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不妊症の人はバランスのよい食生活をしましょう
食事は体を作る基本です。不妊症の人の場合、偏った食生活をしていて体の機能が低下していたり、あるいは肥満や痩せすぎになってしまったりしている可能性もあります。
また高齢になるほど加齢によって衰えた部分を食事で補う必要も出てきます。食生活を整えることで、自分の体もまた妊娠に向いた体に整えることができるでしょう。
とくに抗酸化作用のあるものを中心に、バランス良く食べていくことが重要です。
抗酸化作用のある食べ物が、卵子の質を維持します
不妊症の人がとくに積極的に摂取すべき食べ物としては、抗酸化作用のある食材が挙げられます。実は、人間の体は加齢とともにどんどん酸化していきます。
鉄が酸素に触れて錆びていくのと同じように、体の細胞も血液に乗って運ばれる酸素によって錆びていくのです。しかし酸素が悪いといってももちろん、人間は酸素がなければ生きられません。
問題となるのは酸素の中でも「活性酸素」と呼ばれるもので、体内の酸素から作り出されます。酸素より強力で、適量の活性酸素は体に必要なものなのですが、多すぎれば害となります。
活性酸素は、とくに妊娠においては卵子の老化を進めてしまうと言われているのです。卵子の老化が進めば、受精し赤ちゃんとして育つための機能が衰え、なかなか妊娠あるいは出産にまで至りません。
もともと、人間の体には活性酸素が多くならないよう、抗酸化酵素を作り出す機能が備わっています。
しかし加齢とともにこの機能も衰えてしまうため、高齢になればなるほど活性酸素が増え、卵子の質が落ち、年齢とともに不妊率が上がっていくのです。
そこで抗酸化作用のある食べ物を摂取することで、活性酸素を中和していく必要があります。
ビタミンや亜鉛、銅などを積極的に摂取しましょう
抗酸化作用のある栄養素として知られているのが、βカロテン・ビタミンC・ビタミンEです。また亜鉛や、銅・セレン・マンガンなど抗酸化ミネラルも、文字通り抗酸化作用があるといわれるため摂取していくとよいでしょう。
これらの栄養素を含む食材は多岐にわたります。一例としてβカロテンは、かぼちゃ・人参・ほうれん草など緑黄色野菜に多く含まれています。
またビタミンCはいちごや柿、赤ピーマンなどに多く含まれ、ビタミンEはアーモンドや落花生などナッツ類や、すじこやうなぎなど魚介類を中心に含まれるものです。
亜鉛は、牡蠣・牛肉・豚肉、銅は、牛レバー・干しエビ、セレンは、マグロの刺身・ネギ、マンガンは、生姜・栗・しじみなどによく含まれています。
そしてもう1つ重要なのは、これらのビタミンなどの栄養素は、単独で摂るよりも他の栄養素と一緒に摂取した方が効果が高まりやすいという点です。
たとえばビタミンCとビタミンEは相性が良く、同時に摂取することでお互いに効果を高めると言われています。
またいくらこれらの栄養素が大事だからといっても、他の栄養素をないがしろにしてよいわけではありません。タンパク質なども妊娠するためには大切な栄養素です。
それぞれを意識して毎日適量摂取していくのは大変なこととなるでしょう。
一番手軽なのは、抗酸化作用のある食品を積極的に取り入れつつも、他の食材もまんべんなく使い、穀物や野菜、肉・魚・海藻・豆・きのこなどバランスのよい食生活を心がけることではないでしょうか。
サプリメントは正しく摂取しましょう
どうしても外食が続いてしまう場合など、食生活が乱れがちな時に、サプリメントを利用したいという時もあるかもしれません。しかしサプリメントで栄養を補う場合にはいくつかの注意点があります。
まずそれぞれの栄養素には摂取上限が定められている場合があります。過剰摂取しても尿と一緒に排出されるため問題ない栄養素もありますが、中には過剰摂取によって健康被害をもたらすものもあるため注意が必要です。
たとえばβカロテンは体内でビタミンAに変化しますが、ビタミンAの過剰摂取は赤ちゃんに先天異常をもたらす可能性が指摘されています。
サプリメントを使用していると、当然普段の食事とサプリメント、両方から栄養を摂取することになります。
知らないうちに摂取上限を超えている可能性もあるのです。
またサプリメントの中にはさまざまな添加物が入っていることもあり、さらには今服用中の薬がある場合相性が悪いこともあります。
安易な使用をすると、逆に不妊症を悪化させる危険もあるため、医師に相談しながら適切な摂取をしましょう。
(まとめ)不妊症の人はどんな食生活をしたらいいの?
不妊症の人は偏った食生活をしていると、体の機能が低下するなど妊娠しにくい体になってしまう可能性もあります。
抗酸化作用のある食材を中心にバランスのよい食事を摂りましょう。
不妊症の人がとくに気をつけたいのが卵子の質です。体内の活性酸素が卵子の老化を進めてしまいます。
そこで抗酸化作用のある食材を積極的に摂っていくことで、活性酸素を中和させ、卵子の質を維持しやすくなるでしょう。
抗酸化作用のある栄養素としては、βカロテン・ビタミンC・ビタミンE・亜鉛・銅・セレン・マンガンなどがあります。
単独で摂るよりも組み合わせた方が摂取効率が良くなることもあるため、バランス良く食べてまんべんなく栄養を摂りましょう。
サプリメントを利用する場合もあるかもしれません。しかし安易にサプリメントを使用すると、過剰摂取や添加物による健康被害や、服用中の薬との相性問題などが出てくる場合があります。
医師に相談してから使用しましょう。