を避け、飲む日数を減らす努力も必要です。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小山寿美江医師
こやま すみえ/Sumie Koyama

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経歴
1999年 琉球大学医学部医学科卒業
2000年 東京医科大学病院救急救命センター
2001年 東京女子医大病院腎センター
2003年 緑風荘病院 血液浄化療法センター
2006年 昭和大学病院産婦人科
2009年 昭和大学病院産婦人科 助教
2010年 東京衛生病院産婦人科
2012年 木場公園クリニック勤務
木場公園クリニック 分院 院長
2016年 六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
アメリカ生殖医学会

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院長 小山寿美江医師