女性に多い「貧血」が不妊の原因になることがあります


血液中の赤血球数やヘモグロビン数が正常値を下回ることを貧血と言います。
貧血になるとホルモンが正常通り分泌されなくなり精子周期が乱れたり、不妊の原因の1つになったりすることがあるのです。

鉄分と不妊は深く関係しており、ヘモグロビン値が正常であっても、体内の貯蔵鉄が減る「隠れ貧血」と呼ばれる状態では、卵子の質の低下につながることもあります。

貧血はホルモンバランス異常や卵子の質低下につながります

ひとくちに貧血と言っても、一般的なイメージの強い、血液中の赤血球やヘモグロビンの量が減るというものだけではありません。

体内の鉄分はヘモグロビンに含有されるだけでなく、フェリチンという形で体内に貯蔵されている分があります。

月経などで鉄分が使用されるときは、フェリチンが使用され不足したフェリチンは日々の生活の中で徐々に補給されるのです。
しかしダイエットや、食事の偏りなどで鉄分が不足してる状態が続くと、フェリチンは補給されず、「隠れ貧血」と呼ばれる状態になります。

貧血になると全身が酸素不足になり、子宮内環境が悪くなるほか、黄体ホルモンの分泌量が減ることもわかっているのです。

ホルモンバランスが乱れると、卵巣機能も低下するため、結果的に不妊につながる可能性があります。
鉄分は抗酸化酵素がうまく働くために必要な成分で、鉄分が不足することで卵子が老化しやすくなります。

卵子の質が低下することは妊娠しにくくなることにダイレクトにつながるため、不妊治療をしている方は貧血を改善することが重要なポイントです。

食事内容の見直しや鉄剤を上手に活用して貧血予防をしましょう


月経のある成人女性の場合、1日の鉄分摂取目安量は10.5mgとなっています。
しかし多く摂りすぎた場合は自然と排出されるようになっているため、鉄分はしっかりと摂ることを目標にしましょう。

鉄分はヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。
それぞれ多く含まれる食品にはどのようなものが挙げられるのでしょうか。

ヘム鉄を多く含む食品
  • レバー
  • 豚モモ肉
  • 牛赤身肉
  • かつお
非ヘム鉄を多く含む食品
  • パセリ
  • 小松菜
  • ブロッコリー
  • ほうれん草
  • 菜の花
  • キャベツ

体により吸収されやすいのはヘム鉄ですが、動物性のものばかりを意識しているとコレステロールが高くなってしまいがちなため、全体的なバランスを考えて摂るようにしましょう。

野菜類に含まれる非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が上昇することを覚えておくと、効率よく摂取しやすくなるでしょう。

日々の食事で鉄分がすべて補えるのであれば、それに越したことはありませんが、食事だけで補給するのが難しいという方も多いものです。

医療機関で処方される鉄剤や市販のサプリメントなどを上手に活用して、効率よく摂取するとよいでしょう。

鉄分不足は眠気や肌アレ、イライラ感などの症状にもつながります

鉄分が不足すると、妊娠しにくくなるだけでなく、体のさまざまなところに影響が出ます。

たとえば体の中は酸素不足になるため、脳にも新鮮な酸素が行き渡らず、日中でも眠気を感じたり、しっかりと睡眠時間を取っても眠気が残ったりするということもあります。
睡眠の質を向上させる工夫の1つとして、鉄分をしっかりと摂るということを取り入れてみてはいかがでしょうか。

肌や髪のもととなるコラーゲンの生成にも鉄分が必要になるために、鉄分が不足すると肌荒れや髪のパサ付きなどが出るほか、体の不調からイライラ感が強くなるなど、精神的に影響を与えることもあります。

不妊治療中にイライラ感を強く感じることがあれば、鉄分不足が原因かもしれません。
強いストレスは自律神経のバランスを乱し、ホルモンの分泌に影響が出ることも考えられます。

不妊治療中は「栄養バランスの取れた食事が重要」ということがよく言われますが、中でも鉄分が不足しないように意識しておくことが大切です。
ゆったりとした気持ちで前向きに不妊治療を進めて行くためにも、貧血予防に努めましょう。

(まとめ)貧血が不妊の原因の1つになることはある?

1.女性に多い「貧血」が不妊の原因になることがあります

貧血は、血液中の赤血球数やヘモグロビン数が正常値より下回ることや、体内の貯蔵鉄が減ることで起こります。

貧血によってホルモンのバランスが乱れや、体内の鉄分不足が卵子の質低下に影響し、不妊につながることがあります。

2.貧血はホルモンバランス異常や卵子の質低下につながります

貧血は子宮内の環境を悪化させてしまうだけでなく、黄体ホルモンの分泌を抑制してしまい、卵巣機能の低下につながることがあります。

鉄分が不足すると、卵子が老化しやすく卵子の質が低下してしまいます。
不妊治療を行っている方は貧血予防に努めましょう。

3.食事内容の見直しや鉄剤を上手に活用して貧血予防をしましょう

鉄分は肉魚類に含まれる動物性のヘム鉄と、ほうれん草などの野菜に含まれる非ヘム鉄の2種類に分かれます。

ヘム鉄のほうが吸収がよいですがコレステロールには気を付けましょう。
食事だけでなく鉄剤やサプリメントを使って上手に鉄分を補給しましょう。

4.鉄分不足は眠気や肌アレ、イライラ感などの症状にもつながります

鉄分不足になると、強い眠気や肌荒れ、イライラ感などの症状がでることがあります。

不妊治療中は妊娠しやすい体作りや、精神の安定のためにも鉄分を積極的に摂取し、貧血予防に努めましょう。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師