いつから行動すべきかは、年齢や卵子の状態によります


妊娠するためには卵子が今体内でどんな状態にあるのかが深く関わっています。卵子が老化していたり、排卵しにくくなっていたりすると不妊の原因になってしまうため、不妊治療のタイミングで悩んでいるなら検査をしてもらうのも1つの手です。

また自分の生活習慣を整えるようなことも、早いうちから行動を始める方が妊娠によい影響を与えます。

卵子の加齢は本人が生まれた時から始まっています

女性の中には、卵子は男性の精子のように日々体内のどこかで新しく作られている、と思っている人も少なからずいます。しかし実際には、卵子は体内で作られているわけではなく、母親のお腹にいる時から一生分の卵子をすでに持った状態で生まれてくるのです。

そのためたとえば貧血の時に鉄分を含んだ食材やサプリメントを摂って新たに血を作りやすくする、というような方法は卵子には通用しません。

卵子に対してできるのは、新しく作ることへのサポートではなく、今ある卵子をいかに劣化させずにおくかということです。

生まれた時にすでにすべての卵子のもとが体内にあるため、年齢を重ねれば重ねるほど卵子も同じだけ年をとっていきます。

将来女性が30代・40代となった時、同じ30歳・40歳である卵子が、生まれた時と同じ状態で存在しているとは限りません。

老化してしまった卵子は精子と出会っても受精卵になりにくくなったり、染色体異常を起こしたり、流産しやすくなったりするため、劣化を防ぐことは大切です。

長年体内にあるものだけあり、卵子のもとは日頃の生活習慣の乱れや、ストレスの影響を強く受けます。

一時的にではなく、日常的に生活習慣を整え規則正しい食生活をし、ストレスを溜めずに飲酒や喫煙を控え、適度な運動をして早寝早起きをするといったような地道な行動が卵子の劣化を防ぐポイントです。

排卵3ヶ月前までに卵巣機能を整えておきましょう


不妊に悩んでいる人が、もう1つ覚えておくとよいタイミングが排卵です。毎月、体内に残っている卵子のうち複数がランダムに選ばれ、ホルモンの影響を受けて数ヶ月かけて卵胞の中で育っていきます。

そのうちもっとも大きく育った1個が卵胞を破って外へと飛び出し、排卵となるのです。しかしこの時20mm程度まで卵胞が育っていないと排卵に至らず無排卵状態となることがあり、不妊の原因となります。

卵子の質は一度落ちると元に戻すことができません。しかしこの卵胞が育つ過程に関してはさまざまな方法で体調を整えておくことで、発育を良くすることが可能です。

たとえば卵胞が大きく育たない一因としては卵巣機能の低下が挙げられます。加齢やホルモンバランスの乱れ、ストレスなどが影響するほか、病気で卵巣機能が低下していることもあるため、婦人科で検査してみるのもよいでしょう。

また意外かもしれませんが、低用量ピルであえて排卵を抑え、毎月の排卵で疲れてしまった卵巣を休ませるという方法もあります。休んだことで卵巣機能が元に戻り、卵胞が大きく育ちやすくなるのです。

卵胞が育ちはじめ、排卵されるまでには80日ほどかかると言われています。結果が出るまでに時間がかかるため、早めに医師と相談しつつ見直していくとよいでしょう。

不妊治療は早めに始めましょう

将来的に子供がほしいと考えている人の中には、そもそもいつから不妊治療を始めるべきか悩んでいる人もいるかもしれません。不妊治療は保険適用外の部分が多く、時間的にも金銭的にも負担が大きくなりがちなことから、二の足を踏んでいる人もいるはずです。

実際には、結婚して普通の性交渉がある夫婦の場合、1年以上自然妊娠していないのであれば不妊症であると言われています。

仕事が忙しかったり、家庭の事情があったりなどで将来的には妊娠したいけれども、今はまだいいと考えている場合でも、ひとまずAMH検査で卵子の数だけは調べておいた方がよいでしょう。

年齢が高くなるほど妊娠への壁は厚くなります。たしかに40歳以降で妊娠した人も多数存在しますが、自分が同じようにすぐに妊娠できるとは限りません。

また若いうちならゆっくりと体に負担をかけずに治療を進められたはずが、高齢であるために手段が限られてしまい、数百万円かけて確率の低い賭けをせざるを得ない状態になることもあります。

まずは検査をして閉経までの残り時間を知り、いつから不妊治療をするべきか逆算するのが近道です。

(まとめ)卵子のためにはいつから行動するのがいいの?

1.いつから行動すべきかは、年齢や卵子の状態によります

妊娠するためには卵子の状態が重要です。卵子は老化することもあり、そのせいで不妊の原因になっている場合があります。

卵子のためにいつから行動すべきか悩んでいるのなら、できるだけ早いうちに行動を始める方がよいでしょう。

2.卵子の加齢は本人が生まれた時から始まっています

卵子は体内で新しく作られることがないため、卵子を作りやすくする行動というものはありません。数は減るしかなく、しかも加齢で自然に質も衰えていきます。

せめて質が落ちないように早いうちから生活習慣を整えておく必要があるでしょう。

3.排卵3ヶ月前までに卵巣機能を整えておきましょう

排卵されるまでに、卵子は80日をかけて大きくなると言われています。そのため卵子を作ることはできないものの、その成長を助けることは可能です。

成長には時間がかかるため、婦人科で相談のうえ早めに見直しましょう。

4.不妊治療は早めに始めましょう

いつから不妊治療を始めるべきか悩んでいる人もいるかもしれません。しかし1年以上自然妊娠していなければ不妊症の可能性があります。

若いうちの方が豊富な治療手段があるため、検査だけでもしておくと後々有利になるでしょう。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師