不妊治療中にハードな運動は禁物です


不妊治療の方法にはいくつかの段階がありますが、一般不妊治療ではとくに体づくりが不可欠です。
そのためには、運動不足は避けたほうがよいでしょう。

ただしムリな運動は体に負担をかけることになり、不妊治療に逆効果にもなりかねません。
とくに体外受精の治療では、ハードな運動は禁物です。
日常生活の過ごし方にも、細かい注意が必要です。

不妊治療中のハードな運動は禁物です

妊娠中や妊娠を目指している人ではなくても、適度な運動は血行の改善などにつながり、健康のために役立ちます。

妊娠したい人にとっても、体づくりのために適度な運動がおすすめです。
ただしあくまでも適度な運動が良く、ハードな運動はかえって妊娠しにくくなってしまう可能性があります。

激しい運動はホルモンバランスの乱れや活性酸素の過剰発生によって、不妊症が悪化してしまうこともあるでしょう。

活性酸素は通常量であれば生きていくために役立つ物質ですが、過剰に発生すると正常な細胞や遺伝子にダメージを与えてしまいます。
激しい運動をすると多くの活性酸素が発生し、卵子も精子もダメージを受けやすいのです。

女性だけでなく、パートナーの男性側にもハードすぎる運動には注意する必要があるでしょう。
ハードな運動をしていると、標準体重より体脂肪率が低くなることがあります。

標準より痩せた体には女性ホルモンのエストロゲンの生成が不足することがあり、不妊の原因にもなります。
また激しい運動がストレスになることもあり、自律神経のバランスを乱して妊娠に備えられないこともある点を認識しておきましょう。

体外受精中には適度な安静が必要です


不妊治療の中でも、とくに体外受精中には適度な安静を心がけることが重要です。
通常であれば大したことがない行動でも、体外受精中にはデリケートな女性の体が刺激を受けて体に負担がかかってしまうかもしれません。

とはいえ、仕事と不妊治療を両立している方もいるでしょう。・
その場合は、ムリして残業しない・通勤で満員ラッシュを避ける・肉体労働は控えるなどの注意が必要となってきます。

家事でも、体力を激しく消耗するような作業は避けておくのが賢明です。
体づくりをしようと、水泳やエアロビクス、ジョギングのような激しい運動をするのも禁物です。
ヨガなども人によっては激しい運動になってしまう可能性があるため、よく検討したほうがよいでしょう。

適度に体を動かすことはストレスの発散にもなりますから、運動の種類は吟味するようにしてください。
簡単にできる運動では、軽いウォーキングなどがおすすめです。
ウォーキングといっても競歩のように歩く必要はなく、のんびりお散歩程度の外出で十分です。

ストレスを感じすぎず、リラックスして過ごすことが、不妊治療中にはよい静養となります。
どのように過ごしたらよいか迷ったときには、かかりつけの医療機関で気軽に相談してみてください。

健康な母体を作るには適度な運動が効果的です

健康な母体を作るためには、血液がよく循環していることが重要です。
運動不足が続くと、血行が悪くなって代謝が低下してきます。

すると筋力も低下してくるため、さらに血行が悪くなってきます。
これにより体が冷えやすくなり、不妊の原因ともなってしまうのです。

体の冷えは、子宮や卵巣の機能を低下させてしまいます。
冷えを改善するためには血行をよくして体を温める必要がありますが、そのためには筋力が不可欠なのです。

そこで適度な運動が効果を発揮してくれます。
適度な運動をすると、ストレスの解消につながり、自律神経のバランスも安定してくるでしょう。

適度な運動はほかにもストレスの解消や自律神経の安定にも役立ちます。
ストレスは、脳の視床下部で生殖ホルモンの生成を抑制させてしまう可能性があります。

生殖ホルモンが不足すればホルモンバランスが乱れてくるため、月経不順になったり、妊娠しにくい状態になったりしてしまうでしょう。
このように、適度な運動はさまざまな観点から、不妊を改善するために役立ってくれるのです。

せっかくするのですから、楽しく取り組める軽めの運動を見つけられると続けやすいでしょう。
どのような運動や日常生活の過ごし方が適しているか、医師ともよく相談することをおすすめします。

(まとめ)不妊治療中に運動することはできる?

1.不妊治療中にハードな運動は禁物です

一般不妊治療では体づくりのために適度な運動も不可欠ですが、ムリな運動で体に負担をかけるのはよくありません。

とくに体外受精の治療中にはハードな運動が禁物なうえ、日常生活での動きなどにも注意が必要です。

2.不妊治療中のハードな運動は禁物です

不妊治療中に激しい運動をすると、活性酸素が過剰に発生して精子や卵子を傷つけてしまったり、ホルモンバランスが乱れやすくなったりします。

ストレスがたまるほどの運動をすることで自律神経が乱れることもあるため、あくまでも適度な運動にとどめましょう。

3.体外受精中には適度な安静が必要です

安静を心がけて過ごすことが、不妊治療中には重要です。

仕事や家事も、ムリをしないように注意して行動する必要があります。
なるべくリラックスして過ごしながらも、適度に体を動かしてストレス発散するのがよいでしょう。

4.健康な母体を作るには適度な運動が効果的です

血行が良い状態を保つことは、健康な母体づくりには重要なことです。

運動不足は血行を悪くして筋力を低下させ、代謝も衰えさせてしまいます。
その結果、体が冷えるようになると不妊の原因となりかねませんから注意してください。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小山寿美江医師
こやま すみえ/Sumie Koyama

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経歴
1999年 琉球大学医学部医学科卒業
2000年 東京医科大学病院救急救命センター
2001年 東京女子医大病院腎センター
2003年 緑風荘病院 血液浄化療法センター
2006年 昭和大学病院産婦人科
2009年 昭和大学病院産婦人科 助教
2010年 東京衛生病院産婦人科
2012年 木場公園クリニック勤務
木場公園クリニック 分院 院長
2016年 六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
アメリカ生殖医学会

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院長 小山寿美江医師