妊婦に安全な葉酸か確認するためのポイントがあります


葉酸そのものはただのビタミンB群の1つであり、もともと体内にも存在することから、基本的には妊婦にとっても安全なものです。しかし葉酸を含むサプリメントや食品となると、葉酸以外にもさまざまなものが含まれているため慎重な選別が必要となります。

とくにサプリメントを摂取する時は含有量や添加物、メーカーなどさまざまなことに気をつけていきましょう。

サプリメントを使用する場合は添加物に気をつけましょう

妊婦となると、普段平気なものでも体が受け付けなかったり、思わぬ影響が出たりすることがあります。葉酸のサプリメントを選ぶ時は、リスクをできるだけ減らすため、添加物の少ないものを選ぶようにするとよいでしょう。

栄養素そのままだとサプリメントとして加工できないため、少量の添加物が入っているのは仕方のないことです。しかし添加物の中でも天然由来の成分を使ってあるものを選ぶなど、できることはあります。

妊婦向けのサプリメントを選ぶと添加物が少なくできていることが多いものの、すべてのメーカーが安心というわけではありません。原材料表示を事細かに見ましょう。

また海外のサプリメントを個人輸入などで入手する場合は、原材料の表示義務が日本と異なることがあります。できるだけ国産、国内製造のものを利用することも重要です。

このほか、サプリメントの中には飲みやすくするために味や匂いなどをつけたり、見た目の良さを重視して着色料を使用したりする場合もありますが、こういったものもやはり添加物として避けるべきです。とくに妊娠中は普段平気な匂いでもつわりの影響で耐えられないことがあるため、実用面からも気をつけていきましょう。

できるだけ1つのサプリメントに絞って利用しましょう


妊婦は多くの栄養素を摂取する必要があることから、複数のサプリメントを組み合わせて使用しているという人もいるかもしれません。しかし安全性という観点から見ると複数のサプリメントの摂取は推奨できない行為です。

それぞれのサプリメントは、単体では安全を考慮して配合されています。しかし複数のサプリメントを併用することを前提にはされていません。

他のサプリメントと組み合わせた時、特定の成分同士が反応して妊婦に影響を与えないとは限らないのです。マルチビタミンのように、1種類で複数の栄養素を摂取できるものを使ったり、あるいは病院に相談して安全な組み合わせで処方してもらったりするのがよいでしょう。

また同じ理由で、なにか医薬品を使用している時にも、葉酸サプリの使用は控えた方がよいでしょう。あるいはサプリメントを病院に持ち込み、組み合わせた時の安全性について確認しておくべきです。

医薬品の中にも、抗てんかん薬のように葉酸と相性が悪かったり、葉酸の吸収を妨げてしまう成分が入っていたりするものがあります。

過剰摂取に注意しましょう

サプリメント、食品を問わず、葉酸を摂取する上で注意すべきなのが過剰摂取の問題です。とくに妊婦向けのサプリメントは、必要な分をそれだけでもほぼ賄えるように、数百µgもの葉酸を含んでいるものが多くあります。

毎日記載されている量を摂取するにはおおむね問題ありません。しかし飲み忘れた時にまとめて2回分飲んだり、1回分では足りないからと2回分飲んだりすると、今度は1日あたり900~1000µg以上の葉酸を摂取することになり、過剰となってしまいます。

またサプリメントの中には、記載の含有量と実際の含有量に、国が定めた以上の誤差が見られるものもあります。過剰摂取の心配のない含有量のものを選ぶほか、有名メーカーや国内メーカーのものを選ぶのも自分を守る大事な手段となるでしょう。

さらに過剰摂取となる可能性があるのは葉酸だけではありません。たとえば葉酸を含む食品としてレバーがあります。

レバーはビタミンAも多く含まれている食材であるために、ビタミンAの過剰摂取を控えるべき妊婦が日常的に食べるには不向きです。葉酸を必要量摂取しようとしたら、ビタミンAが過剰になってしまったという可能性もあるでしょう。

安全を考えるのなら、栄養素一つひとつに過不足ないことが重要です。

(まとめ)妊婦にとって安全な葉酸はどう選ぶの?

1.妊婦に安全な葉酸か確認するためのポイントがあります

葉酸はビタミンB群の1つに過ぎないため、妊婦にとっても安全です。しかしサプリメントや食品から葉酸を摂取する場合は、添加物などさまざまなものが含まれていることもあってよく注意する必要があります。

2.サプリメントを使用する場合は添加物に気をつけましょう

サプリメントを利用して葉酸を摂取する場合、安全を確保するためにも添加物の少ないものを選びましょう。国産・国内メーカー製造、天然由来の成分使用、着色料や香料の不使用などを確かめることも重要です。

3.できるだけ1つのサプリメントに絞って利用しましょう

複数のサプリメントを併用してしまうと、単体では安全なサプリメントであっても、添加物同士の相性などそれぞれの成分の組み合わせで妊婦に影響を与える可能性があります。医薬品を使用する場合も、医師への相談などで安全性を確かめるとよいでしょう。

4.過剰摂取に注意しましょう

忘れてはいけないのが、サプリメントの飲み過ぎ、あるいは特定の食品ばかり摂取することによる過剰摂取です。葉酸以外の栄養素が過剰になることもあります。

食べ物だからといって安全とは限らないため、よく考えて食べましょう。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

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院長 小松保則医師