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タバコを吸うと不妊になりやすいと言われています
健康被害が大きいとしてタバコを敬遠する人が増えていますが、専門医の間ではタバコは不妊の原因になる確率が高いと考えられています。
専門医の80%近くがタバコは不妊のリスクを高めると回答したというデータがあります。
タバコを吸う習慣がある女性が妊娠すると、妊娠や出産への影響が出ることも懸念されているのです。
子宮外妊娠や早産、流産が起こりやすくなるとされ、胎児の心身の発達にも大きなダメージを与えるという意見があります。
タバコは不妊の原因を生みます
タバコによる健康被害について取り沙汰されることが多いですが、女性への深刻な影響としては、閉経時期が早まることが挙げられます。
卵細胞がタバコの影響でダメージを受けてしまい、平均年齢よりも早く閉経を迎えることになるのです。
またタバコを吸い続けていると、妊娠を希望してから妊娠に至るまでの期間が長くなりやすいと言われています。
1年以上経っても妊娠できない人の割合は、タバコを吸わない人に比べて3倍ほども増加するというデータもあり、タバコによる不妊の影響が明らかになっているのです。
タバコを吸う人は自然妊娠が難しいだけでなく、体外受精を行っても妊娠率が上がりにくいとされています。
- 35歳以下 約38~45%
- 40歳代前半 約26%
- 40歳代半ば以降 10%以下
これはタバコを吸っていない人が体外受精を受けた場合の妊娠率です。
日常的にタバコを吸っている人の場合は、妊娠率が上記の半分以下になるという説があります。
体外受精などの不妊治療では、排卵を促すために排卵誘発剤を使用します。
しかしタバコを吸っている人は排卵誘発剤を使っても卵巣が刺激されず、卵胞が成長しにくいです。
卵胞が成長しなければいくら不妊治療を行っても、妊娠することができなくなります。
また受精率や着床率の低下も指摘されており、タバコが妊娠にとってよい点は1つもないと言えるでしょう。
受動喫煙に気をつけましょう
妊娠を望む女性がタバコを吸わなくても、他人のタバコの煙を吸い込む恐れがあります。
自分の意志に関わらず、他人のタバコを吸ってしまうことを受動喫煙といいます。
タバコを吸う人が直接吸い込む主流煙よりも、副流煙の方が害が大きいことがわかっており、タバコが敬遠される理由にもなっているのです。
厚生労働省の発表によると副流煙に含まれるニコチンは主流煙の2.8倍、タールは3.4倍、一酸化炭素が4.7倍も多くなるのです。
血圧と心拍数を上昇させ、心臓の負担となります。
依存性が高いことでも知られています。
発ガン性があると言われているのです。
1日に20本吸った場合、コップ1杯分にもなります。
タバコには環境衛生基準許容量の2,000倍もの一酸化炭素が含まれています。
呼吸器系疾患の原因にもなるでしょう。
受動喫煙の被害については以前から議論になっており、受動喫煙対策を強化するための健康増進法改正案が2018年7月に議会で可決されました。
これまで努力義務だった受動喫煙の防止が義務づけられるため、公共の場でタバコの影響を受けるリスクは今後減っていくと考えられます。
タバコにストレス解消効果を期待するのは止めた方がよいです
タバコをストレス解消のために吸う人は多いですが、妊娠を願うのであれば今すぐにでもタバコはやめましょう。
有害物質を多く含むタバコは一時的な気分転換にはなっても、長い目で見れば重大な健康被害をもたらす可能性が高いです。
不妊になる原因を1つずつなくしていくためにも、家族にもタバコを控えてもらう必要があります。
不妊を克服するには、夫婦そろってタバコを遠ざけるのが理想的です。
タバコによる不妊は女性だけの問題ではなく、男性にも受け止めて欲しい問題です。
タバコは精子の数の減少や運動能力の低下を招くだけでなく、精子のDNAを傷つけることも考えられます。
ストレスの解消は不妊治療にとって大切なことですが、タバコに頼るのは逆効果です。
医師からのアドバイスを受けながら健康的な生活を心がけ、不妊治療が成功する可能性を高めましょう。
(まとめ)不妊とタバコの関係性とは?
専門医の80%近くがタバコは不妊を引き起こすと考えているというデータがあります。
タバコは不妊のリスクを高めるだけでなく、子宮外妊娠や早産、流産などが発生しやすくなるという懸念が示されています。
タバコによる健康被害については話題になることが多いですが、不妊になる原因の多くはタバコによるものです。
早期閉経になるリスクが高まり、卵胞の発育不全や着床率の低下などについても指摘されているのです。
本人の意思に関わらず、タバコの煙を吸ってしまうことを受動喫煙といいます。
受動喫煙で吸い込む副流煙には主流煙よりも多くの有害物質が含まれています。
タバコがやめられないのは、ニコチンが持つ依存性によるものです。
ストレスを解消したいという気持ちは誰もが持つものですが、タバコを吸っても身体の負担となってしまう場合が多く、母体にとってあまりよいものではありません。
タバコに代わるストレス解消法などについては、医師に相談してみるのもよいでしょう。