不妊症って、どういうこと?

「妊活していても、なかなかその兆しがない」「私たち、不妊治療をしなくてはいけないのかしら」って、悩まれていませんか。

不妊症ってどういう状態でしょうか。不妊とは、避妊せずに1年経っても赤ちゃんができないことで*、治療しなければ妊娠の可能性がほとんどないと考えられています。不妊症とは、不妊に対して治療をはじめた場合のことをいいます。

* 不妊の定義について、日本産科婦人科学会理事会では、以前は2年としていましたが、海外の動向に配慮して2016年1月に1年に短縮することを決めました。そして、女性の年齢が35歳以上の場合、半年の期間でも検査を開始できるとしました。

加齢によって不妊になりやすい

若い健康な夫婦が避妊しないで継続的に性交渉を行えば、おおよそ半年から1年ぐらいで妊娠します。ところが、年々、男女ともに結婚年齢が上がり、第一子を産む女性の年齢が上昇しています(図1)1)。女性の社会進出が進み、結婚後も女性が仕事を続け、ある程度キャリア形成の目途が立った時点で出産を考えるケースが増えているからです。

 

図1 わが国における母親の第一子出産時の平均年齢
(妻の平均初婚年齢/夫の平均初婚年齢)
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1975年 25.7歳 (24.7歳/27.0歳)
2016年 30.7歳 (29.4歳/31.1歳)
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内閣府, 平成30年版 少子化社会対策白書(厚生労働省「人口動態統計」)より作成

 

一方、妊娠するためには、体の中でさまざまな条件がかみ合わなければなりません。1つの卵子と精子が出合い、小さな命となりますが、排卵は1か月に1回、卵子の寿命は24時間程度しかありません。一方、射精された精子は2~4億個あるのですが、受精能力がある時間は48時間くらいで、子宮内を通り卵子に巡り合うまでには多くの障害があります。そして、やっと出合って受精卵となり、やがて子宮内膜に着床して妊娠が成立します2)。

結婚年齢が上がってくると、この妊娠の過程にいろいろな問題が起こってきます。女性が加齢すると、卵子の数が減り、卵子の質も低下するといわれています。また、子宮内膜症や子宮筋腫などを発症して、妊娠しにくい子宮環境になる場合もあります。

一方、男性の場合、女性ほどには加齢の影響がないように思われがちですが、やはり精子の減少や運動性の低下がみられ、受精が若いころよりは難しくなる場合もあります。

不妊の原因は男性にも

長らく不妊の原因は女性にあると思われ、不妊治療をするのは女性だけだと思われてきました。しかし、医療が進歩して、実は男性側にも不妊の原因があることがわかってきました。

WHO(世界保健機関)が男女どちらに不妊の原因があるかを調査したところ、男性のみの場合24%、夫婦両方に原因がある場合24%、女性のみが原因の場合41%、原因不明が11%という結果でした3)。つまり、男性に何らかの問題があり、不妊の原因になっていることが48%(男性のみ原因24%+夫婦両方が原因24%)にも上ります(図2)。不妊の原因の半分は男性にあるのです。したがって、不妊治療を開始しようとするならば、夫婦で取り組むことが重要です。

 

図2 男女どちらに不妊の原因があるか?(WHOの調査)
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男性のみが原因の場合 24%
夫婦両方に原因がある場合 24%
女性のみが原因の場合 41%
原因不明 11%
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WHO(世界保健機関), 1996年発表データより作成

 

夫婦でよく話し合って受診を

女性の妊娠の適齢期は18歳から32歳程度だといわれています。不妊治療をスタートしても、思うような結果が得られないこともあります。特に仕事をもっていれば、不妊治療と仕事とを両立させるのは簡単ではありません。

そんなとき、夫婦間で不妊治療に対する思いがずれてしまうこともあります。お互いにストレスをため、イライラしたり、不安を感じたりしてもよいことはありません。

治療を始める前に、お互いのライフプランや治療期間、予算など、夫婦2人で話し合って決めておきましょう。そして、つらさや不安な思いなども1人で抱え込まず、いつでも話し合い、ときにはお互いがリラックスできる時間をもつことが大切です。

不妊症治療の進め方

不妊症治療の基本的な進め方としては、まず各種検査や問診により妊娠できない原因を探って、基本的なタイミング指導(基礎体温から排卵日を予測すること)を行います。検査の結果、夫婦ともに異常がなかった場合は、タイミング法による自然妊娠を図ります。
数回のタイミング法で妊娠ができなかった場合は、人工授精へと移ります。人工授精によって妊娠ができなかった場合は体外受精を、体外受精を行っても受精が得られない場合は、顕微授精を行います(図3)。

図3 一般的な不妊症治療の進め方

治療法をステップアップする際は、夫婦で意思統一を図るとともに、医師とよく相談して行うことが肝心です。

 

<参考資料>

1)内閣府, 平成30年版 少子化社会対策白書(厚生労働省「人口動態統計」)

2)馬場一憲(編), 目でみる妊娠と出産. 文光堂 2013

3)WHO(世界保健機関), 1996年発表データ

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

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院長 小松保則医師