張り止めと葉酸の併用は、妊婦に影響はないと考えられています


切迫流産や切迫早産の可能性がある時を中心に処方される張り止めは、もちろん妊婦の体調を考慮された上で作られているため妊婦の服用は問題ありません。一方で、この張り止めを飲んでいる時、葉酸サプリを普段から摂取している場合でも、張り止めと葉酸サプリの相性は悪いものではないと考えられています。

心配であるなら処方の際に薬剤師に相談するのがベストです。

張り止めの薬と葉酸の相性は問題ないと言われています

張り止めの薬として、ウテメリン・ダクチラン・ズファジラン・リトドリンなどが処方されることがあります。お腹の張りは子宮が収縮してしまうことが原因です。

張りが起こっている時はなんらかの刺激により交感神経が優位になって子宮の収縮に繋がっているため、交感神経に作用する薬で子宮収縮を抑え、張り止めとするのが主な方法とされています。緊急で症状が重い場合は入院して点滴によってこれらの薬を投与することもありますが、軽ければ錠剤の処方で様子見となるでしょう。

ウテメリン・ダクチラン・ズファジラン・リトドリンといった主要な張り止めの薬は、葉酸と特別相性が悪いことは確認されていません。そのため葉酸サプリを飲んでいたところにこれらの張り止めの薬を飲んでも問題はないとされています。

ただし長期間の服用となると葉酸の効果を弱めてしまったり、薬の添加物が影響したりする可能性もなくはありません。長期間服用する時は医師に葉酸との服用について相談しておくとよいでしょう。

まれに張り止めとサプリメントの相性が悪い場合があります


張り止めの薬と、葉酸そのものの相性は特別悪くありません。しかしそれはあくまで葉酸に限った話であるということを忘れてはいけません。

葉酸のみを配合しているというサプリメントは少なく、どちらかといえば葉酸と相性のよいビタミンや、その他各種栄養素などを各社の基準で配合したサプリメントがほとんどです。それぞれのサプリメントの内容は各社によって異なるため、張り止めと今服用しているサプリメントの相性が絶対によく安心であるとは言い切れないでしょう。

また短期間なら問題なくても、長期間服用することで影響が出てきてしまう可能性もあります。

基本的には葉酸と張り止めの相性は問題ありませんが、万全を期すのであれば医師や薬剤師にサプリメント等の現物を持参した上で相談するのがベストとなります。すでに処方された後であれば、処方した病院や薬局に電話で問い合わせるのも1つの方法です。

あるいは葉酸のサプリメントと張り止めの薬を飲む時間をずらすのもよいでしょう。

ちなみに張り止めの薬にも、薬である以上はやはり副作用が存在し得ます。なんらかの症状が出た場合に、葉酸を飲んでいたから葉酸が悪いのかもしれないと思って自己判断で葉酸サプリをやめる、というようなこともあるかもしれません。

しかし葉酸は関係なく薬の副作用である可能性の方が高いため、疑いがある場合は安易な自己判断はせずに病院へ行くことが大切です。

張り止めの時は安静を心がけましょう

過度のお腹の張りは、赤ちゃんの早産、流産にも繋がりかねない一大事です。張り止めの薬が処方されている時はとにかく安静を心がけましょう。

医師の診断や週数などの状態にもよりますが、基本的にはできる限り家事などを控え、力を使う動作にもなるべく手を出さないことが大切です。またストレスや冷えなども張りの原因となるため、生活環境にも注意しましょう。

自宅で安静にしても状態が良くならない場合は入院となってしまいます。パートナーなど周囲の協力を得ながら、お腹の赤ちゃんのためにもできるだけお腹に負担をかけないよう心がけましょう。

また仕事があって休めない、という人もいることでしょう。仕事がある時でも、できれば会社に相談して休んだり、あるいは椅子やソファなど横になれる場所を確保したりしておきましょう。

ムリして働いている人もいますが、それで流産してしまう人もいます。後悔しないためにも、お腹の赤ちゃんのことを考えできる限りムリはしないようにしていくことが一番です。

(まとめ)妊婦が張り止めと葉酸を併用しても大丈夫?

1.張り止めと葉酸の併用は、妊婦に影響はないと考えられています

妊婦に対して処方されるお腹の張り止めの薬は、もちろん妊婦が服用しても問題なく、葉酸との相性も悪くありません。心配であるなら病院や薬剤師に相談してみるとよいでしょう。

2.張り止めの薬と葉酸の相性は問題ないと言われています

張りは交感神経の作用による子宮収縮が原因であるため、交感神経に働きかける薬が主に出されます。ウテメリン・ダクチラン・ズファジラン・リトドリンなどは葉酸の摂取による悪影響も確認されていません。

3.まれに張り止めとサプリメントの相性が悪い場合があります

葉酸と張り止めは問題なくとも、葉酸が含まれるサプリメントとの相性がよいとは必ずしも限りません。また薬に関しては副作用もあります。

異変を感じたら決して自己判断せず、まずは現物を持って病院へ相談しましょう。

4.張り止めの時は安静を心がけましょう

過度のお腹の張りを感じた時は、流産のリスクを抑えるためにも安静が第一です。できるだけ体を動かさず、家事や仕事も控えましょう。

仕事が休めない場合でも、できるだけ休むか安静にできる環境を整えることが大切です。ムリは禁物となります。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
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院長 小松保則医師