黄体ホルモンの分泌不全が不妊の原因になることがあります


黄体ホルモンはプロゲステロンとも呼ばれる女性ホルモンの一種です。
女性ホルモンにはエストロゲンと黄体ホルモンの2種類があり、月経周期に合わせてこれらのホルモンが分泌されることで影響を受けて身体が妊娠しやすいように変化していきます。

黄体ホルモンの分泌が少ない場合には妊娠の準備が十分にできないため、黄体ホルモンが不妊の原因につながると考えられています。

黄体ホルモンは妊娠の準備と妊娠を維持するために必要な女性ホルモンです

妊娠するためにはエストロゲンと黄体ホルモン2つの女性ホルモンの働きが大きく関係します。
エストロゲンには子宮に働きかけて子宮内膜を厚くし肌のハリやツヤ、血管を丈夫にするなどの働きがあるのです。

それに対して黄体ホルモンには厚くなった子宮内膜の状態を整えて受精卵が着床しやすくする役割があります。

女性ホルモンのバランスが良く、子宮内膜が良い状態を保っていると受精卵が子宮内膜に入り込んで着床しやすくなります。
着床した後に受精卵が母体から栄養を摂れるようになると、もう少しで妊娠の確定が確認できるようになるのです。

妊娠からおよそ5週後に着床した受精卵が胚になり、胚が胎嚢(たいのう)という袋のようなものに入った状態になっているのを病院で確認できると妊娠が確定したといえます。

黄体ホルモンには着床の準備のほかにも身体に水分を溜め込む働きや食欲を増進させる、乳腺を発達させるなどの働きがあり、妊娠後には赤ちゃんに栄養を送るための胎盤を完成させるための働きもしています。

黄体ホルモンは排卵後に分泌量が多くなります


女性ホルモンは月経の周期に合わせて分泌されるホルモンです。

エストロゲンは生理後に分泌が多くなるという特徴があり、黄体ホルモンは排卵日の後にエストロゲンと入れ替わるように分泌が盛んになります。

黄体ホルモンは排卵日の後に量が多くなり、体温を上昇させ子宮内膜を整えるなど妊娠しやすい身体を作る働きをします。
そしてその後妊娠しなかった場合には、黄体ホルモンの分泌量が減り子宮内膜が剥がれて月経が起こるという周期が繰り返されているのです。

ところが妊娠した場合には月経前と同じく黄体ホルモンの分泌量が多いままになります。
その影響から月経前の症状と妊娠したときの症状が似ている場合があるといわれているのです。

黄体ホルモンは通常排卵後から月経前に分泌量が増加しています。
そのため黄体ホルモンが月経前に頭痛や肌荒れ、イライラが強く生じる月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)などの原因と考えられているのです。

黄体機能不全は黄体ホルモンの分泌が不足する病気です

黄体ホルモンの数値は排卵後の黄体期の正常値は5~30ng/ml、それ以外の時期の値は1ng/ml以下といわれます。

この黄体ホルモンの数値が正常値よりも低く、なかなか妊娠が望めないという場合には「黄体機能不全」の可能性が疑われるのです。
通常では排卵後の黄体期には黄体ホルモンの分泌が盛んになり体温の上昇がみられます。

しかし、黄体機能不全の状態では体温の上昇期間が短くなってさらに月経の周期が短くなる場合があるのです。
黄体ホルモンの分泌が行われているかどうかは基礎体温を測ることである程度推測することができます。

ではどのような状態に黄体機能不全が疑われるのでしょうか。

・基礎体温表をつけたら高温期が10日以内しかなかったなどのように日数が少ない場合
・高温期と低温期の平均体温の差が0.3℃以内しかないという場合

計測した結果、上記に当てはまる方は早めに医師に相談してください。

黄体機能不全などで黄体ホルモンの量が少ないと診断された場合には、経口摂取や注射での補充を行う黄体ホルモン補充療法や排卵誘発法での改善が期待できるでしょう。

不妊治療は早めの検査、治療が大切です。
少しでも気になる場合は専門のクリニックへ足を運んでみましょう。

(まとめ)黄体ホルモンが原因の不妊とは?

1.黄体ホルモンの分泌不全が不妊の原因になることがあります

黄体ホルモンはエストロゲンと同じ女性ホルモンです。
月経周期に合わせて黄体ホルモンが分泌されることで身体が妊娠しやすいように変化します。

黄体ホルモンの分泌が少ない場合にはそれが不妊の原因の1つと考えられています。

2.黄体ホルモンは妊娠の準備と妊娠を維持するために必要な女性ホルモンです

黄体ホルモンは子宮内膜の状態を整えて受精卵の着床を促す働きがあるため妊娠の準備に必要です。
妊娠した後の胎盤を完成させるための役割を持っていて妊娠の維持にも必要な女性ホルモンといえます。

3.黄体ホルモンは排卵後に分泌量が多くなります

黄体ホルモンは排卵日の後から月経前までエストロゲンと入れ替わる形で分泌量が多くなります。

妊娠しやすい身体を作る働きのほかに頭痛や肌荒れなどの原因にもなるため、妊娠した場合には分泌量が減少せず、妊娠後と月経前の体調が似ているといわれているのです。

4.黄体機能不全は黄体ホルモンの分泌が不足する病気です

黄体ホルモンの数値が低くなかなか妊娠しないというときには黄体機能不全の可能性があります。

基礎体温を測り高温期が短い、月経周期内での体温の差がほとんどないというときには早めに医師に相談したほうが良いでしょう。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

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院長 小松保則医師