妊娠しにくいのは免疫力が低いことも原因のひとつです


妊娠しにくくなる原因にはさまざまなものがありますが、免疫力が低いことも妊娠しにくいことと関連しています。

免疫力が低い方は基礎体温が乱れていることがあり、基礎体温の乱れにはホルモンバランスが崩れていることが関係しています。

女性の基礎体温の変化は女性ホルモンによるものですが、女性ホルモンはストレスや生活習慣の影響をとても受けやすいです。
ホルモンバランスが乱れると冷えや血行不良などが起こり、妊娠力の低下に繋がります。

基礎体温が低いと免疫力も低下します

血液は身体中の細胞に栄養と酸素を送り届ける代わりに、老廃物を取り除く働きをしています。
血液の中には免疫機能を持つ白血球が存在していますが、白血球が身体中を巡回することで身体に潜む異物を監視しています。

基礎体温が下がると血流が悪くなることによって免疫力が低下します。
弱まった免疫力ではたとえ異物を発見しても白血球を集めにくくなるので、ウィルスや細菌を駆除することができず病気にかかりやすくなり、健康を脅かします。

また血行不良の状態ということは子宮周辺の血流も悪くなっているので、妊娠に関わる機能も低下してしまいます。

子宮の働きが鈍くなると排卵がスムーズに行われなかったり、受精卵が育ちづらかったりすることがあります。

ただし基礎体温が低いからといって、妊娠する可能性がなくなるわけではありません。
基礎体温は36~37℃の間で推移しますが、時に基礎体温が低い状態が続くことがあります。

そのような場合は甲状腺や生殖器官に何らかの原因があることも考えられますが、不妊治療専門のクリニックで治療を受けることができます。

受診の際には基礎体温をつけたグラフを持参するとよいでしょう。
基礎体温は一般的な体温計では測ることができないため、0.01単位で測れる婦人用体温計を使用してください。

筋肉量の衰えが低体温を招きます


基礎体温が低くなる原因は筋肉量の低下によるものだと考えられており、50年前と比較して0.7度近く体温が下がっていると言われています。

理由のひとつとして、現代人が運動不足になりがちであることが指摘されています。
50年前は手作業で掃除や洗濯などの家事を行っていましたが、現在では家電製品の力に頼りがちなライフスタイルとなっています。

また日常的に畑仕事をすることも多かったため、運動量が現在よりもはるかに多かったと言えます。
物にあふれた便利な生活を送り続けたことで運動量が著しく低下し、筋肉量が減少したと考えられているのです。

運動量の低下の他にも空調設備の充実により、汗をかきにくくなったことが低体温の原因であるとも言われています。

脳の視床下部には体温中枢がありますが、体温中枢が刺激されにくくなると体温を調節するための発汗中枢が機能しなくなり、低体温になりやすくなります。

低体温を改善して免疫力をアップしましょう

低体温を改善するためには、1度でも体温を上げる努力をすることが大切です。
体温を上げるために最大の効果を発揮するのは、やはり運動です。

1日30分歩きましょう

加齢によっても筋肉は減少しますが、その割合は1%ほどです。
ところが身体を動かさないまま1日を過ごした場合、0.5%もの筋肉が失われるとされています。

筋肉を維持するためには、毎日の生活で身体を動かすことが必要です。
1日30分歩くと身体を温めることができ、8gの内臓脂肪を消費するほどの有酸素運動になります。

ウォーキングは日常生活に取り入れやすい運動ですので、一駅分余計に歩くなど、とにかく歩くことを意識してみましょう。

習慣化させるコツとしてはやらなければならないという義務感はいったん捨て、景色を見ながら歩くなど自分なりに楽しみながら行うことです。

ゆっくりと入浴する

入浴はシャワーだけという方も少なくありませんが、身体を温めて免疫力をアップさせるには湯船に浸かって身体をほぐしましょう。
湯船に10分間入るだけで体温が1度ほど上昇します。

こちらも取り組みやすい方法なのでウォーキングと併せて実行し、免疫力の高い妊娠しやすい身体づくりを始めてみましょう。

(まとめ)妊娠しにくいのは免疫力が低いせい?

1.妊娠しにくいのは免疫力が低いことも原因のひとつです

妊娠しにくい原因はいくつも考えられますが、免疫力が低いことが関係していることがあります。

免疫力が下がってしまうのは基礎体温の乱れによるものであり、基礎体温が乱れる原因はホルモンバランスが影響しています。

2.基礎体温が低いと免疫力も低下します

基礎体温が低いと免疫力が低下し、身体をパトロールする白血球を集めにくくなるため、ウィルスや細菌を駆除できず病気にかかりやすくなります。

血行不良にもなりやすく子宮周囲の血の巡りも悪くなるため、妊娠に必要な機能も低下してしまいます。

3.筋肉量の衰えが低体温を招きます

筋肉量の低下により、基礎体温が低くなると考えられています。

現代人に起こりがちな運動不足が筋肉量の低下を招きますが、空調設備の影響で汗をかきにくくなったことも原因とされています。

4.低体温を改善して免疫力をアップしましょう

低体温を改善し、免疫力を高めるには日常的に身体を温めることを習慣としましょう。

ウォーキングのように取り組みやすい軽めの運動を始め、入浴の際はシャワーよりも湯船に浸かるのがおすすめです。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
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院長 小松保則医師