葉酸を摂取すると、妊婦の流産のリスクを下げるとされています


葉酸は子宮環境を整え、細胞分裂に関わり、赤ちゃんの先天異常を防止すると言われる栄養素です。そのため結果的に葉酸を摂取することで流産のリスクもまた下がると考えられています。

流産の原因にはいくつかあるため、そのすべてを予防できるわけではありません。しかし葉酸を摂取しておくことでいくらかの安心材料にはなるでしょう。

葉酸は神経管閉鎖障害による流産を減らすと言われています

妊婦となると良く、葉酸の摂取を勧められることがあります。これは葉酸だけが、赤ちゃんの先天異常となる神経管閉鎖障害のリスクを50~70%下げると言われているからです。

神経管閉鎖障害とは、赤ちゃんの脳や脊髄のもととなる神経管という部分が癒着してしまったり、塞がったりしてしまうのが特徴となります。

この神経管閉鎖障害を原因として引き起こされる症状にはいくつかの種類がありますが、たとえばそのうち無脳症と呼ばれるものになると、文字通り脳が無かったり、あるいはうまく形成されず奇形となってしまったりすることがあるのです。この場合、脳に形成異常がでていることから、赤ちゃんは育たず、流産や死産となってしまう可能性が高くなります。

そこでこの神経管が形成される妊娠初期の頃に、妊婦には葉酸の摂取が勧められるのです。葉酸によって神経管閉鎖障害のリスクが減らされることによって、結果的に流産のリスクも減らすことができます。

葉酸は化学流産のリスクを下げると言われています


神経管閉鎖障害を原因とする流産のほかにも、葉酸で防ぐことができるとされる流産があと2つあります。そのうち1つは、化学流産と呼ばれるものです。

化学流産は、妊娠のごく初期に起きる流産です。受精卵は子宮に着床して育っていきますが、この時うまく子宮に着床できず、生理のように血とともに排出されてしまうことがあります。

この状態が化学流産です。ごく初期である上に痛みなどもないため、自覚症状すらないこともよくあります。

人によっては、腹痛を感じることもあるようです。主に、受精した時のホルモンの状態から妊娠を判断する、妊娠検査薬で陽性が出たにも関わらず、その後超音波検査をしても胎嚢が確認できない場合に化学流産とされます。

妊娠3週~5週頃に起こるとされるのが特徴です。

葉酸は妊娠前に摂取していることで、受精卵が着床しやすいように子宮内膜をふかふかに整えてくれる効果があると言われています。そのため葉酸の摂取でこの化学流産のリスクを下げることができると考えられているのです。

ただし化学流産の原因はほとんどが受精卵のもともとの染色体異常、つまりどうにもできない理由であると言われています。葉酸が防ぐことができるのは化学流産のごく一部に過ぎません。

葉酸は稽留流産の防止にも役立ちます

もう1つ、葉酸で防げると考えられる流産が稽留流産です。稽留流産とは、お腹の中で赤ちゃんが死亡してしまい流産となるもののことを指します。

赤ちゃんが死亡してしまう原因の1つとして、赤ちゃんの発達が未熟すぎることなどが挙げられます。葉酸は正常な細胞分裂をサポートする役目があるため、赤ちゃんがよく発達することに大きく関わるのです。

そのため結果的に赤ちゃんが流産しにくくなると考えられています。

葉酸は流産のリスクを20%下げると言われています

全体の数で見ると、妊娠した人の15%は流産しているというデータがあります。一方でアメリカの大学による研究報告によれば、葉酸を摂取している妊婦とそうでない妊婦で、流産のリスクに20%も差があったとのことです。

具体的なメカニズムについては未解明の部分も多くあるものの、葉酸を流産防止のために摂取することは悪いことでないでしょう。もともと流産の8割は妊娠12週までに起こるとされており、葉酸の摂取もまた神経管閉鎖障害の防止という観点から妊娠初期に必要であり、妊娠3ヶ月目までに多く摂取することが推奨されています。

妊娠する前から積極的に葉酸を摂取していくことが、さまざまな面で鍵となるでしょう。

(まとめ)葉酸は妊婦の流産と関係があるの?

1.葉酸を摂取すると、妊婦の流産のリスクを下げるとされています

葉酸は赤ちゃんの先天異常など、流産の原因となるものを防ぐため、葉酸を摂取することで流産のリスクが下がると言われています。流産すべてを防げるわけではありませんが、葉酸を摂取しておけばある程度の安心が持てるでしょう。

2.葉酸は神経管閉鎖障害による流産を減らすと言われています

赤ちゃんの先天異常の1つである神経管閉鎖障害は、時として赤ちゃんの脳が形成されなかったり変形してしまったりして流産の原因となります。そのため神経管閉鎖障害を防止すると言われる葉酸を摂取することで、流産のリスクも下がるでしょう。

3.葉酸は化学流産のリスクを下げると言われています

葉酸は子宮内膜を整えてふかふかにしてくれると言われるため、着床できずに流産してしまう化学流産の防止に役立つと考えられます。ただし染色体異常による化学流産は阻止できません。

4.葉酸は稽留流産の防止にも役立ちます

葉酸は赤ちゃんの発達を助けるため、赤ちゃんが未成熟により死んでしまう稽留流産を防ぐことにも役立ちます。葉酸を摂取することで、流産のリスクに20%も違いが出ると言われるため、積極的な葉酸摂取をしていきましょう。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

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院長 小松保則医師