卵子と卵胞には違いがあります


卵子と卵胞はよく混同されやすい言葉のひとつですが、はっきりとした違いがあります。
卵胞は卵子が入っている袋のことで、卵子は核のような存在です。

卵胞は卵胞細胞・顆粒膜細胞(かりゅうまくさいぼう)・莢膜細胞(きょうまくさいぼう)で、卵子を包み込んでいます。

しかし加齢などが原因となって、卵子を持たない卵胞である空胞が生まれることがあるのです。
空胞は妊娠率の低下を招くため、なるべく早い段階からクリニックで検査をすることをおすすめします。

排卵の仕組みを知ると卵子と卵胞の違いがわかりやすくなります

卵子と卵胞は言葉こそ似ていますが、違うものです。
卵胞は卵子が入っている袋のようなもので、卵胞細胞・顆粒膜細胞・莢膜細胞の3つで卵子を包んでいます。

卵子は卵胞の核にあたるような存在になります。
この違いを理解するためには、排卵の仕組みについて知るとわかりやすいです。

どのような流れで排卵が起こるのかを知り、不妊治療への理解にも繋げましょう。
月経が始まる際に視床下部から下垂体に向けて、卵胞を作るための指令が出されます。

指令を受け取った下垂体は卵胞刺激ホルモンを分泌して、卵巣内にいる卵胞を刺激するのです。
刺激された卵胞は発育して成熟し、エストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌して、子宮内膜を厚くします。

卵胞が成熟し切ってエストロゲンが充分に分泌されると、今度は別の指令が下垂体から卵胞に出されるのです。
指令によって卵胞の膜が破れ、中から卵子が飛び出します。
これが排卵の仕組みです。

排卵が行われた後は、卵巣にできた黄体から黄体ホルモンが作られます。
黄体ホルモンが作られてから約2週間は体温が上がり、高温期に突入するのです。

卵子はやがて卵管にピックアップされて、精子との出会いを待ちます。
卵管へのピックアップは毎回行われるとは限らず、数回の排卵のうち1回程度の割合だと言われています。

卵管内の卵子は精子と出会って受精卵となり、子宮へと移動します。
子宮内は子宮内膜がふかふかのベッドのようになっており、受精卵が無事着床を終えると、子宮内膜が剥がれ落ちるのです。

こうして女性は毎月、月経を迎えることになります。
ある程度の年齢になると生まれながらにして持っていた卵子を使い切り、排卵や月経が起こらなくなるのです。
個人差はありますが、50歳頃を目途に閉経の兆しが現れます。

排卵障害は不妊の原因になります


不妊の原因は数多くありますが、排卵障害があると妊娠する確率が低下しやすくなります。
排卵障害に該当する主な症状には、次のようなものがあります。

卵巣機能の低下

視床下部や下垂体の指令通りに卵胞が育たないなど、卵巣が正常に機能していない状態です。

卵巣にある原始卵胞という、女性が生まれつき持っている卵子のもとが減少しているためだと考えられます。
不妊治療専門のクリニックでは、排卵誘発剤の投与などによって治療を行います。

月経の停止

さまざまな原因が考えられますが、過度のダイエットや不規則な生活などの影響で、月経が止まってしまうことがあるのです。

まずはクリニックを受診し、医師のカウンセリングを受けながら、原因を見つけていくことになります。
原因が判明した後に適切な対処を行い、場合によっては排卵誘発剤を使って治療をします。

不妊治療では排卵誘発剤を使用して治療を進めます

不妊治療は患者さんの年齢によって、妊娠する確率に大きな違いがあります。
卵子や卵胞の疾患は、年齢が高くなればなるほど、発生するリスクが高まります。

排卵障害が疑われる場合は早めにクリニックを受診し、不妊の原因を解消するようにしましょう。
不妊治療で排卵障害に対処する場合は、次の薬剤が使われることが多くなります。

クロミッド

軽度の排卵障害に効果的だとされる内服薬です。
服用してから約14日後に、排卵が起こるとされています。

hMG製剤

排卵障害が重いと診断された時に使われる注射薬です。
卵巣を直接刺激し、卵胞の成熟を促します。

これらの薬剤は効果が認められる一方、まれに副作用が起こることがあります。
医師とよく話し合い、安心で安全な不妊治療を受けましょう。

(まとめ)卵子と卵胞に違いはある?

1.卵子と卵胞には違いがあります

卵子と卵胞は混同されやすい言葉ですが明確な違いがあります。

卵胞は卵子を包み込む袋のようなもので卵胞細胞、顆粒膜細胞、莢膜細胞によって卵子は取り囲まれているのです。
年齢が高くなると空の卵胞である空胞が発生することがあり、不妊の原因となります。

2.排卵の仕組みを知ると卵子と卵胞の違いがわかりやすくなります

卵子と卵胞の違いを理解するには、排卵の仕組みを把握するとわかりやすくなります。

排卵とは下垂体からの指令によって卵子が卵胞の膜を破り、外に飛び出した状態です。
無事卵管にピックアップされた卵子は、精子との出会いを経て受精卵となります。

3.排卵障害は不妊の原因になります

卵巣機能の低下や無月経などの症状は、排卵障害に該当し、不妊の原因になるのです。

不妊治療専門のクリニックでは、排卵誘発剤の投与などを行い、患者様に合わせた治療を行います。

4.不妊治療では排卵誘発剤を使用して治療を進めます

不妊治療では排卵誘発剤を使用して、患者様に適した治療を進めていきます。

年齢の違いで妊娠する確率が変わってくるため、なるべく早めに医師に相談するようにしましょう。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
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院長 小松保則医師