過剰なダイエットは不妊治療に悪影響を及ぼす場合もあります


ムリのないダイエットであれば、不妊治療中に行っても問題がないといえます。
しかし過激なダイエットで急激に体重を減少させたりすると、ホルモンバランスが崩れたり、月経が止まったりなどさまざまな体調不良が生じることがあります。

不妊治療中に体重の増加が気になったからと、食事を大幅に制限するような過度のダイエットをするのは不妊治療の妨げになるので注意が必要です。

不妊治療中でも適度なダイエットを行うことは可能です

不妊治療中でも少しだけダイエットをしたいというような場合、短期間で急激に体重を落とすように極端な食事制限などを行うダイエットではなく、長い時間をかけてゆっくりと痩せるようなダイエットを行うことは可能です。

しかし女性はある程度の皮下脂肪がついていないと排卵が止まることもあり、妊娠しにくい状態になるといわれています。

1年以内に5キロ(または10%)以上体重を減らすような過度のダイエットを行うと、ホルモンの分泌に異常が生じたり卵巣の働きが悪くなったりして不妊治療に影響がでる可能性があるため、気をつける必要があるでしょう。

一般的に妊娠しやすいのはBMIが22前後の標準体重のときといわれています。
BMIは「体重(kg)÷身長(m)の2乗」で計算することができるので、自分の体重が標準体重に近い状態かどうかを確認して、ダイエットを行っても問題がないかどうかを判断したほうが安心です。

自分の身長に適した標準体重は「身長(m)×身長(m)×22」で計算することができます。
BMIが低めでもBMI値が標準の範囲内で健康に過ごせていれば大丈夫ですが、低体重と判定されるBMI値18.5未満の場合には栄養不足状態も考えられるためムリのない程度にダイエットを行うようにしましょう。

肥満が原因で不妊になることもあります


痩せるためのムリなダイエットが原因で不妊になる場合があるのですが、肥満が原因でも妊娠しにくくなることがあります。
太り過ぎて体脂肪が多い場合には血糖値の高い状態が続くことがあり、とくに食後には血糖値を抑えるためにインスリンが大量に分泌されます。

この血糖値が高い状態が続いて糖尿病になってしまうと妊娠しにくくなり、妊娠してからも流産や早産になる・出産時に巨大児・低体重児となるなどの可能性が高くなるといわれているのです。

また肥満のために体脂肪が増えると、卵巣の皮が厚くなって卵子の成長に問題が生じたり、排卵が行われにくくなったりするともいわれています。
一般的に肥満と判定されるのはBMI値25以上です。

BMI値が27以上と高くなると排卵障害が生じることがあり、BMI値が高く体脂肪も多い場合にはPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)になっていることもあります。
PCOSは毎月の排卵時に、通常通りに排卵されずに卵子が留まってしまう症状です。

PCOSの症状を放っておくと不妊症になる可能性があるので、できるだけ基礎体温をつけて排卵の状態を確認する習慣をつけておくようにしましょう。

痩せすぎや肥満にならないようなダイエットが大切といえます

BMIが18.5未満と27以上のどちらの場合にも排卵障害が起きやすいといわれています。
美容のために痩せたいという場合には体重を減らさなければと思うかもしれませんが、体重が変わらなくても身体のサイズダウンをすることは可能です。

実は脂肪よりも筋肉の方が重く、筋肉は脂肪の1.2倍の重さがあります。
そのため同じ重さで比べると脂肪と筋肉では筋肉の方が小さく、運動で脂肪を燃焼して筋肉をつけることで身体を引き締めてすっきりスリムになることが可能です。

痩せていてなかなか妊娠できないという場合には、BMI値が問題のない範囲になるように食事量を増やして筋肉をつけることで、美容に気をつけながら妊娠しやすい身体づくりができるといえます。

肥満度が高く体脂肪が多いために生理不順になるなどの問題が生じて妊娠できない状態の場合には、体重を落とすために正しいダイエットを行う必要があるでしょう。

ただ必要な栄養素をしっかりと摂りながら健康的にダイエットを行うことは難しく、自己流で体重を落とすことができても偏った栄養の摂り方ではかえって不健康になってしまう心配もあります。
健康にダイエットを行うためには正しい栄養の摂り方について医師に相談することをおすすめします。

(まとめ)不妊治療中にダイエットをしても大丈夫?

1.過剰なダイエットは不妊治療に悪影響を及ぼす場合もあります

ムリのないダイエットは不妊治療中でも行うことが可能です。

ただし急激に体重を減少させるようなダイエットは、ホルモンバランスが崩れるなどの体調不良が生じることがあるため注意してください。

2.不妊治療中でも適度なダイエットを行うことは可能です

体型が気になるからと厳しい食事制限などで急激に体重を落とすようなダイエットではなく、長い期間をかけてゆっくり痩せるようなダイエットを行うことは可能といえます。

妊娠しやすいといわれるBMI22を基準にダイエットを行うといいでしょう。

3.肥満が原因で不妊になることもあります

痩せるためのムリなダイエットだけではなく肥満が原因でも妊娠しにくくなることがあります。

太って体脂肪が増えることで糖尿病になる可能性もあり、卵巣の皮が厚くなるなどの問題が生じる場合もあるのです。

4.痩せすぎや肥満にならないようなダイエットが大切といえます

美容のために痩せたいというときには、脂肪を燃焼して筋肉がつくように運動をすることで健康的に痩せることができます。

正しい栄養の摂り方については医師に相談することをおすすめします。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小山寿美江医師
こやま すみえ/Sumie Koyama

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経歴
1999年 琉球大学医学部医学科卒業
2000年 東京医科大学病院救急救命センター
2001年 東京女子医大病院腎センター
2003年 緑風荘病院 血液浄化療法センター
2006年 昭和大学病院産婦人科
2009年 昭和大学病院産婦人科 助教
2010年 東京衛生病院産婦人科
2012年 木場公園クリニック勤務
木場公園クリニック 分院 院長
2016年 六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
アメリカ生殖医学会

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院長 小山寿美江医師