医学的にはダウン症の出生率と不妊治療に関係が認められていません


ダウン症は通常2本になるはずの21番目の染色体が3本になっている染色体異常の1つで、21トリソミーとも呼ばれています。
出産時の年齢や、細胞分裂を行うために必要な栄養素が不足していることで生じるといわれています。

不妊治療を行うことによりダウン症児が産まれる確率が増えるという事実はなく、ダウン症になる原因はまだ医学的にはっきりと解明されてはいません。

ダウン症の出生率には出産時の年齢が関係しているといわれます

ダウン症児が産まれる原因ははっきりしていないのですが、出産時の男性や女性の年齢がダウン症児の出生率に影響しているといわれています。

染色体異常の原因は4分の1が精子にあり4分の3が卵子にあるといわれていますが、とくに女性の年齢とダウン症児の出生率には大きな関係があると考えられているのです。

女性の年齢が20代前半の場合にはダウン症児の出生率は約1500人に1人の確率ですが、年齢が上がるとともにその確率が徐々に上がり30歳では約1000人に1人、40歳では約100人に1人の確率になるといわれています。

またダウン症以外の染色体異常が生じる確率はさらに高く、20歳では約500人に1人、30歳で約400人に1人、40歳では約60人に1人というデータがあります。
この確率には女性の病気や遺伝などに関係がなく、単に年齢が高くなることだけに起因しているといえるのです。

女性が一生のうちに作り出す卵子の数は生まれたときに決まっているといわれます。
生まれたときにはすでに女性の身体の中に一生分の原子卵胞が存在していて、その原子卵胞から卵子が作られるという仕組みです。

そのため女性の年齢が高くなると作られる卵子の年齢も高くなり、卵子の老化が原因で必要な細胞分裂が行えなくなるために染色体異常が生じる可能性があると考えられています。

遺伝でなくてもダウン症児が出生する可能性があります


ダウン症は21番目の染色体に異常が生じているため21トリソミーと呼ばれている染色体異常の状態です。

出生時の染色体異常の中では21トリソミーが一番多く生じているといわれていて、さらに標準トリソミー型と転座型、モザイク型の3種類に分けられます。
この3種類の中では標準トリソミー型が一番数が多く、ダウン症の人数のうち90~95%がこの型といわれているのです。

卵子の老化などの理由から、全部で46本ある染色体の数を半分ずつに分ける減数分裂が正常にならず、不均等に分離して21番の染色体が3本になることが原因で生じると考えられています。

両親の染色体が正常でも起こるといわれている型です。
転座型はダウン症の中で5%程度存在するといわれるパターンです。

21番染色体の1本がほかの染色体につき(転座)、トリソミーが生じます。
転座型はその半数がどちらかの親の保因している転座染色体が原因になっているといわれています。

モザイク型は数パーセントしか存在しない珍しい型です。
正常な21番染色体細胞と21トリソミーの細胞両方が存在している型で、親の染色体が正常でも生じるといわれています。
そのためダウン症は約95%以上が遺伝とは関係なく生じる可能性があるといえるでしょう。

不妊治療は出産時期を早めるために行われます

ダウン症の原因ははっきりと解明されていませんが、年齢が上がることでダウン症児を出生する確率が増える傾向にあるといわれています。

そのため不妊治療で出産時期を早めることができると、ダウン症児の出生確率を下げることにもつながると言えるでしょう。
不妊治療は徐々にステップアップしていく方法で行われます。

検査をして病気が生じているなどの問題がなかった場合には、最初は「タイミング療法」で基礎体温から排卵日を予測して受精しやすい時期にタイミングを合わせて夫婦生活を行う方法です。

タイミング療法を周期に合わせて何度か行った後に妊娠が確認できなかった場合にはつぎのステップの「人工授精」を行います。
排卵のタイミングに合わせて、採取した精子を人工的に子宮内に入れることで受精を促す方法です。

この方法でも妊娠が確認できなかった場合には、高度生殖医療の体外受精や顕微授精にステップアップします。
体外受精は、卵巣内から卵子を取り出してからシャーレ上で卵子と精子を合わせて受精を確認し、受精卵を培養してから子宮内に戻す方法です。

顕微授精は顕微鏡下で卵子に精子を直接注入して体外受精より受精しやすくする方法で、これらの施術により妊娠する年齢を早めることが期待できます。

(まとめ)不妊治療はダウン症児が産まれることと関係ある?

1.医学的にはダウン症の出生率と不妊治療に関係が認められていません

ダウン症は染色体異常の1つで21トリソミーとも呼ばれます。

不妊治療がダウン症児の産まれる原因になるという事実はなく、出産時の年齢や栄養素が関係していると考えられていますが、まだ医学的に原因が解明されていません。

2.ダウン症の出生率には出産時の年齢が関係しているといわれます

ダウン症児の産まれる原因は出産時の男性や女性の年齢に影響を受けているといわれます。

とくに女性の年齢が高くなるほどダウン症児の出生率があがり、20代前半では1500人に1人だった確率が40歳では100人に1人の確率に上がるといわれています。

3.遺伝でなくてもダウン症児が出生する可能性があります

ダウン症は21トリソミーと呼ばれる染色体異常の状態で、全体の90~95%といわれる標準トリソミー型と5%の転座型、珍しいモザイク型の3種類に分けられます。

このうち遺伝が関係するのは転座型の半分程度といわれています。

4.不妊治療は出産時期を早めるために行われます

年齢が上がることでダウン症児の出生率が上がるといわれています。

そのため不妊治療を行って早い段階で妊娠することができると、ダウン症児を出生する確率が下がるといえます。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

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院長 小松保則医師