おりものの異変が不妊症を招く病気のサインとなる場合もあります


おりものは健康であれば無色透明で、においもほぼありません。
しかし黄緑色や茶色に変色した場合や、においが強くなった場合は細菌性感染症や婦人科系疾患を発症している可能性があります。

放置しておくと、子宮や卵巣、卵管などにダメージが及んで結果的に不妊症に陥るリスクも高まるとされています。

ただ早期に発見して治療を受ければ妊娠の望みはあります。
気になる症状があれば、できる限り早く病院を受診することをおすすめします。

黄緑色のおりものは不妊を招く細菌感染症の可能性があります

おりものは膣を弱酸性にし、カンジダ菌などから膣を守る作用があります。
正常なおりものは、無色透明か乳白色で無臭です。

黄緑色に変化しニオイがきつくなったら、不妊の要因ともなる細菌感染症にかかっている可能性があります。
国内で感染者が多いのが、クラミジア・トラコマチスという細菌による、クラミジア感染症です。

感染後はおりものが黄緑になり、悪臭を放ち性行為痛や腹痛などの症状が出ます。
放置すると卵管や子宮頸管まで炎症が広がり、不妊になるリスクが高まります。

さらに淋菌という細菌による淋病もその一つです。
1週間でおりものの変色や臭いが強くなり、腹痛や発熱・喉の痛みなどの症状が出ます。

またトリコモナス原虫という小さな虫が膣内に寄生し、炎症を引き起こすトリコモナス膣炎も、放置すると不妊症となる可能性があります
自覚症状が出にくいですが、悪化すると外陰部のかゆみや性交痛、膀胱炎などの症状が出ます。

上記3つの感染症以外で、膣炎を起こしており、検査しても原因菌が判明しない場合は非特異性膣炎と診断されることがあります。

膣内環境が悪化し、外部から何らかの雑菌が侵入することや、常在菌が異常に増えることなどが原因とされています。

茶色っぽいおりものは婦人科系疾患の可能性があります


血液が混じった茶色のおりものが続く場合は、子宮や卵管など婦人科系疾患の可能性があります。
本来は子宮内にのみ存在する子宮内膜が、子宮以外の場所にできる子宮内膜症や子宮内外に腫瘍ができる子宮筋腫などが当てはまります。

さらに子宮頚管にできる子宮頸がんや子宮内部にある子宮内膜にできる子宮体がん、子宮と卵巣をつなぐ卵管や子宮や卵巣を包む薄い膜、骨盤腹膜に細菌が感染して炎症を起こす卵管炎や、骨盤腹膜炎などもおりものに血液が混じる原因です。

婦人科系疾患を発症すると、おりものの色の変化以外にも疾患によって症状が異なりますが、腹痛や嘔吐・発熱・月経痛や頻尿など症状が出やすくなります。
そして子宮頸がんの場合はさらっとした水っぽいおりものが多量に出ることもあるのです。

また婦人科系疾患以外にも強いストレスを受け続けたり、不規則な生活で睡眠不足になり、疲れが溜まって免疫力が低下したりするとホルモンバランスが乱れて、不正出血が起こりおりものが茶色くなる場合もあります。

おりものの異変が不妊症を招く病気のサインとなる場合もあります

おりものの色やニオイなどがいつもと違ったり、腹痛や発熱・陰部の痛みなど体に異変を感じたりしたら、細菌感染症もしくは婦人科系疾患の可能性が疑われます。
放置すると、子宮や卵巣・卵管などへダメージが広がり不妊症になるリスクも高まります。

気になる症状があれば、できる限り早めに専門のクリニックを受診しましょう。
早期に発見して、重症化する前に治療を行えば、完治できるケースも多いとされています。

細菌感染症や婦人科系疾患が治れば、不妊症となっていた原因が取り除かれることになるので妊娠の可能性も出てきます。

治療方法は病気によって異なりますが、細菌感染症の場合は原因は菌の増殖を抑える内服薬や抗生物質の服用、膣内の炎症を鎮める膣剤の投与などが行われます。

婦人科系疾患の場合も、抗がん剤や抗生物質などの薬物療法や、場合によっては腫瘍などの病巣を取り除く手術が必要となる場合もあります。

いずれにしても、おりものは女性の体の変化を知らせてくれる重要なサインです。
不妊症につながる重大な病が潜んでいる可能性もあるので、変化には注意しましょう。

(まとめ)おりもの変化が不妊症の原因になるって本当?

1.おりものの異変が不妊症を招く病気のサインとなる場合もあります

おりものが黄緑色や血液が混じって茶色になり、においがきつくなると細菌性疾患や婦人科系疾患の疑いがあります。

できるだけ早く病院を受診し、検査を受けて治療を行えば妊娠の可能性はあるとされています。

2.黄緑色のおりものは不妊を招く細菌感染症の可能性があります

通常では無色無臭のおりものが、黄緑色に変色しニオイが強くなるとクラミジア感染症などの細菌感染症にかかっている可能性があります。

細菌感染症が悪化すると、炎症が卵管や子宮頸管にまで広がり不妊症となるリスクが高まります。

3.茶色っぽいおりものは婦人科系疾患の可能性があります

血液が混じって茶色のおりものが続くと、子宮内膜症など子宮や卵管などの婦人科系疾患の可能性があります。

婦人科系疾患も放置すると、生殖機能が低下し不妊症を招くリスクがあります。

4.おりものの異変が不妊症を招く病気のサインとなる場合もあります

おりものの色やニオイが変化した場合や、体調不良が続く場合は疾患を発症している可能性があります。

早期発見・治療を行えば妊娠の可能性も残されているので、早めに医療機関を受診しましょう。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師