卵子のサイズで排卵日が予測できるため、妊娠しやすくなります


女性の卵巣に入っている卵子は、毎月の排卵ごとに複数個が育ち、その中からもっとも大きく育った1個が排卵されます。そこで育っている途中の卵子のサイズを調べておくことで成長の度合いがわかり、実際の排卵日を予測することができるのです。

排卵日が予測できれば妊娠の計画が立てやすくなり、体外授精などの採卵にも役立つでしょう。

妊娠のタイミングを図るには卵胞のサイズが大切です

妊娠するためには、卵子が女性の体内で成熟し、排卵されなければなりません。女性が妊娠できるのは、排卵日から排卵された卵子が寿命を迎えるまでの24時間、実質はさらにその半分の12時間ほどです。

そのため妊娠するためにはいかに排卵日を予測するかが大切になります。排卵される卵子は、卵巣の中で日々女性ホルモンの影響を受けて少しずつ育っていきます。

毎月、排卵のために複数個の卵子がランダムで選ばれ、卵胞という袋の中で大きくなってゆくのです。最初はわずか0.03mmほどだった卵胞が、最終的には20mm以上にまで育ちます。

1日でどれくらい大きくなるかはほぼ決まっているため、卵胞のサイズを調べることで、排卵日を逆算することができるのです。

また体外受精する場合は、成熟した卵子を採卵する必要があります。そこで大きく育った卵子を最適なタイミングで取り出すためには、やはり卵子のサイズをあらかじめ調べて、採卵日を調節する必要があるのです。

またもし卵子が大きく育っていなければ、採卵を中止しなければなりません。このため妊娠するために卵子のサイズを調べることは有意義なこととなります。

卵胞のサイズを検査してもらいましょう


実際に現在、卵胞がどのくらい育っているかは、経腟超音波検査という産婦人科の検査で調べることができます。名前からわかるとおり、膣にプローブという、超音波を出すための医療器具を差し込み、超音波の反射を調べることによって卵胞のサイズがわかる仕組みです。

また経腟超音波検査に加えて、尿検査で排卵直前に分泌の多くなる黄体形成ホルモンの数値を調べることで、より正確に排卵日の予測を立てることができます。なおこれらの検査には保険が適用されず、全額自費負担が基本です。

費用はクリニックによって差があり、超音波検査がたいたい2000~5000円となっています。ちなみに経腟超音波検査をすることで、子宮内膜症・卵巣嚢腫・子宮筋腫といった妊娠に不利な病気も見つけることができます。

とくに子宮内膜症は不妊に悩む女性の4分の1~半分ほどに認められるというデータもあります。不安であれば一度調べてもらった方が安心できるでしょう。

卵胞を大きく育てる方法があります

卵胞がどれくらい大きく育つことができるかは、女性の卵巣機能やホルモンバランスなどによっても変わってきます。また一度の月経サイクルで育つ卵胞の数は、20代女性では1000個ほどですが、40代になると数十個にまで落ち込んでしまうのです。

さらに仮に育ったとしても、卵子にも質があり、最終的にもっとも大きく育った1個が、受精できるだけの力を備えているとは限りません。大きく質のよい卵子を成熟させるためにも、体質を整えておきましょう。

ホルモンバランスが乱れていると卵胞が育ちにくくなるため、早寝早起きや栄養バランスの整った食事など規則正しい生活を心がけ、ストレスも溜めないようにすることが重要です。

また医療行為としては排卵誘発剤を使用し、ホルモンの分泌を促して卵胞の成長力を強めるという方法もあります。

さらに加齢などによって卵巣機能が低下している場合など、低用量ピルを使って排卵を抑え、一度卵巣を休めて卵巣を整えるというケースもあります。

卵子のサイズを調べてうまく育っていないようであれば、これらの方法も検討してみるとよいでしょう。

(まとめ)卵子のサイズは不妊治療にどんな関係があるの?

1.卵子のサイズで排卵日が予測できるため、妊娠しやすくなります

卵巣の中で育っている卵子のサイズから逆算していくことで、排卵日を予測することができます。

排卵日がわかれば妊娠計画を緻密に立てることができるため、卵子のサイズを調べておくことは重要です。

2.妊娠のタイミングを図るには卵胞のサイズが大切です

排卵された卵子が受精能力を持つのはたったの12時間しかありません。卵子の育ち方には特徴があるため、卵子のサイズを調べることで正確な排卵日がわかります。

とくに体外授精の場合は、大きく育った卵子を採卵するためにも、排卵日が重要視されるのです。

3.卵胞のサイズを検査してもらいましょう

卵子の現在の大きさは、経腟超音波検査によって判明します。これに加えて尿検査もしておくことで、より正確な排卵日の推定が可能です。

費用は全額自費負担となりますが、子宮内膜症などの有無も検査できるため、調べてもらった方が便利です。

4.卵胞を大きく育てる方法があります

卵胞がどれくらい大きくなるかは卵巣機能やホルモンバランスによって変わります。また排卵誘発剤や低用量ピルを使う方法もあります。

大きく、かつ質のよい卵胞を得るためにも、ストレスを溜めないようにし、規則正しい生活を心がけましょう。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師